画家を知る

筆の跡が、見えない——チャールズ・クロムウェル・イングラム

画面が磁器のようになめらかである。薄い絵の具を何度も重ねると、筆の跡は消える。消すことで得られるものと、失われるものがある。花の一輪ずつまで描き込まれた九点から、その選択を確かめる。籠の編み目まで、一つずつ数えられるほどである。

花売りの娘
《花売りの娘》メトロポリタン美術館蔵

筆の跡が、見えない

一枚の絵から始めたい。

花売りの娘
チャールズ・クロムウェル・イングラム《花売りの娘》1846年。油彩、カンヴァス。縦91.4センチ、横72.1センチ。メトロポリタン美術館蔵。ウィリアム・チャーチ・オズボーンの寄贈、1902年。《花売りの娘》メトロポリタン美術館蔵

若い女性が、こちらを向く。

頭から、暗い布をかぶる。

淡い色の衣を着る。

右手に、小さな鉢を持つ。

鉢には、赤い花が咲く。

手前に、籠いっぱいの花。

背景の右に、空と風景。

表面が、なめらか

画面を見たい。

筆の跡が、ほとんど見えない。

そして、色から色へ滑らかに移る。

つまり、境目がない。

どうやって、消すか

筆の跡を消すには、方法がある。

まず、薄い絵の具を何度も重ねる。

そして、乾く前に境をぼかす。

つまり、時間がかかる。

薄く、重ねる

薄い絵の具を重ねる方法を、考えたい。

一層ずつ乾かし、また塗る。

つまり、一枚に何日もかかる。

そして、下の層が透けて深みが出る。

磁器のような肌

顔を見たい。

肌が、均一である。

そして、毛穴や皺が見えない。

つまり、磨いたような表面である。

何が、失われるか

筆の跡を消すと、手の速さが消える。

そして、絵の具の厚みも消える。

つまり、絵が物であることが見えにくくなる。

何が、得られるか

一方、対象の質感は際立つ。

花弁の薄さ、布のやわらかさ。

つまり、描かれたものが前に出る。

布の質感

衣を見たい。

淡い色で、光沢が少ない。

そして、襞がやわらかい。

つまり、厚くない布である。

花の量

手前の籠を見たい。

花が、あふれるほど盛られる。

そして、種類が多い。

つまり、色の見本のようである。

花の種類

花を見たい。

赤、桃色、黄、そして白。

つまり、四色以上が並ぶ。

そして、それぞれ形が違う。

籠の編み目

籠を見たい。

編んだ跡が、細い線で示される。

そして、縁に沿って弧を描く。

つまり、道具も描き込まれている。

一輪ずつ、描く

花弁を見たい。

一枚ずつ、明暗が付く。

そして、重なりも描かれる。

つまり、時間がかかる仕事である。

右手の鉢

右手を見たい。

素焼きの小さな鉢を持つ。

そして、そこから赤い花が伸びる。

つまり、鉢植えである。

頭の布

頭を見たい。

暗い布が、頭から肩へ落ちる。

そして、顔を囲む。

つまり、顔を明るく見せる枠である。

背景の風景

背景の右を見たい。

空と、遠くの木立が見える。

そして、雲が桃色に染まる。

つまり、夕方だろう。

明暗の分割

画面を見たい。

左が暗く、右が明るい。

つまり、左右で対照をなす。

そして、人物はその境に立つ。

花売りという主題

題を見たい。

花を売る娘とある。

つまり、働く人を描いている。

もっとも、装いは整えられている。

一八四六年という年

制作年は、一八四六年である。

作者は一七八六年生まれと記録される。

つまり、六十歳ごろの仕事である。

生まれた場所

館の記録には、地名がある。

アイルランドのダブリンで生まれた。

そして、ニューヨークで没している。

つまり、海を渡ってきた画家である。

一九〇二年の寄贈

来歴を見たい。

館の記録では、一九〇二年の寄贈である。

つまり、九点の中で最も早く館へ入った。

花を持つ少女(アメリア・パーマー)
チャールズ・クロムウェル・イングラム《花を持つ少女(アメリア・パーマー)》1830年ごろ。油彩、カンヴァス。縦172.4センチ、横135.3センチ。メトロポリタン美術館蔵。コートランド・パーマーの寄贈、1950年。《花を持つ少女(アメリア・パーマー)》メトロポリタン美術館蔵

大きな画布

一メートル七十の画布は、高価である。

そして、描く時間も長い。

つまり、注文の規模が大きい。

一メートル七十の画面

二点目は、きわめて大きい。

縦172.4センチ、横135.3センチ。

つまり、九点の中で最も大きい。

全身の子ども

少女が、屋外に立つ。

白い衣を着ている。

そして、右手に籠を提げる。

籠には、花が盛られる。

左手にも、花の束。

背景に、木立と水面。

見上げる高さ

高さ一メートル七十の絵は、壁に掛けると見上げる。

そして、描かれた人物と目線が近くなる。

つまり、寸法が関係を作る。

等身大に近い

高さ一メートル七十である。

つまり、描かれた少女は等身大に近い。

子どもを、大きく描く

子どもの肖像で、これほど大きいのは珍しい。

つまり、注文主の意向だろう。

もっとも、館の記録は事情を示さない。

花という主題、再び

一点目にも、花があった。

そして、二点目にもある。

つまり、繰り返される要素である。

籠の中身

籠を見たい。

花が、あふれるほど盛られる。

そして、色が多い。

一点目の籠と、同じ構成である。

花と、少女

花を持つ少女という主題は、当時よく描かれた。

そして、若さと季節を示す。

つまり、型の一つである。

白い衣

衣を見たい。

白く、薄い。

そして、裾に細かい飾りがある。

つまり、上等な衣である。

光の入り方

木立のあいだを見たい。

明るい部分がある。

そして、そこから光が入る。

つまり、木漏れ日である。

背景の木立

背後を見たい。

大きな木が、画面の上を覆う。

そして、その隙間から空が見える。

つまり、木陰である。

一九五〇年の寄贈

来歴を見たい。

館の記録では、一九五〇年の寄贈である。

そして、寄贈者の姓は題の姓と同じ。

つまり、家に伝わった一枚だろう。

足元の道

足元を見たい。

土の道が、奥へ伸びる。

そして、右に水面が見える。

つまり、庭か、公園だろう。

デイヴィッド・キャドワラダー・コールデン夫人
チャールズ・クロムウェル・イングラム《デイヴィッド・キャドワラダー・コールデン夫人》1830年。油彩、カンヴァス。縦73センチ、横60.3センチ。メトロポリタン美術館蔵。グレース・ウィルクスの遺贈、1922年。《デイヴィッド・キャドワラダー・コールデン夫人》メトロポリタン美術館蔵

楕円の画面

三点目は、楕円である。

そして、周囲が灰色の余白。

つまり、楕円に切り抜かれて撮影されている。

上部の飾り

台紙の上を見たい。

金色の飾りが付く。

そして、輪の形をしている。

つまり、吊るすための金具である。

描かれているもの

画面を見たい。

女性が、やや右を向く。

黒い髪を、高く結い上げる。

緑の衣に、赤い布が掛かる。

そして、肩が広く開く。

背景は、暗い赤茶。

緑と赤

色を見たい。

衣の緑と、布の赤。

つまり、対比の強い組み合わせである。

肩の描写

肩を見たい。

広く開き、丸い。

そして、白く明るい。

つまり、当時の装いである。

髪の結い方

髪を見たい。

頭頂で高く束ねられる。

そして、こめかみで巻く。

つまり、一八三〇年ごろの髪型である。

なめらかな肌

顔を見たい。

一点目と同じく、筆の跡がない。

そして、色が均一である。

つまり、同じ方法である。

一九二二年の遺贈

来歴を見たい。

館の記録では、一九二二年の遺贈である。

そして、二点目とは二十八年の差がある。

つまり、少しずつ集まっている。

一八三〇年という年

制作年は、一八三〇年である。

つまり、二点目と同じ年である。

そして、作者は四十四歳ごろになる。

板に貼られた画布

四点目には、特別な記録がある。

ルーマン・リード夫人
チャールズ・クロムウェル・イングラム《ルーマン・リード夫人》1835年ごろ。油彩、カンヴァス。板に貼られている。縦76.5センチ、横63.5センチ。メトロポリタン美術館蔵。フレデリック・スタージズ・ジュニアの遺贈、1977年。この作品は、ほとんど色のない古い記録写真で公開されている。《ルーマン・リード夫人》メトロポリタン美術館蔵

技法欄を見たい。

油彩、カンヴァスとある。

そして、板に貼られている、と続く。

画布を、板に貼る

つまり、画布が板に貼り付けられている。

そして、これは後の処置だろう。

なぜ、貼るか

画布は、たるみ、破れる。

そこで、硬い板に貼って支える。

つまり、保存のための処置である。

板に貼る利点

板に貼れば、画布が動かない。

そして、たるみが止まる。

つまり、安定する。

いつ、行われたか

処置の時期は、記録にない。

そして、誰が行ったかも分からない。

つまり、過去のある時点の判断である。

板に貼る欠点

一方、絵は板の動きに従うことになる。

そして、後で剥がすのが難しい。

つまり、不可逆に近い処置である。

記録に、残す

重要なのは、記録に残っていることである。

技法欄に、はっきり書いてある。

つまり、隠していない。

保存と、記録

保存の処置は、作品を変える。

そして、その変化を記録に残す。

つまり、後の人が知ることができる。

当サイトでは、繰り返しこの点に触れてきた。

当サイトの扱い

当サイトも、その表記をそのまま伝える。

つまり、いまの支持体を書く。

色のない画像

この一枚の画像は、灰色の階調だけである。

つまり、古い記録写真とみられる。

だから、色は分からない。

描かれているもの

画面を見たい。

年配の女性が、椅子に座る。

大きな白い被り物をかぶる。

そして、暗い衣を着る。

肩から、毛皮らしき縁が見える。

背景は、暗い。

毛皮の縁

肩を見たい。

暗く、毛のような質感がある。

つまり、毛皮の縁だろう。

もっとも、白黒では材質を断定できない。

被り物の襞

頭の布を見たい。

細かい襞が、幾重にも重なる。

そして、顔を囲む。

暗い衣との差が、きわめて大きい。

一九七七年の遺贈

来歴を見たい。

館の記録では、一九七七年の遺贈である。

つまり、九点の中では遅く館へ入った。

明暗だけで、読む

色がなくても、分かることはある。

構図、明暗、そして布の質感。

つまり、多くは読める。

ベンジャミン・ムーア・マクヴィッカー
チャールズ・クロムウェル・イングラム《ベンジャミン・ムーア・マクヴィッカー》1825年ごろ。水彩、象牙。縦8.1センチ、横8.1センチ。メトロポリタン美術館蔵。フレッチャー基金による購入、1937年。《ベンジャミン・ムーア・マクヴィッカー》メトロポリタン美術館蔵

正方形の細密画

五点目は、形が違う。

縦8.1センチ、横8.1センチ。

つまり、正方形である。

正方形の理由

正方形にする理由は、分からない。

額の形に合わせたのかもしれない。

館の記録は、示していない。

楕円が、多い中で

細密画は、楕円が多い。

そして、正方形は珍しい。

額ごと、撮る

画像を見たい。

金色の額が写る。

そして、その内側に絵がある。

つまり、額を含めて撮影されている。

描かれているもの

画面を見たい。

若い男性が、こちらを向く。

髪は、暗く、額の上で分かれる。

青い上着に、白い襟巻き。

そして、黄色い胴衣。

背景は、暗い緑。

青と黄

色を見たい。

上着の青と、胴衣の黄。

つまり、対比の強い組み合わせである。

傷を、消さない

修復して撮り直すこともできるだろう。

しかし、いまの状態で公開されている。

つまり、隠していない。

表面の傷

画面を見たい。

小さな傷や染みがある。

そして、そのまま公開されている。

つまり、隠していない。

象牙という支持体

技法欄を見たい。

水彩、象牙とある。

つまり、象牙の薄板に水彩で描く。

一九三七年の購入

来歴を見たい。

館の記録では、一九三七年に基金で購入された。

つまり、寄贈ではない。

象牙の扱い

象牙の取引は、現在、国際的に規制されている。

美術館にある古い品は、その対象ではない。

しかし、材料の来歴には目を向けたい。

婦人の肖像
チャールズ・クロムウェル・イングラム《婦人の肖像》1836〜38年ごろ。水彩、象牙。縦8.3センチ、横6.5センチ。メトロポリタン美術館蔵。デール・T・ジョンソン基金による購入、2006年。《婦人の肖像》メトロポリタン美術館蔵

黒い台紙

六点目の画像を見たい。

黒い台紙の上に、楕円の絵がある。

そして、上部に金色の飾り。

つまり、額に嵌めて撮影されている。

台紙の罅

黒い面を見たい。

細かい罅が、走る。

つまり、塗料が縮んだ跡である。

そして、額も年月を経ている。

描かれているもの

画面を見たい。

若い女性が、こちらを向く。

髪は、暗く、両側で分かれる。

白い衣に、桃色と緑の布。

背景は、淡い色である。

淡い背景

背景を見たい。

淡く、明るい。

つまり、油彩の暗い背景とは違う。

細密画では、明るい背景が多い。

名が、失われる理由

肖像の人物の名は、家に伝わる。

そして、代を経るうちに曖昧になる。

当サイトでも、繰り返しこの点に触れてきた。

題に、名がない

題を見たい。

《婦人の肖像》である。

つまり、名が分からない。

呼び名が、題になる

七点目と八点目には、変わった題がある。

チャールズ伯父
チャールズ・クロムウェル・イングラム《チャールズ伯父》1844年。水彩、象牙。縦10.5センチ、横8センチ。メトロポリタン美術館蔵。グロリア・マニーの寄贈、2006年。この作品は、ほとんど色のない古い記録写真で公開されている。《チャールズ伯父》メトロポリタン美術館蔵

題を見たい。

伯父を意味する語と、名が並ぶ。

つまり、身内の呼び名である。

家の中の呼び方

正式な氏名ではない。

そして、家族が呼ぶときの名である。

つまり、家に伝わった題だろう。

正式な名は、分からない

呼び名だけでは、氏名は分からない。

つまり、誰かは特定できない。

館の記録も、それ以上を示していない。

題が、来歴を語る

こうした題は、家に伝わったことを示す。

そして、その呼び名のまま館へ入った。

つまり、題そのものが記録である。

色のない画像

この一枚の画像は、灰色の階調だけである。

そして、台紙の上に置かれている。

つまり、古い記録写真とみられる。

描かれているもの

画面を見たい。

年配の男性が、こちらを向く。

髪は、薄く、耳の上で膨らむ。

暗い上着に、黒い蝶結び。

そして、白い襟。

台紙の色

画像の周囲を見たい。

平らな灰色である。

つまり、撮影の台紙だろう。

顔の描写

顔を見たい。

頬がこけ、口元が引き締まる。

そして、目の下に影がある。

つまり、年齢が隠されていない。

大きさの意味

十センチを超える細密画は、大きい。

そして、身に着けるには重い。

つまり、卓や棚に置いたのだろう。

十センチの細密画

寸法を見たい。

縦10.5センチ、横8センチ。

つまり、細密画としては大きい。

ローダ伯母
チャールズ・クロムウェル・イングラム《ローダ伯母》1844年。水彩、象牙。縦10.5センチ、横8センチ。メトロポリタン美術館蔵。グロリア・マニーの寄贈、2006年。この作品も、ほとんど色のない古い記録写真で公開されている。《ローダ伯母》メトロポリタン美術館蔵

対になる、もう一枚

八点目は、七点目と対をなす。

題も、伯母を意味する語と名である。

そして、寸法がまったく同じ。

同じ寸法、同じ年

寸法は、10.5センチ掛ける8センチ。

そして、年は一八四四年。

つまり、同時に描かれたのだろう。

対の細密画

対の細密画は、箱に収めることがある。

そして、二つ並べて開く。

つまり、一組で見る品である。

同じ寄贈

来歴を見たい。

いずれも、同じ人物の寄贈である。

そして、年は二〇〇六年。

つまり、二枚が離れずに伝わった。

描かれているもの

画面を見たい。

年配の女性が、こちらを向く。

髪は、両側で分かれる。

暗い衣に、白い大きな襟。

そして、胸元に飾りがある。

白い襟

襟を見たい。

白く、肩まで広がる。

そして、縁に細かい飾りがある。

暗い衣との差が大きい。

顔の向き

二枚の顔の向きを見たい。

いずれも、わずかに斜めを向く。

そして、内側を向いていない。

つまり、対でも向き合わせていない。

二枚を、並べる

七点目と八点目を並べたい。

いずれも、年配の人物である。

そして、暗い衣に白い襟。

つまり、揃った形式である。

夫婦の肖像か

題からすれば、伯父と伯母である。

つまり、夫婦だろう。

もっとも、館の記録は関係を示していない。

コーラ・リヴィングストン
チャールズ・クロムウェル・イングラム《コーラ・リヴィングストン》1833年ごろ。油彩、カンヴァス。縦91.4センチ、横71.1センチ。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵。《コーラ・リヴィングストン》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

楽器を持つ女性

九点目は、色がある。

女性が、赤い椅子に座る。

暗い赤の衣を着る。

そして、膝の上に楽器を置く。

右手で、弦を押さえる。

背景に、暗い金色の幕。

赤い椅子

椅子を見たい。

赤い布が張られる。

そして、背が高い。

つまり、上等な家具である。

楽器の描写

楽器を見たい。

木の胴に、丸い穴。

そして、六本の弦が張られる。

つまり、撥弦楽器である。

弦を、描く

弦を見たい。

細い線が、平行に並ぶ。

そして、指板の上を走る。

つまり、一本ずつ描かれている。

手の位置

両手を見たい。

右手が弦に触れ、左手が指板を押さえる。

つまり、演奏の姿勢である。

幕という背景

背景を見たい。

暗い金色の布が垂れる。

つまり、幕である。

肖像の背景として、よく使われる。

音を、示す

音は、目に見えない。

そこで、手の位置と姿勢で示す。

つまり、見る人が想像する。

赤の重なり

色を見たい。

衣の赤と、椅子の赤。

そして、背景の金色。

つまり、暖かい色で統一されている。

顔の描写

顔を見たい。

一点目と同じく、筆の跡がない。

そして、肌が均一である。

つまり、同じ方法である。

九点の内訳

九点をまとめたい。

油彩が五点、細密画が四点。

そして、女性が六人、男性が三人。

寸法の幅

寸法を並べたい。

最小が8.1センチ、最大が172.4センチ。

つまり、二十倍の差がある。

二つの仕事

大きな油彩と、小さな細密画。

つまり、寸法も技法も違う。

そして、同じ画家が両方を手がける。

共通する仕上げ

もっとも、共通するものがある。

いずれも、表面がなめらかである。

そして、筆の跡が見えない。

細密画と、油彩

細密画では、点を重ねて色を作る。

つまり、もともと筆の跡が見えにくい。

その方法が、油彩にも及んでいるのかもしれない。

推測は、書かない

もっとも、これは推測である。

館の記録は、技法の関係を示していない。

だから、当サイトは断定しない。

なめらかさの効果

なめらかな表面には、効果がある。

まず、描かれたものが際立つ。

そして、絵が物であることが後ろへ退く。

好みの分かれる仕上げ

一方、筆の跡を好む人もいる。

そして、そこに手の速さを見る。

つまり、どちらがよいとは言えない。

見るときに

この画家の絵を見るときは、近づいてほしい。

そして、筆の跡を探してほしい。

見つからないことが、この画家の特徴である。

その見つからなさが、技術の結果である。

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