画家を知る

六点の題が、四つの語しかない——チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー

碗、皿、水差し。器の題は、種類の名で足りてしまう。同じ題が二点ずつ並び、区別は寸法と収蔵番号に移る。皿の二点は同じ写真で公開され、出所の行では世代を示す語が片方だけ落ちている。八年しか続かなかった会社の記録を読みたい。

カップ
チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《カップ》メトロポリタン美術館蔵

題が、器の名である

館の記録には、題の欄がある。

そこに、器の種類を指す語だけが入ることがある。

碗、皿、水差し。

器を、どう呼ぶか

絵には、画家が付けた題があることがある。

器には、それが少ない。

作った側は、商品として売る。

名を付ける習慣が、そもそも薄い。

題という欄

記録の題は、館が付けた呼び名である。

作った側が付けたとはかぎらない。

器には、そもそも名がないことも多い。

だから、種類の語が入る。

六点の題

ここで扱うのは六点である。

題に使われる語は、四つしかない。

碗が二点、皿が二点、水差しが二点である。

数え方

題の語を、そのまま数えてみる。

碗が二回、皿が二回である。

水差しも二回、そのうち一回は二語になる。

四つの語

碗、皿、水差し、そして小型。

この四語で、六点の題ができている。

絵の題より、ずっと短い。

同じ題が、並ぶ

碗の二点は、同じ題を持つ。

皿の二点も、同じ題を持つ。

つまり、題だけでは区別できない。

絵の題と、違う

絵の題は、場面や人を書く。

器の題は、用途を書く。

同じ題が並ぶのは、そのためである。

見る側は、どうするか

一覧では、同じ題が並ぶ。

どちらを見ているか、分かりにくい。

作品ページの寸法で、確かめるしかない。

何で、見分けるか

寸法の欄が違う。

収蔵の番号も違う。

題ではなく、そちらで分かれる。

作者の欄

この六点の作者は、人ではない。

会社の名が入っている。

人の名は、残らない

轆轤を回した人の名は、記録にない。

絵付けをした人の名も、書かれない。

会社の名だけが残る。

工芸の記録では、よくあることである。

会社が、作者になる

器は、大勢の手を通る。

土を練る人、形を作る人、絵を描く人。

だから、会社の名で記録される。

生没年の欄

作者の欄には、年の範囲が付く。

人であれば、生没年が入るところである。

会社の年

そこに入るのは、1848年から1856年である。

つまり、会社が動いていた期間になる。

会社の終わり

1856年で、記録は切れる。

その後の作は、この名で残らない。

だから、年の幅もそこで止まる。

番号の年

収蔵の番号の頭には、年が入る。

1988年、1986年、1979年と分かれる。

作られた年とは、別の年である。

八年

この会社は、八年ほどで終わっている。

だから、作られた年の幅も狭い。

年の欄

六点の年は、すべて1848年から56年である。

つまり、会社の全期間と同じである。

印について

器の底には、印が押されることがある。

その印から、作った先が分かる。

もっとも、当サイトの画像に底は写らない。

範囲という書き方

年が一つに決まらないとき、範囲で書く。

始まりと終わりを、横棒でつなぐ。

この六点は、すべてその形である。

絞れていない

年の欄は、何も絞っていないことになる。

いつ作ったかは、分からない。

白さ

磁器は、焼き上がりが白い。

その白が、金と色をよく受ける。

六点とも、地は白である。

磁器という材料

材料の欄は、磁器の一語だけである。

六点とも、同じ語が入る。

つまり、材料では分かれない。

まず、碗の一点

カップ
チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《カップ》1848年から56年。磁器。館の記録では、高さ7.1センチ、直径11.1センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《カップ》メトロポリタン美術館蔵

白い磁器の碗である。

内側が、一面に金で塗られる。

外側に、金の唐草が立ち上がる。

その間に、桃色と青の小花が入る。

碗は、受け皿に載る。

受け皿は、黒地に金の葉を並べる。

金の使い方

内側は、面で金を塗る。

外側は、線で金を引く。

同じ金でも、使い方が違う。

写真に、受け皿が写る

題は、碗だけを指す。

しかし、写真には受け皿も写る。

受け皿の飾り

受け皿の地は、黒に近い。

その上に、金の葉が広がる。

碗の白と、対になる。

同じ組の飾りとして作られたらしい。

一組か、一点か

一組で伝わったのかもしれない。

もっとも、記録は碗としか書かない。

寸法の形

高さと、直径が並ぶ。

その間に、区切りの記号が入る。

高さと直径

高さは、置いたときの高さである。

直径は、口の差し渡しになる。

二つで、器の形がほぼ決まる。

丸いもの

碗や皿は、丸い。

だから、縦横ではなく直径で測る。

二点目の碗

カップ
チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《カップ》1848年から56年。磁器。館の記録では、高さ9.2センチ、直径13.7センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《カップ》メトロポリタン美術館蔵

こちらも、白い磁器の碗である。

内側は、やはり金で塗られる。

外側に、縦の稜が立つ。

金の唐草と、小花が入る。

受け皿は、黒地に金の葉を置く。

一点目より、ひと回り大きい。

花の色

小花は、桃色と青が主になる。

その間に、黄が少し入る。

金の唐草が、花を囲む。

稜の形

胴に、縦の筋が立つ。

その筋が、口まで届く。

一点目より、面が細かく割れる。

二点を、比べる

高さは、7.1センチと9.2センチ。

直径は、11.1センチと13.7センチ。

つまり、こちらの方が大きい。

同じ形か

飾りの作りは、よく似る。

しかし、碗の稜が違う。

出所の行

二点とも、同じ年に同じ人から入った。

出所の行の名も、ほぼ同じである。

ほぼ、というのは

一方の名には、世代を示す語が付く。

他方には、それがない。

名の長さ

一方は、名が一語長い。

その一語が、世代を示す。

同じ人を指すと考えられる。

三世

三世を示す語である。

同じ番号の系列に入る二点で、揃っていない。

同じ束の中で

四点は、同じ日に同じ人から入った。

出所の行も、同じ形の文である。

それでも、名の書き方が揃わない。

打ち落としか

書き写すときに落ちたのかもしれない。

別人を指す可能性も、残る。

記録は、理由を書かない。

直さない

当サイトでは、記録をそのまま写す。

つまり、直さない。

二つの記録

皿の二点は、番号が続いている。

つまり、隣り合って入った。

出所の行も、同じである。

それでも、別々の記録になる。

用途の語

皿という語は、用途を指す。

何を載せるかは、書かれない。

大きさから、推すしかない。

皿の二点

次は、皿である。

題は、どちらも同じ一語になる。

大きさの違い

直径は、18.7センチと11.6センチである。

前者は、取り分けるのに足りる。

後者は、菓子皿ほどの大きさになる。

二枚で、一組か

大きさの違う皿が、組になることがある。

取り皿と、大皿である。

もっとも、記録に組の記載はない。

一枚目の皿

皿
チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《皿》1848年から56年。磁器。館の記録では、高さ2.7センチ、直径18.7センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。この作品と次の作品は、同じ写真で公開されている。チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《皿》メトロポリタン美術館蔵

写真には、皿が三枚並ぶ。

左が大きく、右へ小さくなる。

三枚とも、白地である。

中央に、花束が描かれる。

縁に、金の飾りが回る。

その内側に、細かい草の輪がある。

三枚に、同じ飾り

写真の三枚は、同じ作りに見える。

中央に花、縁に金である。

大きさだけが、違う。

花束の描き方

中央の花は、桃色と赤が主になる。

葉は、緑と褐色で添えられる。

筆は、細い。

三枚のうち、どれか

記録は、一枚の皿を指す。

しかし、写真には三枚写る。

草の輪

縁の内側に、細い草が回る。

青と桃色の点が、そこに散る。

花束とは、別の飾りである。

縁の金

縁に、金の帯が回る。

その内側に、金の飾りが四方に付く。

さらに内へ、細かい草の輪がある。

どれを指すかは、書かれない

寸法から、大きさは分かる。

もっとも、写真の中の位置は分からない。

写真の背景

背景は、褐色に近い。

器の白が、そこから浮く。

影が、右下に落ちる。

三枚の大きさ

写真の三枚は、順に小さくなる。

左端が、最も大きい。

右端は、その半分ほどに見える。

二枚目の皿

皿
チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《皿》1848年から56年。磁器。館の記録では、高さ2.5センチ、直径11.6センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。前の作品と同じ写真で公開されている。チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《皿》メトロポリタン美術館蔵

写真は、一枚目とまったく同じである。

つまり、同じ三枚が写る。

撮り直さない

一点ずつ撮り直せば、写真は増える。

しかし、手間と費用がかかる。

古い写真が、そのまま使われることは多い。

画像は、一つ

当サイトの画像も、同じ一枚である。

取り込み元が、同じだからである。

二つの作品ページに、同じ絵が出る。

同じ写真、別の記録

二つの記録が、同じ画像を持つ。

しかし、寸法は違う。

読み違えないために

同じ写真だと知らずに見ると、混乱する。

寸法が違うのに、絵が同じだからである。

だから、先に断っておく。

明記する

同じ画像であることは、隠さない。

キャプションに、その旨を書く。

読む側が、誤解しないためである。

直径の差

18.7センチと、11.6センチである。

つまり、一回り以上違う。

直径で、決まる

皿は、直径で用途が変わる。

大きければ、盛り皿になる。

小さければ、取り皿になる。

高さの差

2.7センチと、2.5センチである。

差は、2ミリしかない。

直径ほどは、離れていない。

三枚の中に、両方ある

写真の三枚は、大きさが違う。

そのうちの二枚が、この二点だと考えられる。

数の食い違い

記録は二点、写真は三枚である。

つまり、数が合わない。

写真の方が、多くを写している。

三枚目は、どこか

写真の三枚目は、当サイトにない。

別の番号の作品かもしれない。

記録からは、たどれない。

もっとも、断定はできない

記録は、そこまで書かない。

当サイトも、決めつけない。

記録の側の都合

写真は、記録に付ける画像である。

作品ごとに一枚とはかぎらない。

同じ画像が、複数の記録に付くことがある。

一枚の写真で、済ませる

一度に撮った方が、手間が少ない。

組物は、まとめて撮られる。

その写真が、各記録に付く。

番号の飛び

碗と皿の四点は、同じ番号の系列に入る。

枝番は、二、四、六、七である。

続き番号

皿の枝番は、六と七である。

つまり、隣り合っている。

同じ機会に、番号が振られた。

束の大きさ

枝番の最大は、七である。

つまり、少なくとも七点あった。

当サイトが持つのは、四点になる。

枝番の意味

枝番は、束の中の順を示す。

同じ日に入ったものが、続き番号になる。

飛びは、当サイトの側の事情である。

抜けている番号

一、三、五は、当サイトにない。

つまり、束の一部だけを扱っている。

高さという欄

丸い器は、高さと直径で書く。

その二つが、必ず並ぶ。

皿でも、その形は崩れない。

四点の束

碗二点と皿二点は、同じ番号の系列に入る。

出所の行も、ほぼ同じである。

つまり、まとめて贈られた。

高さの欄

皿にも、高さが書かれる。

2.7センチと、2.5センチである。

縁の反り

皿の縁は、わずかに立つ。

その立ち上がりが、高さになる。

平らな板ではない。

厚みではない

高さは、皿の厚みではない。

縁の立ち上がりまでを含む。

だから、2センチを超える。

薄いもの

皿は、ほとんど平らである。

それでも、高さの欄は空にならない。

三つ必要な形

注ぎ口や把手が出ると、丸くない。

そのときは、数字が増える。

次の頁で、その例を見る。

二つの数字で、足りる

丸い器は、二つの数字で足りる。

高さと、差し渡しである。

形が単純だからである。

数字の数

碗も皿も、高さと直径の二つで書かれる。

次の水差しは、そうではない。

水差しの二点

残る二点は、水差しである。

題の作りが、少し違う。

水差しという器

液体を注ぐための器である。

注ぎ口と、把手が付く。

だから、丸くならない。

二点の差

一方は、高さ20センチを超える。

他方は、7センチしかない。

同じ水差しでも、桁が違う。

大きい方

水差し
チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《水差し》1848年から56年ごろ。磁器。館の記録では、縦20.6センチ、横16.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《水差し》メトロポリタン美術館蔵

白い磁器の水差しである。

胴に、鷲が浮き彫りで付く。

その下に、盾の形がある。

盾には、赤と白の縞が入る。

周りに、樫の葉が茂る。

把手は、枝の形に作られる。

口の縁と、脚に金が回る。

白と金だけ

色は、白と金がほとんどである。

盾の縞にだけ、赤が入る。

碗や皿より、色数が少ない。

鷲と盾

鷲が、翼を広げて胴に付く。

その下の盾に、縦の縞が入る。

樫の葉が、周りを埋める。

寸法の形が、変わる

高さと直径ではない。

二つの数字が、掛ける記号でつながる。

樫の葉

葉が、胴の下半分を覆う。

葉脈まで、型に出ている。

実らしい粒も、混じる。

浮き彫り

飾りは、描かれたものではない。

型で起こした、立体である。

光の当たり方で、影が変わる。

なぜ、変わるか

把手と注ぎ口があると、丸くない。

だから、直径では測れない。

型で作る

同じ型から、同じ形が何個も出る。

浮き彫りの飾りも、型で付く。

つまり、一点ものではない。

縦と横

縦20.6センチ、横16.5センチである。

横は、把手と注ぎ口を含むと考えられる。

もっとも、記録に説明はない。

器の形と、書き方

同じ館の、同じ会社の作である。

それでも、寸法の書き方が分かれる。

把手の形

把手は、枝をねじった形になる。

表面に、節がある。

自然のものを写した作りである。

金の位置

口の縁に、金の帯が回る。

脚にも、細い金が入る。

浮き彫りの山にも、金が乗る。

ごろ、が付く

この一点の年には、およそ、が付く。

他の五点には、付かない。

範囲に、およそ

年は、もともと範囲で書かれている。

そこに、さらに、およそ、が重なる。

他の五点との違い

他の五点には、およそ、が付かない。

同じ会社の、同じ時期の作である。

それでも、書き方が揃わない。

何を、およそにするか

始まりの年か、終わりの年か。

あるいは、その両方か。

記録は、どちらとも書かない。

幅の上に、幅

会社の全期間という幅がある。

その上に、およそ、が乗る。

出所が、違う

この一点は、寄贈ではない。

基金による買い入れである。

買い入れという経路

館が、自ら選んで買う。

贈られるのを待つのとは、違う。

工芸品では、この形も多い。

基金という言い方

基金は、人の名を冠することが多い。

その名は、資金を出した側の名である。

作品を選んだのは、館である。

年も、違う

他の四点は1988年に入った。

この一点は1979年である。

小さい方

小型の水差し
チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《小型の水差し》1848年から56年。磁器。館の記録では、縦7センチ、横9.2センチ、奥行き5.7センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。チャールズ・カートリッジ・アンド・カンパニー《小型の水差し》メトロポリタン美術館蔵

小さな水差しである。

胴の表面が、粗く波打つ。

把手は、細い枝の形になる。

口が、大きく開く。

腹に、金の飾り文字がある。

その中に、人の名らしい字が読める。

縁と脚に、金が回る。

口の開き

口が、大きく開く。

縁が、波打って反る。

注ぎ口が、そこから伸びる。

表面の粗さ

胴が、布を垂らしたように波打つ。

型で作られた形である。

もっとも、作り方までは記録にない。

三つの数字

この一点だけ、数字が三つある。

縦、横、そして奥行きである。

三通りの書き方

高さと直径、二つの数字、三つの数字。

六点で、書き方が三通りに分かれる。

題が、二語になる

この一点だけ、題が二語である。

小型、を示す語が前に付く。

二語の題

前に、小型を示す語が付く。

後ろが、器の名である。

二語のうち、後ろの語は小さい字で始まる。

小型の意味

見本として作られることがある。

遊び道具のこともある。

どちらかは、記録に書かれない。

大きさが、題に入る

他の五点の題は、器の名だけである。

ここでは、大きさが加わる。

器に、名がある

腹の飾り文字は、人の名に見える。

つまり、誰かのために作られたらしい。

金の文字

文字は、金で書かれる。

続け字のように、つながって見える。

飾りの渦が、その周りを囲む。

誰のためか

名を入れた器は、注文品らしい。

贈り物として作られたのかもしれない。

もっとも、断定はできない。

記録は、写さない

その字は、記録に書き写されていない。

だから、誰の名かは分からない。

出所の行

この一点は、両親を記念した寄贈である。

娘の名で贈られたと読める。

三つの年

1979年、1986年、1988年である。

十年ほどの間に、六点が集まった。

作られた時期は、六点とも同じである。

三つの入り方

寄贈、基金による買い入れ、そして記念の寄贈。

六点は、三通りの経路で入っている。

見立て

器の題は、物の名で足りる。

絵の題のように、場面を書く必要がない。

数字が、多い

高さ、直径、縦、横、奥行き。

題より、数字の方が長くなる。

読む側は、数字を追うことになる。

短い題の代わりに

その分、他の欄が働く。

寸法、番号、そして出所の行である。

器と、絵の違い

絵は、同じものが二つとない。

器は、同じ形が何個も作られる。

だから、題も一個体を指さない。

種類の名で、足りてしまう。

引き取り

題が同じ二点を見たら、寸法の欄を見るとよい。

そこにしか、違いが書かれていない。

米国の磁器については、北米で、磁器を焼くでも扱っている。

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