画家を知る

積み藁と、低い地平線——ジャン=シャルル・カザン

六枚のうち五枚は、制作年が確定していない。「以後」とだけ記される。それでも絵は残り、公開されている。積み藁と月、風車と雲、白い石を切り出す崖。十九世紀フランスの平らな土地を、抑えた色でたどる。記録の少なさは、見る妨げにはならない。空の広さを味わいたい。

積み藁と月
ジャン=シャルル・カザン《積み藁と月》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

積み藁と、月

一枚の小さな絵から始めたい。

積み藁と月
ジャン=シャルル・カザン《積み藁と月》1876年以後。油彩、カンヴァス。縦41.3センチ、横33センチ。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵。ジャン=シャルル・カザン《積み藁と月》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

縦長の画面である。

右側に、大きな藁の山がある。

そして、そこに梯子が立てかけてある。

手前には、木の柵。

左には、平らな土地が広がる。

空の低い位置に、小さな丸い光。

月である。

空が、半分を占める

画面の構成を見たい。

上半分は、ほとんど空である。

そして、地面は下の三分の一ほど。

つまり、空の絵である。

低い地平線が、そのことを決めている。

空の色

空を細かく見たい。

上部は、灰色がかった茶。

そして、地平線に近づくと明るくなる。

淡い橙、黄、そして白。

つまり、日が沈んだ直後の色である。

地平線の高さ

地平線の位置を測りたい。

画面の下から、三分の一ほどのところにある。

つまり、目の高さが低い。

立って遠くを見るときの見え方である。

高い場所から見下ろしてはいない。

月の位置

月は、空の中ほどにある。

そして、小さい。

輪郭ははっきりしない。

つまり、薄い雲を通して見えている。

丸い明るみとして描かれている。

藁の質感

藁の山の表面を見たい。

細い線が、上から下へ流れる。

そして、光の当たる面が明るい。

つまり、藁の束が積み重なっている。

筆の向きが、そのまま材料の向きになっている。

藁の山という主題

積み藁は、農村の風景である。

刈った麦を、積み上げて保管する。

そして、必要に応じて崩す。

つまり、季節と労働の跡である。

人は描かれていない。

しかし、人の働きは残っている。

梯子という細部

藁の山に、梯子が掛かる。

つまり、誰かが登ったということである。

そして、いまは誰もいない。

不在が、かえって人の存在を示す。

小さな道具が、物語を作る。

三角形の構図

藁の山の形に注目したい。

三角形である。

そして、その三角が画面の右を占める。

左は、平らな土地と空。

つまり、右が重く、左が軽い。

その不均衡が、画面に動きを与える。

柵の線

手前の柵を見たい。

横木が二本、斜めに走る。

そして、縦の杭が立つ。

その直線が、画面に構造を与える。

自然の中に、人の作った線がある。

手前の花

画面の下に、黄色い点がいくつかある。

低い草に咲く花だろう。

暗い前景の中で、そこだけが明るい。

小さな色の点である。

手前の石

画面の下部を見たい。

暗い石が、積まれている。

そして、その上に草が生える。

つまり、崩れた石垣だろう。

手前を暗くすることで、奥が明るく見える。

署名

画面の左下に、文字がある。

作者の名だろう。

館の記録にも、作者名が示される。

つまり、帰属は確定している。

一八七六年以後

制作年は、一八七六年以後とされる。

つまり、下限だけが分かっている。

上限は示されていない。

何かの記録が、その年を境にするのだろう。

館は、根拠までは記していない。

小さな画面

寸法にも触れたい。

縦41.3センチ、横33センチである。

六枚の中では、小さいほうである。

そして、縦長である。

横長の風景画が多い中で、これは例外にあたる。

「以後」という書き方

年代の表記に注目したい。

「以後」は、確定していないことを意味する。

六枚のうち、三枚がこの表記である。

つまり、この画家の作品は年代が特定しにくい。

署名に年を書かなかったのだろう。

海辺の農家
ジャン=シャルル・カザン《海辺の農家》1876年以後。油彩、カンヴァス。縦65.4センチ、横81.9センチ。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵。ジャン=シャルル・カザン《海辺の農家》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

横長の農村

二点目は、横長である。

縦65.4センチ、横81.9センチ。

画面の中ほどに、農家が建つ。

赤い屋根が見える。

そして、その右に藁の山が二つ。

手前には、白い衣の人物が一人。

奥には、海と空。

二つの藁の山

藁の山を見たい。

円錐形で、高い。

そして、頂きが尖る。

一点目の山とは、形が違う。

積み方に、地域や年による差があるのだろう。

赤い屋根

農家の屋根を見たい。

赤い瓦である。

そして、画面の中でただ一つの強い色である。

周囲は、黄土色と灰色。

その中で、赤が点として効く。

白い衣の人

手前に、人が一人立つ。

白い上着で、帽子をかぶる。

そして、こちらに背を向ける。

顔は見えない。

つまり、誰かを描いた絵ではない。

人を、小さく描く

この人物は、画面の中で小さい。

高さは、画面の五分の一ほど。

つまり、風景の一部である。

主役は、土地と空である。

人は、寸法の基準として置かれている。

石の柵

画面の中ほどに、白い線が横切る。

石を積んだ柵だろう。

そして、手前と奥を分ける。

一本の線で、空間が層になる。

空の月

空を見たい。

淡い桃色と、灰色。

そして、中ほどに細い月がある。

三日月である。

一点目の丸い月とは、形が違う。

二枚の共通点

一点目と二点目は、似ている。

いずれも、藁の山と月がある。

そして、低い地平線と広い空。

つまり、同じ題材を繰り返している。

二枚の寸法

一点目と二点目の寸法を比べたい。

一点目が縦41.3センチ、二点目が縦65.4センチ。

つまり、大きさが違う。

そして、縦長と横長で向きも違う。

同じ主題でも、判型を変えている。

繰り返すということ

同じ主題を何度も描く画家がいる。

構図を変え、時刻を変え、季節を変える。

そして、そのたびに違う結果になる。

繰り返しは、怠りではない。

条件を変えた実験である。

木の描き方

右の木を見たい。

葉は、緑と灰の塊である。

そして、幹は細い線。

つまり、簡略である。

背景として扱われている。

手前の草地

画面の下部を見たい。

草が生え、黄色い花が点在する。

そして、白い石らしきものが並ぶ。

つまり、荒れた土地である。

耕作地ではない。

白い雲

空の雲を見たい。

上部に、白く厚い雲がある。

そして、下へ行くほど薄くなる。

つまり、雲の層が描き分けられている。

空を一色で塗らない。

遠くの海

奥に、水面が見える。

そして、その上に小さな帆。

つまり、海である。

題にも、海辺とある。

平らな土地の向こうに、水が広がる。

座り込む人々

三点目は、人物が中心にある。

疲れた旅人たち
ジャン=シャルル・カザン《疲れた旅人たち》1888年。油彩、カンヴァス。縦66センチ、横81.3センチ。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵。ジャン=シャルル・カザン《疲れた旅人たち》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

草地の中ほどに、数人が座り込む。

一人は、立って布をかぶる。

そして、他は地面に横たわる。

奥には、藁葺きの家。

その左右に、低い建物が続く。

空は、暗い茶と黄が混ざる。

三点目の構図

構図を見たい。

人物は、画面の中央よりやや左にある。

そして、家は右奥にある。

つまり、二つの要素が斜めに並ぶ。

視線は、人物から家へ移る。

題が、状況を示す

題は《疲れた旅人たち》である。

つまり、旅の途中で休んでいる。

家はあるが、そこには入らない。

野に座って休む。

題が、絵の状況を説明している。

草の描き方

前景の草を見たい。

短い筆触が、いくつも重なる。

そして、緑と黄土が混ざる。

つまり、一本ずつは描かない。

草地全体を、色の面として捉えている。

立つ人と、伏す人

人物の姿勢を見たい。

一人だけが立つ。

そして、残りは伏している。

つまり、上下の対比がある。

立つ人物が、画面の中心を作る。

家の屋根

奥の家を見たい。

藁を葺いた屋根である。

そして、傾斜が急である。

雨の多い土地の作りだろう。

もっとも、館の記録に土地の説明はない。

布をかぶる

立つ人物は、頭から布をかぶる。

そして、体を包む。

顔は、暗くて見えない。

つまり、誰かは分からない。

何人いるか

人物を数えたい。

立つ人が一人、伏す人が三人ほど。

そして、その脇に荷物らしきものがある。

つまり、一行で移動している。

家族か、季節労働の一団だろう。

もっとも、館の記録に説明はない。

空の重さ

空を見たい。

上部は暗い茶で、厚い。

そして、地平線の近くだけが黄色く明るい。

つまり、雲が低く垂れている。

天気が、絵の調子を決めている。

光の一筋

地平線の近くに、明るい帯がある。

そして、家の輪郭がそこに浮かぶ。

つまり、逆光である。

手前の人物が暗いのも、そのためである。

光の向きが、画面の明暗を決めている。

一八八八年という年

制作年は、一八八八年である。

六枚の中で、唯一年が確定している。

つまり、記録があるのだろう。

他の五枚は、推定か「以後」である。

黄色い花

草地には、黄色い小さな花がある。

一点目にも、二点目にも同じ花があった。

つまり、三枚に共通する。

同じ土地を描いているのかもしれない。

もっとも、断定はできない。

二つの色

画面の色を見たい。

暗い緑と、黄土色。

そして、空の茶。

つまり、色の幅が狭い。

赤や青は、ほとんど使われない。

主題としての休息

働く場面ではなく、休む場面を描く。

これは、選択である。

労働の絵は、当時よく描かれた。

その中で、休息を選ぶ。

疲れという状態が、主題になっている。

前景の暗さ

手前の草地は、暗い。

そして、奥へ行くほど明るくなる。

つまり、明暗が奥行きを作る。

近くを暗く、遠くを明るく。

風景画で、よく使われる手である。

風車
ジャン=シャルル・カザン《風車》おそらく1884年以後。油彩、板。縦40.5センチ、横32センチ。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵。ジャン=シャルル・カザン《風車》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

板に描く

四点目は、支持体が違う。

六枚のうち、五枚は画布である。

そして、この一枚だけが板である。

つまり、材料が違う。

小さな板の絵

寸法は、縦40.5センチ、横32センチ。

一点目とほぼ同じ大きさである。

そして、いずれも縦長である。

つまり、小さな縦長の絵が二枚ある。

同じ形式で描かれている。

板と、画布

板と画布の違いに触れたい。

板は硬く、表面が平らである。

そして、細かい描写に向く。

一方、画布は軽く、大きく作れる。

小さな絵には、板が使われることがある。

風車の姿

画面の中央に、風車が立つ。

木造の建物の上に、羽が付く。

そして、羽は斜めに交差する。

暗い塊として描かれる。

背景の明るい空に、黒く浮かぶ。

風車という建物

風車について、少し補いたい。

羽が風を受け、内部の臼を回す。

そして、穀物を挽く。

つまり、農村の設備である。

高い場所に建てられることが多い。

空の雲

空を見たい。

灰色と桃色の雲が、渦を巻く。

そして、右下だけが明るい。

つまり、雲が空の大半を覆う。

天候が、この絵の主題でもある。

羽の角度

風車の羽を見たい。

四枚が、斜めに交差する。

そして、そのうち一枚が画面の外へ出る。

つまり、収まりきっていない。

窮屈さが、かえって高さを感じさせる。

手前の人と牛

画面の左下に、人がいる。

そして、その隣に牛らしき姿。

いずれも小さい。

つまり、風景の中の点である。

緑の茂み

風車の手前に、木が数本ある。

そして、明るい緑である。

暗い風車と、対比される。

黒い塊の隣に、明るい塊を置く。

傾いた道

画面には、道が斜めに走る。

そして、柵がそれに沿う。

その斜線が、奥へ視線を導く。

風車へ向かう線である。

一枚だけの板

板に描かれた絵は、六枚のうち一枚である。

なぜ、この一枚だけが板なのか。

記録には、理由がない。

手元にあった材料を使ったのかもしれない。

小さな絵では、よくあることである。

制作年の書き方

年代は、「おそらく一八八四年以後」とされる。

つまり、二重に不確かである。

推定であり、かつ下限しか示されない。

館の記録は、確かでないことを隠さない。

六枚の年代

年代をまとめておきたい。

一八七五年ごろが一枚。

一八七六年以後が三枚。

一八八四年以後が一枚。

そして、一八八八年が一枚。

つまり、十年余りに分布している。

分からないと、書く

年代が確定しないのは、珍しくない。

署名に年を入れない画家は多い。

そして、注文の記録も残らない。

だから、様式や主題から推定する。

その推定にも、幅が出る。

石切り場という主題

五点目は、これまでと違う。

ナンテール近郊のパスカル氏の石切り場
ジャン=シャルル・カザン《ナンテール近郊のパスカル氏の石切り場》1875年ごろ。油彩、カンヴァス。縦71.1センチ、横91.4センチ。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵。ジャン=シャルル・カザン《ナンテール近郊のパスカル氏の石切り場》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

画面の中央に、切り取られた崖がある。

そして、白い石の面が露わになる。

手前には、四角く切り出された石。

その脇に、荷車と馬。

人が、五、六人働いている。

空は、灰色の雲で覆われる。

大きな画面

寸法を見たい。

縦71.1センチ、横91.4センチである。

六枚の中で、最も大きい。

つまり、力の入った一枚だろう。

大きな画布は、材料の費用も高い。

働く場を、描く

これは、労働の現場である。

農村でも、海辺でもない。

石を切り出し、運び出す場所である。

つまり、産業の風景である。

地名という情報

題には、地名も入る。

パリの近郊にある町の名である。

つまり、制作地が特定できる。

六枚の中で、場所が分かるのはこの一枚だけである。

題に、所有者の名

題には、人の名が入る。

つまり、誰の石切り場かが記されている。

場所の名と、所有者の名。

記録として、具体的である。

石を切る仕事

石切りの作業について、補いたい。

崖に楔を打ち、割る。

そして、形を整えて運び出す。

重い材料だから、道が要る。

画面に道が描かれるのは、そのためである。

白い石

切り出された石を見たい。

四角く、大きい。

そして、白い。

つまり、石灰岩だろう。

建物の材料として使われる。

上部の柵

崖の上に、細い柵がある。

そして、人が立つ。

つまり、掘る場所と、その上の地面が同時に見える。

高低差が、画面の奥行きを作る。

崖の断面

崖の面を見たい。

上部は土と草である。

そして、下部が白い石。

つまり、地層が露わになっている。

掘ることで、地面の中身が見える。

働く人々

人物を数えたい。

石の脇に立つ人が一人。

荷車のそばに二人。

そして、崖の上に数人。

いずれも小さく、顔は見えない。

手前の白い塊

画面の下部に、切り出された石が並ぶ。

四角く、白い。

そして、光を受けて明るい。

暗い地面の上で、その白が目立つ。

視線は、まずそこへ行く。

馬と荷車

中央に、二頭の馬がいる。

そして、荷車につながれている。

つまり、石を運ぶための備えである。

機械ではなく、馬である。

十九世紀の作業の姿である。

一八七五年ごろ

制作年は、一八七五年ごろとされる。

六枚の中で、最も早い。

そして、他の五枚とは主題が違う。

労働の現場を描いた一枚である。

雲の灰色

空を見たい。

灰色の雲が、厚く覆う。

そして、右上だけがわずかに明るい。

つまり、曇天である。

白い石が、灰色の空の下でくすむ。

なぜ、石切り場か

風景画家が、なぜ石切り場を描くのか。

まず、形が面白い。

切り取られた崖は、幾何学的である。

次に、光が当たる白い面がある。

そして、人の働きがある。

絵として、要素が揃っている。

風景
ジャン=シャルル・カザン《風景》1876年以後。油彩、カンヴァス。縦40.6センチ、横55.9センチ。ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵。ジャン=シャルル・カザン《風景》ナショナル・ギャラリー(ワシントン)蔵

題のない風景

六点目の題は、《風景》である。

つまり、具体的な地名がない。

どこを描いたか、分からない。

そして、年代も「以後」である。

記録の少ない一枚である。

六点目の題

題が《風景》だけであることに、もう一度触れたい。

これは、記録が失われた結果だろう。

制作当時は、地名が付いていたかもしれない。

しかし、伝わらなかった。

明るい空

空を見たい。

青と白の雲が、高く浮かぶ。

そして、桃色がわずかに混ざる。

つまり、他の五枚より明るい。

曇りではなく、晴れである。

藁葺きの家

画面の中央に、家が並ぶ。

屋根は、藁を葺いたもの。

そして、白い壁が見える。

その右に、大きな木が数本立つ。

手前の草地

画面の下半分は、草地である。

そして、白い小さな花が散る。

さらに、道が斜めに走る。

つまり、視線が奥へ向かう。

六枚の主題

最後に、六枚をまとめたい。

農村が三枚、風車が一枚。

そして、石切り場が一枚、旅人が一枚。

つまり、いずれも屋外である。

室内も、肖像もない。

判型の分布

判型もまとめたい。

縦長が二枚、横長が四枚。

そして、大きさは32センチから91センチまで。

つまり、幅がある。

小品と大作が混ざっている。

人の描き方

六枚のうち五枚に、人がいる。

しかし、いずれも小さい。

顔は、ほとんど見えない。

つまり、誰かを描いた絵ではない。

人は、風景の一部として置かれる。

空の面積

六枚に共通するのは、空の広さである。

いずれも、画面の半分近くを空が占める。

そして、地平線が低い。

つまり、空を見せる構図である。

平らな土地だから、そうなる。

色の幅

色についても、まとめたい。

茶、黄土、暗緑、灰。

そして、空の桃色。

強い赤や青は、ほとんどない。

つまり、抑えた色で統一されている。

空と地の比率

六枚の地平線の高さを比べたい。

いずれも、画面の中ほどより下にある。

つまり、空が広い。

これは、平らな土地の見え方である。

山地では、こうはならない。

時刻という主題

六枚のうち、少なくとも三枚は夕方である。

月が出て、空が橙になる。

つまり、時刻が主題になっている。

同じ場所でも、時刻で色が変わる。

その変化を追っている。

記録の少なさ

六枚の記録を、もう一度整理したい。

年が確定するのは、一枚だけ。

「ごろ」が一枚、「以後」が三枚。

そして、「おそらく以後」が一枚。

つまり、五枚が不確かである。

館の記録の範囲

館の公開記録には、限りがある。

作者、題、年代、技法、寸法。

そして、所蔵先。

それ以上の情報は、示されないことが多い。

当サイトも、その範囲で書く。

有名でない画家の記録

記録が少ないのには、理由がある。

同時代に大きく取り上げられた画家は、記録が残る。

展覧会の目録、批評、書簡。

そうでない画家は、記録が薄い。

作品だけが残り、経緯が失われる。

それでも、残る

しかし、絵は残っている。

そして、公開されている。

年代が分からなくても、見ることはできる。

積み藁と月、風車と雲、石切り場の白い石。

いずれも、十九世紀の土地の姿である。

記録の少なさは、見る妨げにはならない。

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