
トマス・サリー
Thomas Sully
- 生没年
- 1783–1872
- 国・地域
- アメリカ(イングランド生まれ)
- 時代・様式
- 19世紀アメリカ美術
19世紀前半のフィラデルフィアを代表する肖像画家。舞台人のような動きと優美さを肖像に持ち込みました。
作風・特徴
滑らかな筆触と明暗の移り変わりで顔と衣服をまとめ、人物に身振りや視線の動きを与えます。イギリス肖像画の華やかさをアメリカの依頼主に合わせました。
生涯
イングランドに生まれ、幼年期に家族とアメリカへ移住しました。細密画から出発し、ギルバート・スチュアートに学んだ後、ロンドンでトマス・ローレンスの肖像画を研究。1808年にフィラデルフィアへ定住し、ヴィクトリア女王を含む2,000点以上の肖像を手がけました。
ARTWORKS作品
この画家の作品をすべて見る-
ウィリアム・ウォートリー・ウォースリー夫人、レベッカ・スミス
-
トマス・サリー夫人(サラ・アニス)
-
メアリー・アビゲイル・ウィリング・コールの肖像
-
ジョゼフ・デューガン
-
ジェローム・ボナパルト夫人、エリザベス・パターソン
-
チャールズ・スチュアート大佐
-
ダニエル・ラ・モット
-
キャサリン・マシューズ夫人
-
ジャン・ターフォード・デイヴィッドの肖像
-
ジャン・ターフォード・デイヴィッドとメアリー・シカード・デイヴィッドの肖像
-
メアリー・シカード・デイヴィッドの肖像
-
ロバート・ウォルシュ
-
エイブラハム・キンツィングの肖像
-
ヘンリー・プラット
-
ハープを持つ婦人——イライザ・リジリー
-
ジョン・ビドル少佐
-
ジョン・ビドル夫人
-
チャールズ・カーナン・リッジリー
-
人物習作
-
病者を癒すキリスト、レンブラントにもとづく(写生帖より)
-
埋葬
-
窓辺の女
-
恥じらいのヴィーナス型の水浴、トリトン、逃げる人物の構図(素描帖より)
-
ダヴィッドにもとづく素描ほか(写生帖より)
COLUMNS関連コラム
-
作品を知る
窓は、絵のなかの絵である——欧米の室内画・版画ほか九点
窓を描くと、その四角のなかに別の景色が入る。室内の暗さと、外の明るさが同居する。九点で、窓の形と位置を読みたい。窓の外を描かず、白く飛ばす方法もある。窓の桟が、外の景色を分割する働きも持つ。九点で、その形を数えたい。
-
美術史・技法
一冊の帳面が、百四十八点になる——トマス・サリーの写生帖、メトロポリタン美術館
五三・一八二。一九五三年に受け入れた、その年の一八二番目の件である。ところが頁ごとに枝番が付き、紙の表と裏で番号が分かれる。一冊が百四十八点として数えられている。一点という単位を、誰がどう決めたのかを読みたい。
-
美術史・技法
文字を組んで、名の代わりにする——フランス・ハルスとトマス・サリーの組み合わせ署名
二つか三つの頭文字を、線を共有させて一つの形にまとめる。今回選んだ九点の署名は、いずれもその組み合わせ文字である。読むにはまず元の文字へほどかなければならない。二百年にわたって使われ続けた、この小さな図形の仕組みを読みたい。
-
画家を知る
面積が、千倍以上ひらく——トマス・サリー
切手二枚ほどの細密画から、人の背丈を超える全身像まで。九点の面積は千倍以上ひらく。注文の形が三つに分かれ、下地も象牙とカンヴァスに割れる。四十年ぶんの仕事を、寸法の欄から読み直したい。白黒でしか見られない一点もある。
-
画家を知る
他人の絵を、写して覚える——トマス・サリーの写生帖
一冊の帖から出た九枚は、どれも他人の絵の写しである。レンブラント、ダヴィッド、レノルズ。名は題に書かれ、疑問符が付くものもある。線だけの速い写しと、淡彩を重ねた写しが同じ帖に同居する。受入の年が一年ずれる記録の癖にも触れる。
-
画家を知る
題が、括弧だけで終わる——トマス・サリーの写生帖
館の題が、括弧に入った「写生帖より」だけになっている。本体が空のまま、出どころだけが残る。九点のうち六点がその形である。題で呼べない絵を、どう区別するのか。インクと淡彩の頁を、記録の書き方の側から読み直したい。
-
画家を知る
同じ顔が、二枚ある——トマス・サリー
夫人の肖像が、四センチ八ミリの象牙と七十四センチの油彩で残る。三十年の間隔がある。同じ人物の肖像が、二つの館に同じ年で残る例もある。子どもの人数が増えるほど画面が大きくなる三枚も並べ、寸法から読み直したい。
-
画家を知る
肖像画は、二十日で仕上がった——トマス・サリーの帳簿
2メートルを超える全身像が、三週間で仕上がっている。トマス・サリーは着手日と完成日と値段を帳簿に書き残した。胸像は50ドル、頭部は30ドル。ヴィクトリア女王の一件を含め、19世紀の肖像画がどんな商売だったのかを記録から読む。



























