画家を知る

同じ顔が、二枚ある——トマス・サリー

夫人の肖像が、四センチ八ミリの象牙と七十四センチの油彩で残る。三十年の間隔がある。同じ人物の肖像が、二つの館に同じ年で残る例もある。子どもの人数が増えるほど画面が大きくなる三枚も並べ、寸法から読み直したい。

サラ・アニス・サリー(トマス・サリー夫人)
トマス・サリー《サラ・アニス・サリー(トマス・サリー夫人)》メトロポリタン美術館蔵

同じ顔が、二枚ある

一枚から始めたい。

サラ・アニス・サリー(トマス・サリー夫人)
トマス・サリー《サラ・アニス・サリー(トマス・サリー夫人)》1832年。油彩、カンヴァス。館の記録では、縦74.9センチ、横57.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。フランシス・T・S・ダーリーの遺贈、1914年。この作品は、ほとんど色のない古い記録写真で公開されている。トマス・サリー《サラ・アニス・サリー(トマス・サリー夫人)》メトロポリタン美術館蔵

楕円の画面である。

年配の女性が、こちらを向く。

白い被り物をかぶる。

そして、肩に薄い布を掛ける。

右手を、胸のあたりに置く。

背景は、暗い。

九枚という範囲

この記事で扱うのは九枚である。

四枚は一つの館、五枚は別の館にある。

そして、二組の重なりがある。

つまり、比べる軸がある。

色が、分からない

画像に色がない。

だから、当サイトは色を語らない。

撮られた時期

古い写真は、粒が粗い。

そして、階調も狭い。

何が、読めるか

明暗は読める。

そして、形も読める。

灰色の台

背景の灰色は、撮影の台である。

つまり、作品の一部ではない。

楕円という形

画面は、楕円である。

つまり、角がない。

被り物の襞

白い被り物に、細かい襞がある。

そして、顔を囲む。

描かれた人

題に、作者と同じ姓がある。

そして、括弧の中に別の呼び名がある。

一枚目の大きさ

縦74.9センチ、横57.5センチ。

つまり、胸から上の判型である。

二つの名の並び

前に個人の名、後に夫の名。

つまり、二通りの呼び方が並ぶ。

二枚目も、同じ人

トマス・サリー夫人(サラ・アニス)
トマス・サリー《トマス・サリー夫人(サラ・アニス)》1802年ごろ。水彩、象牙。館の記録では、縦4.8センチ、横4.8センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。フレッチャー基金による購入、1928年。この作品は、ほとんど色のない古い記録写真で公開されている。トマス・サリー《トマス・サリー夫人(サラ・アニス)》メトロポリタン美術館蔵

丸い枠に、絵が収まる。

上に、平たい金具が付く。

若い女性が、こちらを向く。

髪を、上でまとめる。

そして、白い衣を着る。

二枚目の枠

丸い金属の枠が、絵を囲む。

そして、上に金具が付く。

題の順が、逆

一枚目は、個人の名が先である。

そして、二枚目は、夫の名が先である。

二つの技法

一枚目は油彩、二枚目は象牙に水彩である。

つまり、材料も違う。

同じ人物、違う書き方

同じ人物でありながら、題の順が違う。

つまり、記録の書き方が揃わない。

なぜ、違うか

登録の時期が違うのだろう。

もっとも、館の記録は説明しない。

だから、当サイトは断定しない。

読む人のために

揃わないことを書けば、確かめられる。

つまり、伝える価値がある。

直さずに、記す

当サイトは、記録を書き換えない。

そして、揃わないことを書く。

二枚の受入

一枚目は遺贈、二枚目は購入である。

そして、年も違う。

三十年の差

一枚目は1832年である。

そして、二枚目は1802年ごろ。

同じ館に、二枚

三十年離れた二枚が、同じ館にある。

つまり、並べて見られる。

若いころと、年配のころ

同じ人物を、三十年の間隔で描いている。

つまり、時間が見える。

面積では

74.9センチと4.8センチ。

つまり、面積では二百倍を超える。

面積では

四枚目は、三枚目の七倍を超える。

つまり、桁が違う。

大きさの差

74.9センチと4.8センチ。

つまり、十五倍以上ある。

円い画面

画面は、円に近い。

つまり、枠の形に合わせている。

正方形に近い

縦4.8センチ、横4.8センチ。

つまり、縦横が同じである。

帯の位置

帯は、画像の上と下にある。

そして、黒い。

画像の縁

画像の上下に、黒い帯がある。

そして、そこに文字らしきものが写る。

二度、写す

もとの写真を、もう一度写す。

つまり、階調が失われる。

写真の写真

これは、古い写真をそのまま写したのだろう。

つまり、写真を撮った写真である。

当サイトの扱い

写っているものは、写っていると書く。

つまり、消さない。

縁の記号

帯の中に、記号らしき形が並ぶ。

もっとも、館の記録は触れない。

三枚目は、素描

ジョン・クインシー・アダムズ
トマス・サリー《ジョン・クインシー・アダムズ》1824年。水彩、黒チョーク、黒鉛、生成りの簀の目紙。館の記録では、縦26.4センチ、横16.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。フレッチャー基金による購入、1938年。この作品は、ほとんど色のない古い記録写真で公開されている。トマス・サリー《ジョン・クインシー・アダムズ》メトロポリタン美術館蔵

室内の場面である。

男性が、椅子に座る。

そして、大きな紙を膝に置く。

左に、机と布がある。

右奥に、壁と棚が見える。

下に、小さな人物の描き込みがある。

三枚目の場面

男性が、椅子に座る。

そして、大きな紙を膝に置く。

三つの画材

水彩、黒チョーク、そして黒鉛。

つまり、三つが重なる。

簀の目という語

紙を漉くとき、簀の筋が残る。

つまり、材料の跡である。

簀の目紙

技法の欄に、簀の目紙とある。

つまり、手漉きの紙である。

余白の使い方

余白に、別の図を試す。

つまり、紙を無駄にしない。

下の描き込み

画面の下に、小さな人物が別に描かれる。

つまり、余白に試している。

三枚目の大きさ

縦26.4センチ、横16.5センチ。

つまり、小さい。

素描という性格

これは、仕上げた絵ではない。

つまり、考えている途中の紙である。