八つの部品を、別々に量る——サミュエル・コルト
館の寸法欄に、記号のついた項目が八つ並ぶ。拳銃、弾倉、弾を鋳る型、火薬入れ、そして箱。それぞれの重さが小数第一位まで書かれている。これは武器である。それでも館は、甲冑と同じ部門で、装飾のある工芸品として記録する。九点の記録から、その扱いを見る。

箱に、道具が並ぶ
一点から始めたい。

赤いビロードを敷いた木箱である。
そして、中が仕切られている。
拳銃が一挺、収まる。
その周りに、道具が並ぶ。
丸い金色の缶がある。
そして、筒状の器もある。
蓋の内側
蓋の内側を見たい。
薄い色の紙か布が貼られている。
そして、隅に金具がある。
つまり、鍵をかけられる作りだろう。
もっとも、館の記録は鍵に触れない。
これは、武器である
はじめに書いておきたい。
この記事で扱う九点は、武器である。
そして、実際に使うために作られた。
分類という言葉
館の分類欄を見たい。
火器、拳銃、回転式弾倉、と並ぶ。
つまり、三段階で細かく分けられている。
そして、その語がそのまま題にも入る。
それでも、館は収蔵する
館の記録では、部門は武具である。
つまり、甲冑と同じ扱いになる。
そして、装飾のある工芸品として並ぶ。
甲冑と、拳銃
甲冑は、身を守る道具である。
そして、拳銃は攻める道具である。
もっとも、館はどちらも同じ部門に入れる。
つまり、金属を加工した道具として並べている。
当サイトの立場
当サイトは、記録に書かれたことを書く。
そして、性能や使い方を称えない。
記号の順
記号は、大きいものから順に並ぶ。
つまり、本体が最初である。
そして、箱が最後になる。
一括して、一点
収蔵番号を見たい。
数字のあとに、記号が続く。
つまり、八つで一つの番号を共有する。
そして、館は全体を一点として数える。
八つの部品
寸法の欄を見たい。
括弧つきの記号が、八つ並ぶ。
つまり、部品ごとに分けて記録されている。
鋳るという作業
鉛を溶かし、型へ流す。
そして、冷えたら取り出す。
つまり、金属工芸と同じ手順である。
弾を、自分で作る
当時の拳銃は、弾を込めて撃つ。
そして、その弾は使う人が鋳る。
だから、型と火薬入れが要る。
つまり、道具一式で初めて使える。
記号の意味
拳銃、予備の弾倉、火薬入れ。
弾を鋳る型、螺子回し、雷管入れ。
掃除棒、そして箱。
数字の細かさ
甲冑の記事でも、同じことがあった。
小数第一位までの重さである。
つまり、武具の部門では習慣なのだろう。
もっとも、館の記録は理由を説明しない。
重さまで、量る
それぞれに、重さが付く。
119.1グラム、345.9グラム、62.4グラム。
つまり、小数第一位まで書かれる。
箱の重さ
箱そのものは、1000.7グラム。
つまり、一キログラムを超える。
数字が、多い
この一点の寸法欄は、他より長い。
長さ、直径、幅、重さが並ぶ。
つまり、八つ分の数字が入る。
そして、一行で読み切れない。
なぜ、量るか
甲冑と同じ考え方だろう。
道具は、持ったときの重さが性能に関わる。
もっとも、館の記録は理由を書かない。
ビロードという内張り
箱の内側は、赤いビロードである。
つまり、金属を傷つけない。
そして、見た目も豪華になる。
材の欄にも、ビロードとある。
二点目は、小さい

こちらは箱から出た状態で写る。
全長16.5センチ。
つまり、一点目より八センチ短い。
名の中の「ポケット」
題に、ポケットという語がある。
つまり、隠して持つための寸法である。
飾らないという選択
一点目には銀があった。
そして、この点にはない。
つまり、同じ作り手でも等級が分かれる。
箱も、簡素
箱の材は書かれていない。
つまり、木としか分からない。
そして、内張りの記述もない。
材が、少ない
技法の欄を見たい。
鋼と胡桃材だけである。
つまり、飾りの材料がない。
握りの形
木の握りを見たい。
下へ向かって太くなる。
そして、角が丸い。
折り畳む仕組み
引金を隠す形式が、当時あった。
もっとも、それがこの一挺かは分からない。
だから、当サイトは見えることだけを書く。
引金が、ない
側面を見たい。
引金の輪が見当たらない。
館の記録は、この形式を説明しない。
だから、当サイトは断定しない。
三点目は、白い握り

握りが、白く光る。
真珠母である。
つまり、貝を薄く削って貼る。
白い面の模様
握りの面を見たい。
うすい縞が走る。
つまり、貝の層がそのまま出ている。
貝という材
真珠母は、貝の内側の層である。
薄く削ると、虹色に光る。
そして、角度で色が変わる。
つまり、細密画の象牙と同じで、天然の素材である。
装飾という要素
真珠母は、強くない。
そして、高い。
つまり、実用よりも見た目である。
装飾のある道具
道具に飾りを付ける。
つまり、使う人の格を示す。
そして、贈り物にもなる。
もっとも、館の記録は用途を書かない。
銀も、使う
技法の欄に、銀とある。
つまり、金属の飾りが付く。
ホルスターという語
題に、ホルスターとある。
つまり、腰に下げる袋に入れる型である。
そして、隠して持つ型とは用途が違う。
長い一挺
全長35.56センチ。
つまり、二点目の倍以上ある。
二点との比較
二点目は16.5センチだった。
そして、この点は35.56センチ。
つまり、倍以上ある。
銃身が長い理由
銃身が長いほど、狙いが定まる。
もっとも、その分だけ重くなる。
そして、持ち歩きにくい。
つまり、用途で長さが決まる。
館の記録は、そこまで説明しない。
銃身の割合
銃身だけで22.86センチ。
つまり、全長の三分の二近い。
製造番号1017
四点目に移りたい。

この記事で最も長い。
全長39.37センチ。
つまり、四十センチ近い。
引金の輪
引金を囲む輪を見たい。
丸く張り出す。
つまり、指を掛ける場所である。
一番重そうに見える
写真で見ると、胴が太い。
そして、弾倉が長い。
つまり、大きな弾を使う型だろう。
館の記録には、口径11ミリとある。
真鍮の部分
引金を囲む輪を見たい。
金色である。
つまり、真鍮だろう。
木の握り
握りは胡桃材である。
そして、木目が縦に走る。
つまり、削り出しである。
色の対比
灰色の鋼と、金色の真鍮。
そして、褐色の木。
つまり、三つの色が並ぶ。
鋼と、真鍮
鋼は硬く、真鍮は柔らかい。
そして、加工しやすい。
つまり、部位で材を変えている。
三つの町
九点の製造地を見たい。
ニュージャージー州の一つの町。
そして、コネティカット州の二つの町。
つまり、工場が移っている。
作られた場所
館の記録に、製造地がある。
コネティカット州の別の町である。
つまり、他社の工場を借りたのだろう。
もっとも、館の記録はそう書かない。
五点目は、番号2

製造番号が、2である。
つまり、二挺目に作られた。
番号と、年
製造番号は、作られた順を示す。
そして、年の記録と突き合わせられる。
つまり、二つの情報が支え合う。
若い番号という価値
番号の若いものは、集める人が探す。
そして、値が付く。
つまり、番号そのものが情報になる。
番号1は、どこか
一挺目は、どこにあるのか。
館の記録は、書いていない。
だから、当サイトは推測しない。
番号2の型式
型式は1851年式である。
そして、九点のうち二点が同じ型式。
つまり、比べられる。
口径という数字
口径は、弾の太さである。
そして、記録では9ミリから11ミリまで。
つまり、型ごとに違う。
全長が、ない
寸法の欄を見たい。
銃身の長さと口径だけである。
つまり、全長が書かれていない。
分からないことは、書かない
館は、測っていない項目を空けておく。
つまり、埋めるための推測をしない。
そして、当サイトもそれに倣う。
揃わない理由
測る人が違えば、項目も変わる。
そして、時期によって様式も変わる。
つまり、記録は一度に作られていない。
記録の不揃い
他の点には、全長がある。
つまり、測り方がそろっていない。
そして、それが記録に残る。
年と、型式名
型式名は1851年式である。
ところが、制作年は1850年とある。
名と、実物
名の年と、作られた年。
この二つが合わないことがある。
つまり、名は分類のための記号である。
型式名という習慣
型式の名に年を入れる。
そして、その年は発表の年を指すことが多い。
もっとも、館の記録はそう書かない。
だから、当サイトは推測に留める。
一年、早い
つまり、名前の年より前に作られている。
館の記録は、その理由を書かない。
だから、当サイトは断定しない。
銀の飾り
技法の欄に、銀がある。
つまり、どこかに銀の部品がある。
そして、写真では判別できない。
銃身に、彫りがある
写真を見たい。
銃身の上に、細い線が走る。
つまり、文字か模様が彫られている。
もっとも、画像では読み取れない。
六点目は、金を使う

技法の欄に、金とある。
つまり、金の装飾が入る。
材が増えると
材が増えれば、作る人も増える。
木を削る人、金属を彫る人、布を張る人。
つまり、分業になる。
もっとも、館の記録は職人の名を書かない。
金は、どこか
金がどの部位に使われるかは書かれない。
もっとも、彫りの線に入れることが多い。
だから、当サイトは断定しない。
六つの材
鋼、真鍮、銀、金、木、織物。
つまり、六種類が一挺に集まる。
織物という材
材の欄に、織物とある。
つまり、箱の内側に布が張られる。
そして、それも一点の一部として数えられる。
桃花心木の箱
箱の材は、桃花心木である。
つまり、家具に使う高い木である。
模様の細かさ
線の間隔を見たい。
一ミリに満たない。
つまり、拡大鏡を使う仕事である。
誰が彫ったか
彫りは、専門の職人の仕事である。
もっとも、館の記録に名はない。
だから、当サイトは断定しない。
表面の模様
胴の部分を見たい。
細かい線が、渦を巻く。
つまり、彫りが入っている。
青みがかった鋼
銃身の色を見たい。
青く見える。
そして、光の角度で変わる。
つまり、焼き入れの色だろう。
もっとも、館の記録は書かない。
木箱が、二つ目
七点目に移りたい。

箱の内側に、金属の札がある。
そして、文字が刻まれる。
つまり、販売店の名だろう。
付属品の数
箱の中を見たい。
丸い弾倉が、二つある。
そして、細い工具が並ぶ。
二つの弾倉
箱の中に、弾倉が二つ見える。
つまり、予備を持ち歩く。
そして、入れ替えて使う。
新しい弾
金属の薬莢に、火薬と弾を収める。
そして、それを弾倉へ入れる。
つまり、装填が速くなる。
館の題は、その仕組みを指している。
変換装置という語
題に、変換装置とある。
つまり、後から仕組みを替えている。
元の年と、改造の年
年の欄は1862年である。
つまり、本体の年だろう。
そして、改造の年は書かれていない。
改造も、記録される
館は、改造されたことを題に書く。
つまり、元の姿ではないと明示している。
そして、それも作品の履歴である。
作り替えられた道具
新しい弾に合わせて、部品を替える。
そして、古い本体を使い続ける。
つまり、作られた後に手が入っている。
紫檀という木
箱の材は紫檀である。
つまり、硬く重い木である。
そして、高い。
販売店の札
箱の札には、店の名らしき文字がある。
もっとも、画像では読み取れない。
だから、当サイトは断定しない。
二つの町
館の記録に、製造地が二つ並ぶ。
つまり、本体と改造で場所が違うのだろう。
もっとも、館の記録は説明しない。
寸法が、少ない
寸法の欄を見たい。
口径と箱の大きさだけである。
つまり、本体の全長がない。
八点目は、名がある

題に、引用符つきの名がある。
つまり、通称である。
名が独り歩きする
通称は、記録より広まることがある。
そして、館もそれを併記する。
つまり、名の扱いに幅がある。
引用符という記号
館の題には、引用符が付く。
つまり、正式な名ではない。
そして、後から広まった呼び方だろう。
通称の意味
その語は、平和を作る者という意味になる。
武器に付いた名としては、皮肉である。
もっとも、当サイトは名の由来を確かめられない。
制作年は1874年
年の欄を見たい。
1874年とある。
作者の没年
作者の生没年を見たい。
館の記録は、1814年生・1862年没とする。
十二年の差
つまり、没後十二年の作である。
作者欄の限界
作者の欄は、人を指すとは限らない。
工房、会社、地域のこともある。
つまり、欄の意味は一定でない。
当サイトの
「梨または林檎」と、記録は書くでも、
記録の欄が持つ限界に触れた。
会社の名として、残る
創業者の名は、会社の名でもある。
そして、館は会社の製品を創業者の名で登録する。
つまり、作者欄は人ではなく看板である。
材が、三つ
鋼、鉄、木。
つまり、飾りの材料がない。
三つだけの材
九点のうち、最も材が少ない。
つまり、飾りのない型である。
そして、量産に向く。
材の欄に、鉄
鋼と、鉄が別に書かれる。
つまり、部位で使い分けている。
そして、それが記録に残る。
黒い握り
握りの色を見たい。
黒である。
そして、艶がある。
九点目は、番号29705

五点目と同じ型式である。
もっとも、製造番号は29705。
つまり、二万九千挺以上あとになる。
量産という事実
番号2と、番号29705。
つまり、三年ほどで数万挺が作られた。
錫と、銅
材の欄に、錫と銅がある。
つまり、容器か部品だろう。
もっとも、館の記録は場所を示さない。
紙が残るということ
紙は、金属より早く傷む。
それでも、百七十年後に残っている。
つまり、箱に収まっていたためだろう。
材に、紙がある
技法の欄を見たい。
紙という語が入る。
つまり、包み紙か説明書きが残る。
鉛という材
鉛もある。
つまり、弾が付属している。
五点の連番
同じ寄贈者の五点を見たい。
受入番号の頭の数字が、年を示す。
つまり、番号から年が読める。
寄贈者の名
四人の名が並ぶ。
そして、二組は夫妻である。
つまり、家として渡している。
半世紀の受入
最も早い受入は1956年である。
そして、最も遅いのは2010年。
つまり、五十四年の幅がある。
九点の受入年
来歴を見たい。
五点は同じ寄贈者から来ている。
そして、年は1956年から1968年まで。
十二年かけて
つまり、一人が十二年かけて渡した。
残る四点
残りは、別の三者からである。
そして、1983年、1985年、2010年。
収集という行為
道具を集め、館へ渡す。
つまり、私物が資料になる。
分かることと、分からないこと
分かるのは、寸法・材・番号・来歴である。
そして、分からないのは、彫りの内容と使われた経緯である。
記録は、経緯を書かない
誰が持ち、何に使ったか。
館の記録は、書いていない。
だから、当サイトは推測しない。
当サイトの
鋼に金で描き、重さまで記録するでも、
武具を記録する館の姿勢に触れた。


