地名が、二つの大陸にまたがる——ジョージ・イネス
題の地名をたどると、九点は二つの大陸に散る。何を描いたかより、どこで描いたかが先に書かれている。判型の幅は十倍近くあり、館ごとに書式も違う。地名という手掛かりから、長い仕事の幅を眺めたい。題に出る国は、三つある。

地名という手掛かり
題の地名は、場所を教える。
つまり、記録として働く。
地名が、二つの大陸にまたがる
風景の題には、地名が入ることが多い。
同じ画家の九点を並べると、その地名が遠く離れる。
北米の谷と、地中海の湖である。
題という欄
記録には、題の欄がある。
つまり、その作品を呼ぶ言葉が入る。
何が、分かるか
どこを描いたか、が分かる。
つまり、後から照らせる。
地名が、入る
風景の題には、どこかが書かれる。
つまり、場所が分かる。
三つの国
北米、イタリア、そしてフランス。
つまり、三か国にまたがる。
作法が、違う
館ごとに、記録の決まりがある。
つまり、書式が分かれる。
三つの館
四点、四点、そして一点に分かれる。
つまり、書式も三通りある。
九点という範囲
この記事で扱うのは九点である。
いずれも風景である。
そして、三つの館にある。
十倍近い
最も小さい辺と、最も大きい辺。
つまり、大きく開く。
判型の幅
十七センチから、百六十センチまで。
つまり、大きく開く。
八点と、一点
油彩が八点、そして水彩が一点。
つまり、ほとんどが油彩である。
三つの群
北米、欧州、そして地名なし。
つまり、三つに分かれる。
順に、見る
年の早い順ではなく、場所ごとに見たい。
つまり、大陸で分ける。
一点目
北米の谷である。

横長の画面である。
左手前に、暗い斜面がある。
その先に、広い谷が開ける。
奥に、低い山が連なる。
空は、厚い雲に覆われる。
何が、見えるか
谷と、山と、雲。
つまり、広い眺めである。
空の暗さ
空は、暗く重い。
つまり、雨の前らしい。
濃淡だけ
明暗の差しか、読み取れない。
つまり、色は分からない。
画像に、色がない
この画像は、白と黒と灰である。
つまり、古い記録写真である。
撮り直しの順
展示や貸し出しの機会が、撮影を呼ぶ。
つまり、外の事情で決まる。
九点で、一点だけ
他の八点には、色がある。
つまり、撮り直されていない。
一八九九年
受け入れは1899年である。
つまり、九点で最も早い。
共同で、贈る
何人かが、費用を出し合う。
つまり、一人ではない。
複数の人
一人ではなく、数人である。
つまり、共同の寄贈になる。
来歴の書き方
数名の紳士の寄贈、とある。
数名、という語
はっきりした数が、入らない。
つまり、曖昧である。
数も、書かれない
何人かは、書かれていない。
つまり、分からない。
名が、ない
寄贈者の名が、書かれていない。
つまり、匿名に近い。
珍しい書き方
ふつうは、名が入る。
つまり、この一点だけ違う。
同じ谷、二点目
同じ地名が、また出る。
つまり、繰り返される。
二点目
同じ谷である。

横長の画面である。
手前に、刈られた麦が並ぶ。
中央に、大きな木立がある。
奥に、低い丘が横たわる。
雲間から、光が差す。
広い谷
北米東部の、長い谷である。
もっとも、記録に説明はない。
二つの州にまたがる
その谷は、広い範囲に及ぶ。
もっとも、記録に説明はない。
川の名
その谷には、川の名が付く。
つまり、川に沿った土地である。
渓谷という語
川の流れる谷を指す。
つまり、地形の名になる。
同じ地名
一点目と、同じ谷の名である。
つまり、二点になる。
何を、加えるか
場所に、出来事が加わる。
つまり、情報が増える。
題の中身
谷の名と、収穫と、場面。## 三つの部分
谷の名と、収穫と、場面。
つまり、三つが並ぶ。
題が、長い
収穫の場面、という語が加わる。
つまり、何が起きているかが入る。
光の差
一方は暗く、他方は明るい。
つまり、印象が変わる。
天候も、違う
一方は雲が厚く、他方は光が差す。
つまり、条件が違う。
別の絵
同じ谷でも、別の眺めである。
つまり、繰り返しではない。
四年後
1863年ごろと、1867年。
つまり、四年離れる。
同じ谷でも
同じ場所を、別の大きさで描く。
つまり、注文が違うのだろう。
縦も、違う
56.5センチと、76センチ。
つまり、二十センチ近い差になる。
大きさが、違う
77.2センチと、115センチ。
つまり、一・五倍近い。
三点目から
欧州の地名になる。
つまり、四点続く。
大陸を、越える
ここから、欧州の地名になる。
つまり、四点続く。
三点目
イタリアの平野である。

横長の、小さな紙である。
下半分に、緑の平地が広がる。
その先に、暗い木立がある。
上半分は、青と灰の空である。
左下に、署名らしい文字がある。
二つの水彩
透明と、不透明。
つまり、性質が違う。
三つの画材
水彩、不透明水彩、そして鉛筆。
つまり、三つ並ぶ。
紙に、描く
紙に、水彩と鉛筆で描かれる。
つまり、支持体も違う。
八対一
地名のある八点と、ない一点。
つまり、例外になる。
九点で、唯一の水彩
他の八点は、油彩である。
つまり、画材でも例外になる。
習作らしい
小さく、速く描かれている。
もっとも、記録に用途はない。
横も、狭い
横26.2センチである。
つまり、手のひらに載る。
九点で、最も小さい
縦17.3センチである。
つまり、他の三分の一以下になる。
遺贈という形
亡くなった人の遺志で、館へ渡る。
つまり、手続きが要る。
来歴の年
来歴には、1966年の遺贈とある。
受け入れの年
もっとも、受け入れ年は1967年である。
手続きの時間
相続には、時間が掛かる。
つまり、年をまたぐ。
ごろ、という語
年の前後に、幅があることを示す。
つまり、目安になる。
一年の差
二つの年が、一年ずれる。
つまり、合わない。
次のページで
イタリアの二点を見たい。
四点目から
油彩のイタリアになる。
つまり、大きくなる。
イタリアの二点
ここから、油彩のイタリアになる。
つまり、判型が大きくなる。
四点目
イタリアの川である。

横長の画面である。
左に、川が細く曲がる。
中央に、大きな木立がある。
手前に、赤い土の道がある。
その上に、人がいる。
横も、広い
横161.5センチである。
つまり、一メートル六十を超える。
一メートル近い
縦98センチである。
つまり、大きい。
縦も、大きい
縦98センチである。
つまり、面積でも最大になる。
九点で、最も大きい
横161.5センチである。
つまり、他を大きく超える。
順序
眺め、川、そして町。
つまり、大きいほうから並ぶ。
題の中身
眺め、川の名、そして町の名。## 三つの部分
眺め、川の名、そして町の名。
つまり、三つが並ぶ。
題の作り
町の名と、川の名。
つまり、二つの地名が並ぶ。
川の名
題には、川の名も入る。
つまり、二つの地名が並ぶ。
断定を、避ける
町の中とは書かない。
つまり、慎重である。
周辺を、指す
町の周りの範囲である。
つまり、絞りが緩む。
近く、という語
町そのものではない。
つまり、周辺を指す。
大きい絵
大きい絵は、時間が掛かる。
つまり、年をまたぎうる。
二年がかり
年をまたいで描かれたらしい。
もっとも、記録に説明はない。
二つの年
1872年と、1874年。
つまり、二年の幅になる。
数えると
三通りに分かれる。
つまり、揃っていない。
年の書き方
二つの年が、短い線で結ばれる。
揃わない
同じ館でも、記号が違う。
つまり、担当や時期による。
斜線という記号
同じ館の記録には、斜線を使う例もある。
つまり、揃っていない。
他の記録では
同じ館の他の点は、別の書き方をする。
つまり、揃っていない。
五点目へ
イタリアの湖である。
つまり、続く。
湖へ
川から、湖へ移る。
つまり、水が続く。
五点目
イタリアの湖である。

横長の画面である。
中央に、日が沈む。
その手前に、湖が広がる。
両側に、木と斜面がある。
手前に、動物がいる。
時刻という条件
日没、という語が入る。
つまり、光の条件になる。
題の中身
場所と、時刻。## 二つの部分
場所と、時刻。
つまり、二段になる。
記号で、区切る
湖の名と、時刻が記号で分かれる。
つまり、二段になる。
題に、時刻
湖の名と、日没。
つまり、時刻が加わる。
断定しない
館の記録に、滞在の説明はない。
つまり、こちらの見立てである。
同じ滞在か
いずれも、1872年から1874年である。
つまり、近い時期になる。
三点の内訳
平野、川、そして湖。
つまり、地形が違う。
三点目と、同じ国
いずれも、イタリアの地名である。
つまり、三点になる。
一年の差
四点目の終わりと、同じ年である。
つまり、近い。
年に、留保
1874年ごろとある。
つまり、幅がある。
六点目へ
フランスの海辺である。
つまり、国が変わる。
海辺へ
イタリアから、フランスへ移る。
つまり、国が変わる。
六点目
フランスの海辺である。

横長の画面である。
右に、緑の丘が続く。
その下の道を、羊の群れが行く。
女性が、羊を追う。
左奥に、海と建物が見える。
四点の内訳
水彩が一点、油彩が三点。
つまり、油彩が多い。
一度の滞在か
続けて描いたのだろう。
もっとも、記録に説明はない。
四年のあいだ
1872年から1876年まで。
つまり、まとまっている。
欧州の四点
イタリアが三点、フランスが一点。
つまり、四点になる。
三つ目の国
北米、イタリア、そしてフランス。
つまり、三か国になる。
一桁の点も
同じ館の他の点は、一桁である。
つまり、揃わない。
額も、二桁
額の寸法も、第二位まで書かれる。
つまり、揃っている。
三つの数字
65.41、97.47、そして5.08センチ。
つまり、いずれも二桁である。
小数の桁
寸法が、小数第二位まで書かれる。
同じ館でも
同じ館の他の点は、一桁までである。
つまり、揃わない。
一桁と、二桁
多くは、小数第一位までである。
つまり、揃っていない。## 他の記録では
多くは、小数第一位までである。
つまり、揃っていない。
次のページで
北米に戻りたい。
北米へ、戻る
欧州から、北米の地名に戻る。
つまり、三点続く。
七点目
北米の南部である。

縦長の画面である。
細い木が、二本高く伸びる。
その奥に、赤い屋根の小屋がある。
手前に、湿った地面が広がる。
空は、淡い青である。
木が、高い
細い木が、画面の上まで伸びる。
つまり、縦が要る。
九点で、唯一の縦長
他の八点は、いずれも横長である。
つまり、この一点だけ違う。
一点だけ
九点のうち、この一点である。
つまり、少数になる。
三つ目の館
この一点だけ、別の館にある。
つまり、書式も違う。
他の館では
他の二館の記録に、その欄はない。
つまり、館の作法が違う。
書き入れの欄
この館の記録には、署名の位置が入る。
四つの情報
位置、地面、絵具の色、そして文字。
つまり、細かい。
何が、書かれるか
画面の左下、地面の上、茶色の絵具で。
つまり、細かい。
一致する
書き入れの年と、年の欄が同じである。
つまり、根拠になる。
名と、年
署名には、名と1892年が入る。
つまり、年の欄と一致する。
題に、時刻
早朝、という語が入る。
つまり、五点目と同じ形になる。
二つ目の谷
北米の、別の谷である。
つまり、地名が変わる。
八点目
北米の谷である。

横長の画面である。
手前に、切り株の残る草地がある。
人が、一人腰を下ろす。
中央に、機関車が煙を上げる。
奥に、町と低い山がある。
三十六年の始まり
ここから、九点の年が始まる。
つまり、最初の一点になる。
九点で、最も早い
1856年ごろである。
つまり、最も古い一点になる。
新しい産業
当時、鉄道は新しいものだった。
もっとも、記録に説明はない。
鉄道が、描かれる
機関車と、丸い車庫が見える。
つまり、産業の風景になる。
開かれた土地
森を伐り、線路を通す。
つまり、変わりつつある土地である。
切り株
手前に、切られた木の跡が並ぶ。
つまり、森が伐られている。
そのまま、書く
美しい谷として見えるかもしれない。
もっとも、描かれているのは開かれた土地である。
厚い額
十五センチを超える。
つまり、他より厚い。
額の奥行き
奥行きは、15.2センチである。
つまり、九点で最も厚い。
最後の一点
九点目を見たい。
つまり、地名がない。
九点目
地名のない一点である。

横長の画面である。
低い草地が、手前に広がる。
中央に、丸い月が出る。
その左右に、木が数本立つ。
空は、灰と緑が混じる。
月の名
季節の月を指す言い方である。
つまり、時を示す。
題に、地名がない
月の名だけである。
つまり、場所が分からない。
九点で、唯一
他の八点には、地名が入る。
つまり、例外になる。
地名は、ない
どこの草地かは、書かれない。
つまり、絞れない。
秋の満月
刈り入れのころの月である。
つまり、季節が分かる。
収穫の月という語
秋の満月を指す言い方である。
つまり、季節が示される。
小数の桁
こちらも、小数第二位まで書かれる。
つまり、六点目と同じになる。
数えると
四点、三点、一点、そして一点。
つまり、四つに分かれる。
九点の地名
北米が四点。
イタリアが三点。
フランスが一点。
そして、地名のないものが一点。
距離
大西洋を、越える。
つまり、船で渡る。
当時の旅
十九世紀の後半である。
つまり、蒸気船の時代になる。
二つの大陸
大西洋を挟んで、両側にある。
つまり、遠く離れる。
四年の幅
1872年から1876年まで。
つまり、短い期間に集まる。
旅の記録
イタリアとフランスの四点は、1872年から1876年に集まる。
つまり、滞在の時期らしい。
断定しない
館の記録に、旅の説明はない。
つまり、こちらの見立てである。
前と、後
初期の三点と、晩年の一点。
つまり、離れている。
北米の四点
1856年ごろ、1863年ごろ、1867年、そして1892年。
つまり、前後に分かれる。
挟まれている
北米、欧州、そして北米。
つまり、年で並べるとそうなる。
年の並び
1856、1863、1867、1872、1872、1874、1876、1891、1892年。
つまり、両端に寄る。
九点の年
1856年ごろから1892年まで。
三十六年の幅
最も早い年と、最も遅い年の差である。
つまり、長い期間になる。
年の書き方
数字だけが四点。
短い線で結ぶものが一点。
そして、ごろ、が付くものが三点。
留保の語
館によって、略し方が違う。
つまり、そこも揃わない。
四、四、一
四点、四点、そして一点である。
つまり、偏りがある。
九点の館
三つの館に分かれる。
書式の差
額の寸法があるのは、四点である。
つまり、館ごとに違う。
小数の桁も
二桁のものが二点、一桁が七点。
つまり、同じ館の中でも分かれる。
記録を、直さない
留保の語、小数の桁、そして年の結び方。
つまり、そのまま写した。
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そちらでは、後年の描き方を見た。
読み方の提案
題の地名を、地図に置いてほしい。
そこに、旅の形が見える。



