同じ板を、二つの語で書く——ウジェーヌ・ブーダン
板に描かれた五点のうち、一点だけ素材の欄の語が違う。どちらも木の板を指すのに、同じ館の中で揃っていない。年をつなぐ記号も一点だけ違い、寸法の小数の桁も混じる。四か所の揺れを、九点の浜辺の絵から拾いたい。

素材の欄
記録には、何に何で描いたかを書く欄がある。
つまり、画材と支持体が入る。
同じ支持体、二つの語
板に描かれた絵の記録を、並べたい。
同じ館の記録なのに、語が二通りある。
つまり、書き方が揃っていない。
何に、描くか
画家は、支持体を選ぶ。
つまり、最初の判断になる。
支持体という言葉
絵具を載せる土台を指す。
つまり、布や板や紙になる。
この九点では
布と板の二つが使われる。
つまり、紙はない。
三つの選択
布、板、そして紙。
つまり、それぞれ性質が違う。
九点という範囲
この記事で扱うのは九点である。
いずれも同じ館にある。
そして、いずれも油彩である。
小さい絵に
板は、重い。
つまり、大きくすると扱いにくい。
板という選択
板は、堅く、反りにくい。
つまり、小さな絵に向く。
五点が、板
九点のうち、五点が板に描かれている。
つまり、半分を超える。
枠に、張る
布は、木の枠に張って使う。
つまり、道具が要る。
布という選択
布は、軽く、大きくできる。
つまり、判型に上限が少ない。
四点が、カンヴァス
残る四点は、布に描かれている。
つまり、二つに分かれる。
九点の並べ方
支持体ごとに、群に分けた。
つまり、記録の側から並べる。
順に、見る
まず、板の五点。
そして、布の四点へ移る。
一点目
板の側から始めたい。

縦長の小さな画面である。
手前に、濡れた砂が広がる。
その上に、帆船が傾いて止まる。
奥に、低い岸がある。
空は、灰と青が混じる。
語を、見る
素材の欄に、板を表す語がある。
つまり、木の板である。
素材の欄
この一点だけ、別の語が使われる。## 素材の欄
この一点だけ、別の語が使われる。
同じ館の中で
同じ館の、同じ画家の記録である。
つまり、揃っていてもよいはずである。
使い分けか
使い分けているようには見えない。
つまり、揺れらしい。
二つの語
一方は、板を表す一般の語である。
そして、他方は、絵の支持体を指す語である。
分けない
当サイトでは、どちらも板と訳す。
つまり、日本語では同じになる。
厳密には
一方は、薄く整えた板を指すこともある。
もっとも、記録に区別の説明はない。
意味は、同じか
どちらも、木の板を指す。
つまり、内容は近い。
少数の側
一点だけが、別の語を持つ。
つまり、そちらが例外らしい。
一対四
一点が一方の語、四点が他方の語である。
つまり、偏っている。
揃っていない
もっとも、同じ館の中で揃っていない。
つまり、書き方が分かれる。
方針として
記録は、館のものである。
つまり、こちらで整えない。
直さない
当サイトでは、記録をそのまま写す。
つまり、直さない。
二か所
素材の語と、年の記号。
つまり、二つが同時に違う。
もう一つの揺れ
この一点には、年の書き方にも差がある。
つまり、二か所で違う。
年の書き方
二つの年が、短い横線で結ばれる。## 年の書き方
二つの年が、短い横線で結ばれる。
三点で、使われる
九点のうち、斜線は三点にある。
つまり、こちらが多数になる。
斜線という記号
斜線は、あいだのどこか、を示す。
つまり、幅を表す。
他の記録では
この館は、斜線を使うことが多い。
意味は、同じか
横線も、幅を示すはずである。
もっとも、揃ってはいない。
一点だけ
九点のうち、横線はこの一点だけである。
つまり、例外になる。
次の一点
同じ板でも、語が違う。
つまり、比べられる。
二点目
川に浮かぶ船である。

縦長の小さな画面である。
中央に、帆柱の立つ船がいる。
その手前に、水面がある。
左に、岸の建物がある。
空は、広い。
語を、見る
素材の欄に、木、とある。
つまり、一般の語である。
素材の欄
こちらは、木、という語である。## 素材の欄
こちらは、木、という語である。
つまり、一点目と違う。
年の書き方
二つの年が、斜線で結ばれる。
前の一点と
一点目は、五年の幅である。
つまり、こちらが広い。
七年の幅
1888年から1895年まで。
つまり、幅が広い。
前に、ごろ
斜線の前に、ごろ、が付く。
つまり、留保が重なる。
人が、多い
浜ではなく、市の場面である。
つまり、人が集まる。
三点目へ
浜ではなく、市の場面である。
つまり、主題が違う。
三点目
市の場面である。

横長の小さな画面である。
人が、いくつもの群れをなす。
多くが、白い被り物をかぶる。
奥に、木立がある。
空は、明るい灰色である。
額も、二桁
額の寸法も、第二位まで書かれる。
つまり、揃っている。
数字を、見る
26.67センチと、45.72センチ。## 数字を、見る
26.67センチと、45.72センチ。
つまり、細かい。
数字を、見る
52.39センチと、72.87センチ。
つまり、細かい。
小数点以下、二桁
寸法が、小数第二位まで書かれる。
つまり、細かい。
次のページで
板の残る二点と、布の一点を見たい。
板の、残る二点
四点目と五点目である。
つまり、これで板が終わる。
頁が、変わる
板の残る二点から始めたい。
つまり、続きになる。
板の、四点目
ここから、板の残る二点になる。
つまり、続けて見る。
四点目
洗濯をする女性である。

横長の小さな画面である。
手前に、浅い水がある。
女性が、身をかがめて働く。
奥に、低い岸と木がある。
空は、雲で覆われる。
三つの数字
縦、横、そして奥行き。
つまり、立体として測る。
額の三つ目
奥行きは、8.26センチである。
つまり、こちらも第二位まである。
数字を、並べる
作品は27.6センチ、額は46.04センチ。## 数字を、並べる
作品は27.6センチ、額は46.04センチ。
つまり、桁が違う。
桁が、揃わない
作品の寸法は、小数第一位まで。
そして、額の寸法は、第二位までである。
直さない
当サイトでは、そのまま写す。
つまり、揃えない。
別の担当か
作品と額を、別の人が測ったのかもしれない。
もっとも、記録に説明はない。
測った時期か
額を測った時期が、違うのかもしれない。
もっとも、確かめられない。
同じ欄の中で
一つの記録の中で、桁が変わる。
つまり、揃っていない。
浜という主題
砂の上に、人が集まる。
つまり、この画家によくある場面である。
最も早い一点
九点で、最も早い年である。
つまり、1862年になる。
板の、五点目
板に描かれた最後の一点である。
つまり、これで五点になる。
五点目
浜辺である。

横長の小さな画面である。
砂の上に、人が座る。
多くが、椅子に腰かける。
右に、天幕のようなものがある。
空は、広く、灰色である。
四十歳ごろか
生年は、記録の手元にない。
つまり、年齢は書けない。
一八六二年
十九世紀の半ばである。
つまり、画家の早い時期らしい。
三十三年の幅
最も遅い年との差である。
つまり、三十三年になる。
九点で、最も早い
1862年である。
つまり、最も古い一点になる。
横の並び
23.8、24.8、41.3、45.72、47.5センチ。
つまり、横は幅がある。
縦の並び
26.7、26.67、27.6、31.2、32.5センチ。
つまり、いずれも三十センチ前後である。
五点の大きさ
26.7センチから32.5センチまで。
つまり、いずれも小さい。
板の五点
一点目、二点目、三点目、四点目、そして五点目。
つまり、これで板が揃った。
四点と、一点
木、という語が四点。
そして、板を表す語が一点。
語の割合
九点のうち、板は五点である。
つまり、その中の一点になる。
数えると
一点と、四点である。## 数えると
一点と、四点である。
つまり、はっきり偏る。
語の内訳
板を表す語が一点。
そして、木を表す語が四点。
記録の言葉
どちらも、館が書いた言葉である。
つまり、そのまま伝える。
二つを、示す
当サイトでは、両方の語を伝える。
つまり、選ばない。
断定しない
どちらが正しいかは、書かない。
つまり、両方を示す。
少数のほうが
一点だけが、別の語になる。
つまり、そちらが例外らしい。
布の四点
六点目から九点目までである。
つまり、四点続く。
支持体が、変わる
ここから、布に描かれた四点になる。
つまり、判型も変わる。
布の、一点目
ここから、布に描かれた四点になる。
つまり、支持体が変わる。
六点目
布に描かれた一点である。

横長の画面である。
砂の上に、人が集まる。
女性の衣が、大きく広がる。
奥に、海と空がある。
空が、画面の上半分を占める。
布の大きさ
38.2から52.39センチまで。
つまり、板より大きい。
面積で、二倍
板の五点より、はるかに広い。
つまり、はっきり違う。
縦38.2センチ
横は、61.2センチである。
つまり、板の五点より広い。
判型が、変わる
板の五点より、大きい。
つまり、布のほうが広い。
戸外で、描く
軽い支持体は、外へ持ち出せる。
もっとも、記録に用途はない。
巻いて、運べる
布は、外して巻ける。
つまり、運びやすい。
布の利点
布は、枠に張れば大きくできる。
つまり、制約が少ない。
大きさの理由
板は、大きくすると割れやすい。
つまり、上限がある。
次のページで
残る三点を見たい。
三点の年
1870年、1875年、そして1883年。
つまり、いずれも数字だけである。
布の、残る三点
いずれも、カンヴァスに油彩である。
つまり、支持体が揃う。
七点目
海岸の眺めである。

横長の画面である。
左に、岩の張り出しがある。
その先に、海が広がる。
手前の砂に、人がいる。
空は、雲で覆われる。
二つの数字だけ
縦と横しか、書かれていない。
つまり、厚みが分からない。
額に、奥行きがない
この一点の額には、奥行きがない。
つまり、二つの数字だけになる。
額という情報
額の寸法は、展示や輸送に使う。
つまり、実務のための数字である。
数えると
九点のうち、六点である。## 数えると
九点のうち、六点である。
つまり、三分の二になる。
九点の額
額の寸法があるのは、六点である。
三点の内訳
一点目、二点目、そして八点目である。
つまり、板が二点、布が一点になる。
三点には、ない
残る三点には、額の記載がない。
つまり、揃っていない。
揃わない
同じ館の中で、書き方が分かれる。
つまり、点ごとに違う。
二対四
奥行きのない額が二点、あるものが四点。
つまり、あるほうが多い。
奥行きの有無
額のある六点のうち、奥行きは四点である。
つまり、そこも分かれる。
八点目へ
干潮を描いた一点である。
つまり、一点目と主題が近い。
布の、三点目
もう一点、干潮の場面である。
つまり、主題が近い。
八点目
干潮の浜である。

横長の画面である。
濡れた砂が、手前に広がる。
その上に、人と舟がいる。
奥に、低い波がある。
空は、灰色である。
二つの可能性
額がないのか、測っていないのか。
つまり、決められない。
記載の欠け
額がないのか、測っていないのか。
つまり、そこは分からない。
三点のうちの一つ
額の記載がないのは、九点のうち三点である。
つまり、この一点もその一つになる。
額の寸法が、ない
この一点にも、額の記載がない。## 額の寸法が、ない
この一点にも、額の記載がない。
つまり、三点のうちの一つになる。
収蔵の時期
新しく入った作品には、額がないこともある。
もっとも、これは一般の話である。
額があるか
額そのものがない可能性もある。
もっとも、記録に説明はない。
一点目と、同じ
一点目にも、額の記載がない。
つまり、二点目になる。
二点目にも、ない
二点目にも、額の記載がない。
つまり、これで三点である。
最後の一点
九点目を見たい。
つまり、最も大きい一点である。
九点目
最後の一点である。

横長の画面である。
水面に、帆柱の並ぶ船がいる。
手前に、小舟がある。
奥に、建物の並びが見える。
空は、明るい。
二十センチ
板の最大と、この一点の縦の差である。
つまり、大きく開く。
板との差
板の五点は、三十センチ台までである。
つまり、はっきり違う。
九点で、最も大きい
縦52.39センチ、横72.87センチ。
つまり、最も大きい一点になる。
小数点以下、二桁
作品の寸法が、第二位まで書かれる。
数字を、見る
83.19センチと、103.51センチ。
つまり、こちらも細かい。
額は、第二位まで
額の縦横も、第二位までである。
同じ行の中で
縦横と奥行きで、桁が変わる。
つまり、揃っていない。
一桁だけ
小数第一位で、止まっている。
つまり、揃わない。
奥行きだけ、第一位
もっとも、奥行きは10.8センチとある。
一つの記録の中で
同じ行の中で、桁が変わる。
つまり、揃っていない。
数えると
第二位までのものが、四点ある。
つまり、半分に満たない。
混在する
同じ記録の中でも、桁が変わる。
つまり、一定していない。
九点の桁
第一位までのものと、第二位までのもの。
混ざっている
同じ館の、同じ画家の記録である。
つまり、統一されていない。
二種類
九点で、二種類の記号が使われる。
つまり、混じっている。
見た目の差
読みは、変わらない。
もっとも、揃ってはいない。
記号も、二通り
縦横を区切る記号が、二種類ある。
つまり、ここも分かれる。
数えると
四か所である。
つまり、少なくない。
四つの揺れ
支持体の語、年の記号、寸法の桁、そして区切りの記号。
つまり、四か所で揃わない。
担当が、変わる
長い年月のあいだに、担当は替わる。
つまり、書き方も替わる。
長い時間
館の記録は、何十年もかけて作られる。
つまり、一度に作られていない。
揃わない理由
記録は、長い年月をかけて作られる。
つまり、担当も時期も違う。
直さない
当サイトでは、記録をそのまま写す。
つまり、整えない。
読む側のために
揺れを知って読めば、迷わない。
つまり、書く意味がある。
そのうえで、書く
合わないところは、合わないと書く。
つまり、隠さない。
幅を持つ四点
1867年から1870年ごろ、1872年から1876年ごろ。
そして、1885年から1890年、1888年から1895年ごろ。
年の並び
1862、1870、1874、1875、1883年。
そして、幅を持つものが四点。
九点の年
1862年から1895年まで。
三十三年の幅
最も早い年と、最も遅い年の差である。
つまり、三十三年になる。
空と、水
多くの絵で、空と水が上下に分かれる。
つまり、構図が近い。
水が、多い
九点のうち、八点に水がある。
つまり、ほとんどである。
主題の内訳
浜と海が六点。
港と川が二点。
そして、市が一点。
空が、広い
九点の多くで、空が画面の半分を占める。
つまり、共通する。
関連する記事
同じ画家については、空だけを、描く練習でも扱っている。
そちらでは、雲の描き方を見た。
読み方の提案
素材の欄を、並べて読んでほしい。
同じものが、別の語で書かれていることがある。




