型で押して、量産する——ボストン・アンド・サンドウィッチ・ガラス
溶けた硝子を型に落とし、上から押す。同じ形がいくつでも作れるようになり、硝子器の値段が下がった。同じ品を色付きと白黒で撮った二枚が並ぶという、めったにない例も含む九点。何が失われ、何が残るかを見る。唯一でない品を、何を見るために並べるのかを考えたい。

黄色い硝子の花瓶
一点の硝子から始めたい。

縦に長い花瓶である。
上部が、八つの山形に開く。
そして、胴に四角い突起が並ぶ。
中ほどが、球のようにくびれる。
足は、六角形に広がる。
色は、澄んだ黄色である。
型押しという技法
技法欄を見たい。
型押しガラスとある。
つまり、溶けた硝子を型に入れ、押し固める。
型押しの仕組み
まず、金属の型を作る。
そして、そこへ溶けた硝子を落とす。
上から押し棒で押す。
すると、型の模様が硝子に写る。
押し棒という道具
押し棒について、補いたい。
型の内側に入る形をしている。
そして、硝子を型の壁へ押しつける。
つまり、外側は型、内側は棒が形を決める。
吹きガラスとの違い
吹きガラスは、息で膨らませる。
そして、一点ずつ形が違う。
一方、型押しは同じ形が何個でも作れる。
つまり、量産できる。
硝子の値段
十九世紀の前半まで、硝子器は高価だった。
そして、多くは輸入品だった。
型押しの普及で、国内で安く作れるようになる。
つまり、暮らしが変わる技術である。
量産という発明
型押しの技術は、十九世紀の前半に広がった。
そして、硝子器の値段が下がる。
つまり、多くの家庭に硝子が入るようになる。
縦の突起
胴の突起を見たい。
四角い塊が、縦横に並ぶ。
そして、光を受けて輝く。
つまり、面が多いほど光る。
上部の八つの山
口の形を見たい。
八つの山形が、放射状に開く。
そして、その谷が深い。
つまり、花弁のような形である。
面を、増やす
硝子は、平らな面で光を反射する。
だから、面を増やせば輝きが増す。
型押しの模様には、その狙いがある。
中ほどのくびれ
胴と足のあいだを見たい。
球状のくびれがある。
そして、そこで光が集まる。
つまり、形の変化が輝きを作る。
黄色という色
硝子の色を見たい。
澄んだ黄色である。
そして、透けている。
つまり、硝子に金属の成分を加えて発色させている。
足の形
足元を見たい。
六角形に広がる。
そして、縁が厚い。
つまり、安定して立つ形である。
高さ二十九センチ
寸法を見たい。
高さ29.2センチである。
つまり、卓に置く花瓶としては大きい。
九点の中で最も高い。

色のない画像
二点目の画像は、灰色の階調だけである。
つまり、古い記録写真とみられる。
だから、色は分からない。
琥珀色という色
琥珀色について、触れておきたい。
黄褐色の、透ける色である。
そして、硝子には鉄などを加えて出す。
もっとも、館の記録は成分を示さない。
記録は、色を示す
もっとも、技法欄には色が記される。
琥珀色の吹きガラス、とある。
つまり、記録が画像を補っている。
白黒で、分かること
画像から分かることを挙げたい。
形、比率、そして表面の線。
つまり、構造は読める。
色だけが、失われている。
見えないものを、読む
画像では、黄色みが分からない。
しかし、記録には書いてある。
つまり、文字と画像を合わせて読む。
当サイトでは、繰り返しこの点に触れてきた。
糸状の装飾
技法欄には、もう一つの記載がある。
糸状の装飾を貼り付けた、とある。
つまり、細い硝子の糸を巻いている。
熱を、保つ
硝子の作業は、熱いうちに行う。
冷えれば、形が変えられない。
だから、何度も炉に戻す。
つまり、時間との勝負である。
糸を、巻く方法
熱した硝子器を回しながら、細い硝子を垂らす。
すると、糸が螺旋状に巻きつく。
そして、そのまま固まる。
画面で、確かめる
画像を見たい。
胴と首に、細い横線が並ぶ。
そして、等間隔である。
つまり、糸が巻かれている。
記録のとおりである。
首の細さ
首を見たい。
長く、細い。
そして、下の球と対比される。
つまり、太さの差が形を作る。
形を、見る
形を見たい。
下が球状に膨らむ。
そして、首が細く長く伸びる。
上端が、わずかに開く。
つまり、一輪挿しの形である。
高さの比較
寸法を比べたい。
一点目が29.2センチ、二点目が24.4センチ。
つまり、五センチほど違う。
いずれも、卓に置く大きさである。
一点目との差
一点目と二点目を比べたい。
一点目は型押し、二点目は吹きガラス。
つまり、作り方が違う。
そして、四十年ほどの隔たりがある。

表面が、ざらついている
三点目は、色がある。
胴が、濃い紅色である。
そして、下へ行くほど白くなる。
表面には、細かい粒が一面にある。
取っ手は、白く、透明である。
名の意味
技法の名は、上から撒くという意味を含む。
つまり、粒を上から浴びせる。
そして、表面に定着させる。
作り方が、そのまま名になっている。
オーバーショットという技法
技法欄を見たい。
オーバーショット・ガラスとある。
つまり、砕いた硝子を表面に付ける技法である。
作り方
熱した硝子器を、砕いた硝子の粒の上で転がす。
すると、粒が表面に付く。
そして、再び熱して定着させる。
手触り
表面がざらつけば、手触りも変わる。
そして、滑りにくくなる。
つまり、実用の利点もある。
もっとも、館の記録は用途を示さない。
ざらつきの効果
表面がざらつくと、光が乱反射する。
そして、白く曇って見える。
つまり、透明な硝子とは印象が変わる。
色の変化
胴の色を見たい。
上が濃い紅、下が淡い。
つまり、上下で色が変わる。
紅という色
紅色の硝子について、触れておきたい。
金を加えて発色させる方法が知られている。
つまり、高価な色である。
もっとも、この一点の成分は記録にない。
色を、変える方法
一部だけを再加熱すると、色が変わる硝子がある。
つまり、熱の当て方で濃淡を作る。
もっとも、館の記録は方法を示さない。
だから、当サイトは断定しない。
三点目の高さ
寸法を見たい。
高さ27.9センチである。
つまり、一点目に次いで高い。
水差しとしては、大きいほうだろう。
取っ手の白
取っ手を見たい。
白く、透明である。
そして、螺旋状のねじれがある。
つまり、別に作って貼り付けている。