ジョージ・カトリンの代表作
ARTIST

ジョージ・カトリン

George Catlin

生没年
1796–1872
国・地域
アメリカ
時代・様式
19世紀アメリカ美術

1830年代にアメリカ西部を旅し、先住民の肖像や生活場面を「インディアン・ギャラリー」としてまとめたアメリカの画家。

限られた大きさの画面に人物の姿勢や服飾を明確に配置し、肖像、儀礼、狩猟、風景を広範囲に描きました。今日は、貴重な視覚資料であると同時に、19世紀の白人画家の視点を通した表象として読む必要があります。

生涯

弁護士と肖像細密画家を経て、1830年から西部への旅を重ねました。ミズーリ川上流をはじめ多くの地域で制作し、500点を超える最初の連作を米国と欧州で展示しました。スミソニアンには、その主要部がまとまって所蔵されています。

COLUMNS関連コラム

  • 名画の楽しみ方

    題が、行いと場所でできている——ジョージ・カトリンの場面画九点

    踊りの名と民族の名。球技の名と町の名。肖像の題が人の名から始まったのに対し、場面の題は行いから始まる。球が上がる、球が落ちる。二重の横線で分けられた、対になった絵の題も合わせて読みたい。行いを名にするという書き方である。

  • 名画の楽しみ方

    題が、音と訳と立場でできている——ジョージ・カトリンの肖像九点

    音を写した名、その訳、そして立場や属する集団。三つが読点で区切られて題になる。書き留めたのは外から来た人であり、綴りはその人の耳と文字による。いまの表記との違いも含めて、題の作られ方を読みたい。名を書き留めた側の立場も見たい。

  • 名画の楽しみ方

    一枚の台紙に、番号が七つ——ジョージ・カトリンの厚紙絵九点

    厚紙の左下、台紙に貼った札、裏の鉛筆書き、橙色の蝋筆、桃色の絵具、そして粘着テープ。同じ一枚の上に、七つの時期の番号が重なっている。誰も消さなかったおかげで、この絵の通ってきた道が読める。番号の層を古い順にほどきたい。

  • 画家を知る

    三百二十七点が、一つの番号で入る——ジョージ・カトリン

    九点とも、1965年の十六番目の群に属する。その群には三百二十七点が含まれる。同じ規格のカンヴァスが繰り返され、額の寸法まで揃う。台紙の札と作者自身の番号も残る。反復の記録を読みたい。年の欄に、疑問符と斜線が入る点もある。

  • 画家を知る

    九点とも、寸法が一ミリも違わない——ジョージ・カトリン

    縦73.7センチ、横60.9センチ。九点の寸法の欄には、誤差なく同じ数字が並ぶ。既製の布を同じ寸法で切り、同じ木枠に張ったからである。題は三つの部分に分かれ、訳された名の綴りが揺れる。規格の側から九点を読みたい。

  • 画家を知る

    同じ大きさの紙に、二つの大陸が並ぶ——ジョージ・カトリン

    九点の厚紙は、縦も横も数センチしか違わない。番号を振られ、束として作られた一群である。北米の平原と南米の森が、同じ寸法の紙に同じ手つきで並ぶ。楕円と長方形の使い分けから、この一覧の作り方を読みたい。番号の紙片も、台紙の色も手がかりになる。

  • 美術史・技法

    題に、日付まで書いてある——ジョージ・カトリンのラ・サール連作

    氷の上を渡ったのは1681年12月8日である、と題に書いてある。年でも月でもなく、日である。連作の九枚には、そうした日付や地名が並ぶ。誰の記録にもとづくのか、館は書かない。描かれた土地には人が暮らしていた。題の細かさと、そこから漏れるものを見たい。

  • 画家を知る

    題に、距離が書いてある——ジョージ・カトリン

    セントルイスより百十マイル、八百七十マイル、千九百マイル。題が地図の役目をする。地名の少ない土地では、河口からの距離が位置を示した。同じ大きさの布を続けて使った六枚と、三十年後に描かれた二枚を並べる。

  • 美術史・技法

    「記録」という言葉を、疑ってみる——ジョージ・カトリンの肖像

    カトリンの絵は「消えゆく人々の記録」として売られ、有料で公開された。捕虜として描かれた肖像、そろえられた寸法、番号を振られた後年の連作、目撃できない主題の絵。記録という主張がどう作られたのかを、所蔵館の記録と突き合わせて検証する。