作品を知る

寸法が、三段で書かれる——中国の掛軸九点

画面の大きさ、表装を含めた大きさ、軸先を含めた大きさ。掛軸の寸法の欄は三段になる。表装が画面の二倍に及ぶ点もある。巻いたときの太さだけが書かれない理由を読みたい。高さが三メートルを超えると、書き方が変わる。

王蒙に倣う玩月図
顧懿德《王蒙に倣う玩月図》メトロポリタン美術館蔵

寸法が、三段で書かれる

掛軸を九点、記録の欄で並べてみる。

寸法の欄は、いずれも三段になっている。

画面の大きさ。

表装を含めた大きさ。

そして、軸先を含めた大きさ。

三つとも違う数字である。

前の回の記事で、同じ三段の書き方を見た。

日本の掛軸でも、中国の掛軸でも、形式は同じだ。

館は、同じ欄で両方を扱っている。

だから、並べて比べられる。

表装が、画面の二倍になる

九点の一段目と二段目を、比べてみる。

画面の縦が154.9センチ、表装込みで314.3センチ。

二倍を超える。

別の一点では、116.8センチが247.7センチになる。

こちらも二倍以上だ。

つまり、掛軸の半分以上は絵ではない。

上下の裂と紙が、それだけの面積を占める。

なぜ、そこまで長く取るのか。

床の間に掛けたとき、絵が目の高さに来るようにするためだろう。

上の裂が長ければ、絵は下がる。

館の記録は、その事情を書かない。

しかし、二段目の数字が揃っていることが示している。

王蒙に倣う玩月図
顧懿德《王蒙に倣う玩月図》1628年。館の記録では、掛軸、紙に墨と彩色。画面は縦154.9センチ、横46.4センチ。表装を含めて縦314.3センチ、横67.9センチ。番号は13.220.111。メトロポリタン美術館蔵。顧懿德《王蒙に倣う玩月図》メトロポリタン美術館蔵

細長い画面である。

上部の三分の一に、賛の文字が並ぶ。

行は縦に、五行ほど。

その左右に、朱の印が押される。

下の三分の二に、山が描かれる。

岩は重なり合い、頂へ向かって積み上がる。

墨は濃く、輪郭が黒い。

岩のあいだに、木立が密に茂る。

中腹に、屋根の反った建物がある。

麓には、水と細い橋が見える。

画面の縦は横の三倍を超える。

三段目の語が、二通りある

九点の三段目を読み比べてみる。

七点には、軸先を含めた、とある。

二点には、軸棒を含めた、とある。

どちらも、下の棒の両端に付く部分を指す。

しかし、語が違う。

同じ館の同じ部門で、揃っていない。

記録した人が、別だったのだろう。

あるいは、実際に形が違うのかもしれない。

丸い頭の付いた軸先と、棒がそのまま突き出た形がある。

写真では、そこまで判別できない。

判別できないことを、判断しない。

前の回の記事で、語の揺れについて何度も書いてきた。

黄公望に倣う秋山図
王鑑《黄公望に倣う秋山図》1657年。館の記録では、掛軸、紙に墨と彩色。画面は縦115.9センチ、横56.2センチ。表装を含めて縦262.3センチ、横73.7センチ。軸棒を含めて横82.6センチ。番号は1972.278.4。メトロポリタン美術館蔵。王鑑《黄公望に倣う秋山図》メトロポリタン美術館蔵

縦長の画面である。

上部に、賛の文字が二か所に分かれて並ぶ。

朱の印が、上部の左右に押される。

画面のほぼ全体を、山が埋める。

岩は丸く、輪郭が柔らかい。

その表面に、細かい点が密に打たれる。

中央に、谷が深く切れ込む。

谷の底に、水が細く流れる。

左右の斜面に、木立が並ぶ。

上部の山の頂は、白く残される。

墨は薄く、全体が明るい。

二段目と三段目で、高さが変わらない

九点の二段目と三段目を比べてみる。

いずれも、縦の数字が同じである。

変わるのは、横だけだ。

つまり、軸先は横にしか出ていない。

下の棒の両端に付くのだから、当然である。

横の差は、六センチから十六センチほど。

軸先が太いほど、差が大きくなる。

前の回の記事で、日本の掛軸でも同じ形を見た。

三段目の数字は、いつも横だけが増える。

この規則は、九点すべてで守られている。

規則が守られているから、比べられる。

巻いたときの太さは、書かれない

掛軸は、巻いて仕舞う。

巻けば、円筒になる。

その太さは、紙と裂の厚みで決まる。

九点の寸法の欄に、太さの数字はない。

前の回の記事で、奥行きまで書かれた掛軸を見た。

あちらは、巻いた状態の太さだろうと書いた。

こちらの九点では、書かれていない。

保管には、太さが要る。

箱の大きさが決まるからだ。

しかし、公開される記録には出てこない。

館の内部の記録には、あるのかもしれない。

外から見える欄と、内部の欄は別である。

高さが三メートルを超えると、書き方が変わる

九点の二段目の数字を並べてみる。

いちばん低いもので210.8センチ。

いちばん高いもので314.3センチ。

そして、三点では表記の仕方が違う。

センチの前に、別の単位が置かれる。

大きい単位と小さい単位を組み合わせる書き方だ。

十と三半、八、九と五半。

いずれも、二百五十センチを超える件である。

つまり、一定の高さを超えると、書き方が変わる。

なぜか。

その単位では、二百五十センチが八を超えるからだろう。

数字が大きくなりすぎると、読みにくい。

だから、大きい単位に切り替える。

館の記録は、その切り替えの基準を書かない。

高閣観瀑図
李寅《高閣観瀑図》1700年。館の記録では、掛軸、絹に墨と彩色。画面は縦222.9センチ、横113.7センチ。表装を含めて縦313.7センチ、横121.3センチ。番号は1981.122。メトロポリタン美術館蔵。李寅《高閣観瀑図》メトロポリタン美術館蔵

九点でいちばん大きい画面である。

縦は二メートルを超える。

上部に、高い山が幾重にも立ち上がる。

稜線は鋭く、頂が尖る。

山肌は、細かい線で刻まれる。

中腹の左に、松が横へ張り出す。

その下に、楼閣が建つ。

屋根が二層に重なり、反り上がる。

楼閣の周囲に、紅葉した木がある。

葉は赤く、点で表される。

下部には、岩と水がある。

上部の左に、賛の文字が並ぶ。

画面が大きいほど、表装の比が小さい

いま見た一点の画面は、縦222.9センチ。

表装込みで313.7センチである。

差は九十センチほど。

一方、画面が116.8センチの一点では、表装込みで247.7センチ。

差は百三十センチある。

つまり、小さい絵ほど、表装を長く取る。

前の回の記事で、日本の掛軸について同じことを書いた。

床に掛けたときの高さを揃えるためだろう。

画面の大小にかかわらず、掛けたときの高さは近くなる。

館の記録は、この関係を書かない。

九点の数字を並べれば、傾向は見えてくる。

山水図
湯貽汾《山水図》1845年。館の記録では、掛軸、紙に墨。画面は縦116.8センチ、横27.3センチ。表装を含めて縦247.7センチ、横44.5センチ。番号は13.220.36。メトロポリタン美術館蔵。湯貽汾《山水図》メトロポリタン美術館蔵

九点でいちばん細長い画面である。

縦は横の四倍を超える。

上部に、賛の文字が縦に並ぶ。

その下に、山が幾重にも重なる。

山は上へ行くほど淡くなる。

墨は薄く、輪郭がぼやける。

中ほどに、霞が横に走る。

霞は白く残され、山を切る。

下部に、水面が広がる。

水面に、小さな舟が浮かぶ。

手前の岸に、木立が黒く茂る。

細長い紙に、遠近が段で重ねられている。

画面が横長の一点

九点のうち一点は、寸法の欄が奇妙である。

画面の縦が89.5センチ、横が193センチ。

つまり、横が縦の二倍以上ある。

掛軸で、これほど横長の画面は珍しい。

ところが、公開画像は縦長に見える。

数字と画像が、食い違っている。

数字が入れ替わっているのかもしれない。

あるいは、画像が一部を切り取ったものかもしれない。

館は、注記を置かない。

判断できないので、両方をそのまま書いておく。

前の回の記事で、数字と画像の食い違いを何度か見た。

九点を並べたから、この一点だけ比が異常だと分かった。

松と花の図
朱端《松と花の図》1518年。館の記録では、掛軸、絹に墨と彩色。画面は縦89.5センチ、横193センチとされる。表装を含めて縦296.2センチ、横104.6センチ。番号は58.148.1。メトロポリタン美術館蔵。朱端《松と花の図》メトロポリタン美術館蔵

暗い絹の画面である。

全体が褐色に沈む。

上部に、松の枝が大きく広がる。

枝は太く、曲がりくねる。

松葉は、丸い塊として表される。

塊は濃い墨で、輪郭がにじむ。

中ほどに、岩が横たわる。

岩の面は、太い線で刻まれる。

その手前に、白い花が咲く。

花は五弁で、点々と散る。

下部にも、岩と草がある。

表装の裂は、淡い橙色である。

作者の欄に、旧伝とある

九点のうち一点は、題に変わった語が入る。

かつて、ある画家の作と伝えられた、という意味の語だ。

そして、作者の欄にはその画家の名がある。

年の欄には、十五世紀か、と疑問符が付く。

その画家は、十世紀の人である。

つまり、年の欄と作者の生きた時代が合わない。

館は、伝承としての名を作者の欄に置き、年は別に判断している。

前の回の記事で、かつての帰属という役割の欄を見た。

こちらは、題の中に伝承であることが書かれている。

同じことを、別の場所で示している。

羅漢図
貫休に旧伝される《羅漢図》15世紀か。館の記録では、掛軸、絹に墨と彩色。画面は縦117.8センチ、横47センチ。表装を含めて縦210.8センチ、横62.2センチ。番号は13.220.104。メトロポリタン美術館蔵。貫休《羅漢図》メトロポリタン美術館蔵

縦長の暗い画面である。

中央に、僧が一人座る。

頭は剃られ、耳が大きい。

眉が長く垂れ、顔に皺が深い。

緑の衣をまとい、右手を前へ出す。

その手に、細い棒を持つ。

足もとに、小さな人物がいる。

赤い衣を着て、こちらを向く。

背後に、岩と木が黒く立つ。

上部の岩から、松が垂れる。

下部に、水面が細く光る。

全体が、褐色と緑に沈む。

年の欄に、疑問符が付く

いま見た一点の年の欄には、疑問符がある。

十五世紀か、という書き方だ。

作者の伝承と、様式からの判断が食い違っている。

伝承なら十世紀、様式なら十五世紀。

館は、様式のほうを採り、しかし断定していない。

疑問符が、その留保を示す。

前の回の記事で、年の欄の疑問符を何度も見てきた。

作者の欄に伝承の名を置き、年の欄に別の判断を置く。

二つの欄が、食い違ったまま並んでいる。

食い違いを解消すれば、どちらかの情報が消える。

だから、解消しない。

番号の頭が、二点で同じ

九点の番号を並べてみる。

そのうち二点は、13.220で始まる。

同じ年の、同じ群である。

その群には、少なくとも百十一点が含まれる。

枝番が111まであるからだ。

つまり、大きな収集がまとめて入っている。

前の回の記事で、群の規模を枝番から読む話を何度も書いた。

残る七点は、いずれも別の年の受入である。

1958年、1972年、1975年、1981年、1994年、2002年が二点。

つまり、中国の掛軸は近年にかけて一点ずつ集められた。

大きな群が最初にあり、そのあとを個別の受入が埋める。

館の収蔵品は、たいていこの形でできている。

月季桃鶴図
沈銓《月季桃鶴図》18世紀。館の記録では、掛軸、絹に墨と彩色。画面は縦198.8センチ、横101センチ。表装を含めて縦248.3センチ、横122.2センチ。番号は1975.268.81。メトロポリタン美術館蔵。沈銓《月季桃鶴図》メトロポリタン美術館蔵

大きな縦長の画面である。

上部に、桃の木が枝を広げる。

枝には、丸い実がいくつも垂れる。

実は淡い赤で、先が尖る。

葉は緑で、細長い。

中央に、鶴が二羽立つ。

上の一羽は首を下げ、下の一羽は上を向く。

いずれも体が白く、尾が黒い。

頭の上に、赤い点がある。

その周囲に、白と紅の花が咲く。

下部に、岩と水がある。

表装の裂は、褐色の地に文様が入る。

表装の裂まで、写真に写る

九点の写真は、いずれも表装を含めて写している。

つまり、掛軸として掛けた状態である。

裂の色も、文様も見える。

淡い橙、褐色、白、黒。

点によってまるで違う。

しかし、館の記録は裂について何も書かない。

技法の欄には、絹に墨と彩色とあるだけだ。

寸法の欄では、表装込みの数字を書く。

つまり、大きさとしては数えている。

数えているのに、材料としては書かない。

前の回の記事で、同じことを何度も指摘してきた。

欄の設計が、絵を中心にしているからだろう。

雲谷曳杖図
梅清《雲谷曳杖図》1649年。館の記録では、掛軸、繻子に墨。画面は縦155.9センチ、横52.1センチ。表装を含めて縦254センチ、横67.9センチ。番号は1994.284。メトロポリタン美術館蔵。梅清《雲谷曳杖図》メトロポリタン美術館蔵

縦長の画面である。

地は黄褐色で、光沢がある。

技法の欄には、繻子とある。

絹の織り方の一つだ。

九点のうち、この一点だけである。

画面の全体を、山と谷が埋める。

岩は細かい線で刻まれる。

線は短く、無数に重なる。

中腹に、小さな家が点在する。

上部の左右に、賛の文字が並ぶ。

表装の裂は、淡い桃色である。

画面の比が、点によって違う

九点の画面の縦横比を並べてみる。

四倍を超えるものが一点。

三倍を超えるものが一点。

二倍前後のものが五点。

そして、横が縦より長いとされる一点。

同じ掛軸でありながら、比の幅が広い。

細長い画面は、床の間の柱のあいだに掛ける。

幅の広い画面は、広い壁に掛ける。

掛ける場所が、比を決めている。

館の記録は、その事情を書かない。

数字だけを並べる。

比を計算するのは、読む側の仕事である。

支持体が、三通りある

九点の技法の欄から、支持体を抜き出してみる。

紙が四点。

絹が四点。

そして、繻子が一点。

紙は墨がにじみ、絹は滲まない。

繻子は光沢があり、墨が浮く。

支持体が違えば、線の見え方が変わる。

館の記録は、その差を説明しない。

材料の名を書けば足りると考えている。

前の回の記事で、名を知る人にだけ伝わる欄について何度も書いた。

技法の欄は、いつもその作りをしている。

響山泛舟図
梅清に倣う《響山泛舟図》1673年ごろ。館の記録では、掛軸、紙に墨。画面は縦134.6センチ、横59.1センチ。表装を含めて縦288.3センチ、横81.9センチ。番号は2002.208.1。メトロポリタン美術館蔵。梅清《響山泛舟図》メトロポリタン美術館蔵

縦長の画面である。

上部の右三分の一に、賛の文字が密に並ぶ。

行は縦に、十行を超える。

朱の印が、数か所に押される。

その左に、山が斜めに立ち上がる。

山肌は、細い線で刻まれる。

線は右上から左下へ流れる。

中腹に、木立が点在する。

下部に、水面が広く残される。

水面に、小さな舟が一艘浮かぶ。

舟に、人が二人乗る。

表装は、黒い縁で囲まれる。

賛の位置が、点によって違う

九点の写真を並べて、賛の位置を見比べてみる。

上部の中央に置かれるもの。

上部の左右に分かれるもの。

右三分の一を占めるもの。

そして、賛のない点もある。

賛の量が多ければ、絵の面積が減る。

つまり、画面の使い方が変わる。

館の記録は、賛の位置を書かない。

銘記の欄があれば書かれることもあるが、九点では使われていない。

写真を見なければ、分からない。

前の回の記事で、賛と絵の比について書いた。

そのときも、記録は何も書いていなかった。

題に、倣うという語が入る三点

九点の題を読むと、三点に同じ語がある。

ある画家に倣う、という語だ。

十四世紀の画家に倣う。

もう一人の画家に倣う。

そして、同時代の画家に倣う一点。

つまり、先人の様式を写している。

前の回の記事で、倣うという語について書いた。

作者の欄に、写された側の名が入る例もあった。

こちらは、題の中に入っている。

同じことを、別の欄で示している。

そして、倣うことが恥ではない。

題に堂々と書かれている。

写すことが、技術として認められていた。

掛軸という形式

九点を並べ終えて、この形式について考えたい。

掛軸は、巻いて仕舞える。

仕舞えるから、季節や客に応じて掛け替えられる。

そして、表装は仕立て直せる。

傷めば、新しい裂で作り直す。

つまり、絵と表装は別の寿命を持つ。

館の記録が三段の寸法を書くのは、そのためでもある。

画面は変わらないが、表装は変わりうる。

分けて測れば、変わった部分が分かる。

前の回の記事で、刀身と拵の年について同じことを書いた。

寿命の違うものを組み合わせた品は、分けて記録される。

一点に、何人が関わったか

九点の作者の欄には、いずれも一人の名がある。

絵を描いた人である。

しかし、掛軸は絵だけではない。

裂を織る人、染める人。

紙を漉く人、裏打ちする人。

軸棒を削る人、軸先を作る人。

そして、それらを組み立てる表具師がいる。

その名は、どこにもない。

寸法の欄の二段目と三段目は、表具師の仕事を測っている。

測っているのに、名は書かれない。

前の回の記事で、名が残る条件を何度も見てきた。

絵に署名できる人だけが、作者になる。

最後に、九点の年の欄をまとめておく。

1518年、1628年、1649年、1657年、1673年ごろ。

1700年、18世紀、1845年、そして十五世紀か。

三百年以上の幅がある。

そのあいだ、掛軸の形式はほとんど変わっていない。

画面があり、上下に裂があり、下に軸棒がある。

寸法の欄が三段で書けるのは、形式が一定だからだ。

形式が変われば、欄も変えなければならない。

変わらない形式は、記録にとって扱いやすい。

そして、扱いやすいから、記録が積み上がる。

九点の画面の面積を、おおまかに比べておく。

いちばん小さいのが、およそ〇・三平方メートル。

いちばん大きいのが、二・五平方メートルを超える。

八倍以上の差がある。

それでも、いずれも一人で描いている。

二メートルを超える絹に、一人で筆を入れる。

床に広げて描いたのだろう。

館の記録は、描き方について何も書かない。

書かれるのは、できあがったものの大きさだけである。

作る過程は、記録の外にある。

そして、外にあるものは、数字から想像するしかない。

想像したときには、想像だと書いておく。

九点のうち、賛のない絵は一点だけである。

残る八点には、文字が書き込まれている。

絵と文字が同居することが、この地域の絵画の前提になっている。

前の回の記事で、書く人と描く人が並ぶ例を見た。

こちらの九点では、いずれも一人の名しかない。

つまり、描いた人が自分で書いている。

同じ手が、絵と文字の両方を担っている。

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