画家を知る

六点の記録が、まったく同じ——リチャーズ・アンド・ハートリー社

題、年、技法、寸法、来歴。六点の欄がすべて一致し、違うのは収蔵番号だけである。型押しで作られた証拠だろう。それでも画像を見れば、乳白色の広がる範囲が一点ずつ違う。量産の中に残る揺れを、六点で確かめたい。

脚付きの器
《脚付きの器》メトロポリタン美術館蔵

記録が揃うということ

美術館の記録は、作品ごとに違うのが普通である。

もっとも、まれにまったく同じになることがある。

この六点が、それにあたる。

六点の記録が、まったく同じ

一点から始めたい。

脚付きの器
リチャーズ・アンド・ハートリー社《脚付きの器》1888年ごろ。型押しの無色と乳白色の硝子。館の記録では、高さ6.7センチ、直径9.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。エミリー・ウィンスロップ・マイルズ夫人の寄贈、1946年。この作品は、ほとんど色のない古い記録写真で公開されている。《脚付きの器》メトロポリタン美術館蔵

小さな器である。

丸い脚の上に、鉢が載る。

鉢の外側に、丸い凸が並ぶ。

そして、縁が波打つ。

脚の縁にも、細かい模様がある。

六点という範囲

この記事で扱うのは六点である。

いずれも、同じ工房の硝子である。

そして、いずれも同じ館にある。

色が、分からない

一点目の画像に、色がない。

だから、当サイトはこの一点の色を語らない。

何が、読めるか

明暗は読める。

そして、形も読める。

つまり、色以外は確かめられる。

撮られた時期

古い写真は、粒が粗い。

そして、階調も狭い。

黒い背景

背景は、黒に近い。

つまり、他の五点と撮り方が違う。

記録を、並べる

この記事で扱うのは六点である。

そして、六点の記録が、ほとんど同じである。

番号という欄

番号だけが、六点で違う。

つまり、区別はそこにしかない。

六つの欄

題、年、技法、寸法、来歴、そして番号。

つまり、六つの欄がある。

題が、同じ

六点とも、脚付きの器、である。

器の役目

小さな器は、菓子や薬味を入れる。

もっとも、館の記録は用途を書かない。

題の意味

脚付きの器は、脚のある小さな鉢である。

つまり、形を示す語である。

年が、同じ

六点とも、1888年ごろとある。

十九世紀の終わり

一八八八年は、十九世紀の後半である。

そして、型押しの硝子が広まった時期にあたる。

一八八八年ごろ

年には、ごろ、が付く。

つまり、六点とも同じ書き方である。

技法が、同じ

六点とも、型押しの無色と乳白色の硝子とある。

二つの色

無色と、乳白色。

つまり、二種類の硝子が使われる。

技法の欄の長さ

技法の欄には、四つの語が並ぶ。

そして、六点とも同じ順である。

寸法が、同じ

六点とも、高さ6.7センチ、直径9.5センチ。

高さと直径

高さより、直径のほうが大きい。

つまり、横に広い器である。

三桁まで、同じ

高さ6.7センチ、直径9.5センチ。

つまり、小数第一位まで一致する。

来歴が、同じ

六点とも、同じ人の寄贈である。

そして、年も1946年で同じ。

一九四六年という年

受入年は、六点とも同じである。

つまり、一括して入った。

寄贈者の名

寄贈者は、一人である。

そして、六点をまとめて渡している。

違うのは、番号だけ

六点を区別するのは、収蔵番号である。

つまり、番号以外に手がかりがない。

何が、分かるか

記録が同じなら、同じ物である。

つまり、量産の証拠になる。

記録の一致という珍しさ

六点の記録がすべて同じ例は、多くない。

つまり、目を引く。

これは、何を示すか

同じ型で、同じ日に作られたのだろう。

つまり、量産の証である。

型の材

型は、鉄で作ることが多い。

もっとも、館の記録は書かない。

押し棒という道具

金属の棒で、硝子を型に押し込む。

そして、外側の型と挟む。

型押しという技法

溶けた硝子を型に入れ、押し棒で押す。

そして、型の模様が器に移る。

凸と、型

凸のある型から、器を抜く。

つまり、抜きやすい形が要る。

抜くという工程

固まる前に、型から外す。

つまり、手早さが要る。

同じ型、同じ形

型が同じなら、形も寸法も揃う。

つまり、記録も揃う。

薄さの差

吹いた器は、薄い。

そして、押した器は厚い。

吹くという技法

竿の先に硝子を付け、息を入れる。

そして、膨らませる。

手仕事との差

手で吹けば、一つずつ違う。

そして、寸法も揃わない。

数字が語ること

寸法が完全に一致する。

つまり、型で作られたと分かる。

記録という鏡

作り方が変われば、記録も変わる。

つまり、記録は製造を映す。

記録が、量産を映す

寸法が完全に一致する。

つまり、記録がそのまま量産を示している。

光の通り方

光は通るが、拡散する。

つまり、乳のように見える。

半透明という状態

光は通るが、向こうは見えない。

つまり、透明と不透明の間である。

乳白色という語

技法の欄に、乳白色とある。

つまり、光を通しつつ白い硝子である。

凸の先

凸の先端が、最も白い。

そして、根元は透明である。

白の位置

白は、縁と凸の先に集まる。

そして、鉢の底は透明である。

どこが、白いか

縁と凸の先が、白く見える。

そして、他の部分は透明である。

材料の秘密

配合は、工房ごとに違った。

もっとも、館の記録は成分を書かない。

熱と、色

再び熱すると、色が出る硝子がある。

もっとも、館の記録は書かない。

なぜ、そこだけ白いか

硝子を押し出すと、薄くなる。

そして、薄い部分で色が変わる硝子がある。

もっとも、館の記録は方法を書かない。

だから、当サイトは断定しない。

一点目の鉢

鉢は、浅い。

そして、縁が外へ開く。

一点目の脚

脚は、下で広がる。

そして、縁に細かい溝がある。

二点目も、同じ

脚付きの器
リチャーズ・アンド・ハートリー社《脚付きの器》1888年ごろ。型押しの無色と乳白色の硝子。館の記録では、高さ6.7センチ、直径9.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。エミリー・ウィンスロップ・マイルズ夫人の寄贈、1946年。《脚付きの器》メトロポリタン美術館蔵

こちらには、色がある。

縁と凸の先が、青白く光る。

そして、他は透明である。

二点目の脚

脚は、透明である。

そして、縁に溝がある。

二点目の色

縁と凸の先が、青白い。

そして、他は透明である。

一点目との差

一点目は、色のない画像である。

そして、二点目には色がある。

灰色の背景

背景は、上が暗く、下が明るい。

つまり、同じ照明である。

五点の共通

二点目から六点目まで、同じ灰色の背景である。

つまり、同じときに撮られたのだろう。

撮り方の違い

同じ形の器でも、撮られた時期が違う。

つまり、画像の質が揃わない。

二つの情報源

記録と、画像。

つまり、補い合う。

記録は、同じでも

記録が同じでも、画像は同じでない。

つまり、二つの情報は別に動く。

五つの欄

題、年、技法、寸法、来歴。

つまり、区別に使えない欄が五つある。

三点目の記録を、見る

題、年、技法、寸法、来歴。

つまり、五つの欄が一点目と同じである。

記録が同じという条件

寸法も年も技法も同じである。

つまり、比べる軸が一つ減る。

六点を、順に見る

記録が同じなら、見るべきは画像である。

そして、画像には差がある。

つまり、そこに情報がある。

三点目も、同じ

脚付きの器
リチャーズ・アンド・ハートリー社《脚付きの器》1888年ごろ。型押しの無色と乳白色の硝子。館の記録では、高さ6.7センチ、直径9.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。エミリー・ウィンスロップ・マイルズ夫人の寄贈、1946年。《脚付きの器》メトロポリタン美術館蔵

二点目と、同じに見える。

そして、記録も同じである。

光の当たり方

上から光が当たる。

そして、凸の先が明るくなる。

白と、透明

白い部分と透明な部分が、隣り合う。

そして、境がぼける。

白の濃さ

白は、薄く、青みを帯びる。

そして、透明との境がぼける。

三点目の白

縁と凸の先が、青白い。

そして、脚は透明である。

凸の並び

丸い凸が、横に並ぶ。

そして、段になって重なる。

段の並び

凸は、段ごとに互い違いになる。

つまり、隙間が埋まる。

凸の形

凸は、円に近い。

そして、わずかに縦長である。

凸の数

一段に、十以上の凸が並ぶ。

そして、間隔が揃う。

凸の大きさ

凸は、一センチに満たない。

そして、大きさが揃う。

段の数

凸の段は、三段ほどある。

もっとも、重なりで数え切れない。

使うための厚み

薄ければ、欠けやすい。

つまり、厚さは実用のためである。

縁の厚み

縁は、厚く見える。

つまり、割れにくい。

縁の高さ

縁は、凸の位置で高くなる。

そして、間で低くなる。

波の数

縁の波は、二十を超える。

もっとも、重なりで数え切れない。

縁の形

縁は、凸に沿って波打つ。

つまり、平らではない。

脚の底

底は、平らである。

そして、円い。

脚の付け根

脚は、鉢の底から立ち上がる。

そして、細くくびれる。

脚の高さ

脚は、器全体の三分の一ほどである。

つまり、低い。

脚の形

脚は、下でラッパのように広がる。

そして、縁に細かい溝がある。

記録では、できない

記録の欄では、区別できない。

つまり、番号に頼るほかない。

見分ける方法

形では見分けられない。

そして、白の広がりで少し分かる。

型という前提

同じ型なら、細部まで同じになる。

つまり、見分けがつかない。

三点目の姿

二点目と、ほとんど見分けがつかない。

つまり、同じ型である。

三点目の鉢

鉢は、浅い。

そして、縁が外へ開く。

三点目の脚

脚は、下で広がる。

そして、透明である。

三点目の記録

記録は、一点目と同じである。

つまり、六つの欄がすべて一致する。

四点目も、同じ

脚付きの器
リチャーズ・アンド・ハートリー社《脚付きの器》1888年ごろ。型押しの無色と乳白色の硝子。館の記録では、高さ6.7センチ、直径9.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。エミリー・ウィンスロップ・マイルズ夫人の寄贈、1946年。《脚付きの器》メトロポリタン美術館蔵

こちらも、同じ形である。

もっとも、白い部分の広がりが少し違う。

二つの範囲

縁だけの点と、脚まで及ぶ点。

つまり、二通りある。

白の位置が、違う

三点目は縁だけ、四点目は脚まで。

つまり、範囲が違う。

脚の色

四点目の脚は、青白く光る。

そして、他の点は透明に見える。

白の広がり

四点目は、脚の縁まで白い。

そして、他の点はそこまで白くない。

どちらが確かか

番号は、確かである。

そして、姿は見る人によって揺れる。

番号と、姿

番号は記録の側、姿は画像の側。

つまり、二通りの区別がある。

差という情報

差があれば、個体が分かる。

つまり、見分ける手がかりになる。

同じ型でも、違う

型は同じでも、仕上がりが違う。

つまり、一点ずつ差が出る。

職人の手

熱の当て方は、職人の判断による。

もっとも、館の記録は書かない。

冷やす速さ

急に冷やせば、色が残る。

そして、ゆっくりなら変わる。

位置という条件

窯の中の位置でも、結果が変わる。

もっとも、館の記録は書かない。

焼く条件

窯の温度も、冷やす速さも、毎回違う。

つまり、結果が揺れる。

なぜ、差が出るか

熱の当て方や冷え方が、毎回違う。

もっとも、館の記録は理由を書かない。

完全な複製は、ない

型で押しても、材料と熱が揺れる。

つまり、差が残る。

量産という言葉

同じ物を多く作る。

もっとも、完全に同じにはならない。

二つの見方

同じであること、そして違うこと。

つまり、両方が同時にある。

量産の中の偶然

同じ形を作りながら、同じにはならない。

つまり、量産にも幅がある。

二つを、並べる

記録の一致と、画像の差。

つまり、両方を書く。

当サイトの扱い

当サイトは、画像で見える差を書く。

そして、記録の一致も書く。

画像が、補う

記録が同じでも、画像は違う。

つまり、画像が情報を足す。

記録には、書かれない

館の記録は、白の広がりに触れない。

つまり、画像だけが伝える。

四点目の脚

脚は、下で広がる。

そして、青白く光る。

四点目の姿

三点目と、形は同じである。

そして、白の広がりだけが違う。

四点目の記録

記録は、他の五点と同じである。

つまり、差は画像にしかない。

五点目も、同じ

脚付きの器
リチャーズ・アンド・ハートリー社《脚付きの器》1888年ごろ。型押しの無色と乳白色の硝子。館の記録では、高さ6.7センチ、直径9.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。エミリー・ウィンスロップ・マイルズ夫人の寄贈、1946年。《脚付きの器》メトロポリタン美術館蔵

三点目と、よく似る。

そして、白い部分の位置も近い。

五点目の白

縁と凸の先が、青白い。

そして、脚は透明である。

五点目の記録

記録は、他の五点と同じである。

つまり、番号だけが違う。

五点目の姿

三点目と、よく似る。

そして、白の広がりも近い。

六点目も、同じ

脚付きの器
リチャーズ・アンド・ハートリー社《脚付きの器》1888年ごろ。型押しの無色と乳白色の硝子。館の記録では、高さ6.7センチ、直径9.5センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。エミリー・ウィンスロップ・マイルズ夫人の寄贈、1946年。《脚付きの器》メトロポリタン美術館蔵

五点目と、ほとんど同じである。

そして、記録も同じである。

六点目の白

縁と凸の先が、青白い。

そして、脚も少し白い。

六点目の記録

記録は、他の五点と同じである。

つまり、六点すべてが揃う。

六点を、どう区別するか

記録では、番号でしか分けられない。

そして、画像では、白の広がりで少し分かる。

題では、呼べない

六点とも、同じ題である。

つまり、題で呼べば区別できない。

番号という名前

番号は、重ならない。

そして、記録の中で一意である。

番号の意味

番号には、受入の年が含まれる。

そして、その年の何番目かが分かる。

連番という事実

六点の番号は、続いている。

つまり、一括して登録された。

一括の登録

六点は、同じ日に登録されたのだろう。

もっとも、館の記録は日を書かない。

一組として、館へ

同じ寄贈で、同じ年に入っている。

つまり、組のまま渡された。

組という考え方

同じ器を人数分揃える。

つまり、食器としての組になる。

なぜ、六点も

同じ物を六点持つのは、組で使うためだろう。

もっとも、館の記録は用途を書かない。

だから、当サイトは断定しない。

小さな器

高さ6.7センチ、直径9.5センチ。

つまり、片手に乗る。

食卓という場面

小さな器を、人数分並べる。

つまり、一人に一つである。

揃えるという価値

同じ物が揃うと、食卓が整う。

つまり、揃うこと自体が価値になる。

六人分

六点あれば、六人で使える。

もっとも、これは推測である。

手作りでは、難しい

一つずつ吹けば、差が出る。

そして、揃わない。

量産という前提

一人に一つ配るには、同じ物が要る。

つまり、量産が用途を支える。

揃うという結果

型が同じなら、寸法も揃う。

つまり、組が作れる。

型押しが、可能にしたこと

手で吹けば、揃わない。

そして、型で押せば、揃う。

誰が、買うか

安く揃えば、多くの家が買える。

つまり、買い手が広がる。

値の話

同じ物を多く作れば、値が下がる。

つまり、多くの家に届く。

もっとも、館の記録は値に触れない。

前の記事との共通

当サイトの
型で押して、量産するでも、
型押しの硝子を扱った。

同じ寄贈者

この六点の寄贈者は、当サイトの
大理石に似せた、硝子と同じ人である。

同じ年の寄贈

前の記事の九点も、同じ年である。

つまり、まとめて渡されている。

一九四六年

その年に、多くの硝子が館へ入っている。

つまり、まとまった動きがあった。

集めるという行為

同じ物を六点集める。

つまり、組を崩さずに保つ。

収集家という存在

一人が集め、館へ渡す。

つまり、まとまりが残る。

数という情報

一点では分からないことが、六点で分かる。

つまり、数に意味がある。

六点が揃う価値

同じ物が六点あれば、差を比べられる。

つまり、揃っていることに意味がある。

幅を、見る

六点の差を並べれば、幅が分かる。

つまり、製造の揺れが見える。

一点では、分からない

一点だけなら、白の広がりが偶然か分からない。

そして、六点あれば、幅が見える。

館の役目

館は、まとまりを保つ。

つまり、後の人が比べられる。

収集が、情報になる

集めることそのものが、資料になる。

つまり、数に意味がある。

小数第一位まで

6.7センチと9.5センチ。

つまり、六点で完全に同じである。

記録の完全な一致

寸法が三桁まで一致する。

つまり、測って同じだったのだろう。

二つの可能性

測って同じだったのか、写したのか。

つまり、決められない。

あるいは、写したのか

一点を測り、他に写したのかもしれない。

もっとも、館の記録は説明しない。

事実だけを、書く

一致しているという事実は、確かである。

そして、理由は分からない。

断定は、しない

だから、当サイトは決めつけない。

そして、一致しているという事実だけを書く。

年の書き方

六点とも、同じ書き方である。

つまり、ここも揃っている。

六点の年

六点とも、1888年ごろである。

つまり、ごろ、が付く。

留保という記号

ごろ、は留保の印である。

つまり、確かではない。

「ごろ」という語

年には、およそ、の意味が付く。

つまり、確かめられていない。

意匠と、年代

意匠が流行した時期から、年を推す。

つまり、間接の証拠である。

型が、年を示す

型の意匠には、流行がある。

そして、そこから年代を推す。

もっとも、館の記録は根拠を書かない。

分かることと、分からないこと

分かるのは、寸法・技法・年・来歴である。

そして、分からないのは、用途と白の作り方である。

空白を、空白のまま

当サイトは、空欄を推測で埋めない。

そして、そのことを書き添える。

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