名画の楽しみ方

皿に刷られた、教えと日付——デイヴンポートほか九点

一つの悪い癖に使う金があれば、子供が二人育つ。子供に読ませるために作られた皿である。日付、戦役の名、綴りの誤り、そして揃いの名。景色を刷っただけではない転写皿の、裏と表の文字を読みたい。言葉を載せるために作られた皿である。

一つの悪い癖に使う金があれば、子供が二人育つ
デイヴンポート《一つの悪い癖に使う金があれば、子供が二人育つ》メトロポリタン美術館蔵

題に、文句や日付が入る

焼き物を九点、記録の欄で並べてみる。

九点とも、転写で装飾した陶器である。

そして九点とも、題が長い。

前の回まで見てきた皿は、景色の名だけだった。

こちらは、それだけではない。

教えの言葉が入るもの。

日付と数が入るもの。

揃いの名が入るもの。

つまり、裏の枠の中身が多様である。

揃いの名が、人の名になる

揃いの名に人の名を使う例は、面白い。

その人の言葉を集めた、という意味である。

つまり、著者の名を揃いの名にしている。

本でいえば、全集の題にあたる。

一枚ずつが、一つの章のようなものだ。

集めれば、その人の教えが揃う。

前の回で、揃い物の売り方を書いた。

言葉を分けて売るという発想は、なかなか大胆である。

教えの言葉を、刷る

九点のうち一点は、題が文章である。

一つの悪い癖にかける金で、子を二人育てられる。

そういう意味の一文が刷られている。

そのあとに、有名な人物の名と、教え、という語が続く。

つまり、その人の教えを集めた揃いの一枚である。

前の回で、揃いの名の話をした。

こちらでは、揃いの名が人名になっている。

そして、一枚ごとに違う言葉が刷られる。

一つの悪い癖に使う金があれば、子供が二人育つ
デイヴンポート《一つの悪い癖に使う金があれば、子供が二人育つ》1820年から1860年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径19.7センチ。題には、教えを集めた揃いの名も含まれる。番号は16.83.2。メトロポリタン美術館蔵。デイヴンポート《一つの悪い癖に使う金があれば、子供が二人育つ》メトロポリタン美術館蔵

丸い皿である。

白黒の写真で写される。

中央の円の中に、景色が入る。

小さな建物と、木立が見える。

手前に、人と動物がいる。

その周りを、太い帯が囲む。

帯には、細かい模様が密に並ぶ。

さらに外の縁にも、模様が回る。

縁は、波形に成形される。

皿の下に、館の札が写り込む。

全体に、濃淡が強い。

教えの言葉を、選ぶ

刷られた言葉は、節約を説くものだ。

無駄を省けば、子が育つ。

分かりやすく、実用的である。

抽象的な教えではない。

つまり、暮らしの中の教訓である。

こういう言葉が選ばれたのは、買う人に合わせたからだろう。

難しい言葉なら、子供に通じない。

そして、皿の面積も限られている。

短く、はっきりした言葉が要る。

子供に、読ませるための皿

この種の皿は、子供向けに作られた。

食べながら、縁の言葉を読む。

そうやって、教えを覚えさせる。

つまり、道具でありながら教科書でもある。

前の回で、石板に聖句を書いた絵を見た。

考え方は、近い。

日常の物に、言葉を載せる。

そして、繰り返し目に触れさせる。

三桁の数は、何か

題の中の三桁の数は、意味が分からない。

支部の番号かもしれない。

会員の番号かもしれない。

館の記録は、数字を写すだけである。

前の回で、意味の分からない文字の話をした。

館は、推測を書かない。

書かないことで、後の人が調べられる。

もし推測を書けば、それが定説になってしまう。

分からないものは、分からないままにする。

日付を、刷る

九点のうち一点は、題に日付が入る。

十月二十八日、1840年。

さらに、三桁の数と、名前が並ぶ。

つまり、特定の日を記念する皿である。

何の記念かは、館の記録に書かれない。

星の名らしき語と、数字があるだけだ。

団体の名かもしれない。

船の名かもしれない。

読む人が、そこから調べることになる。

星の名と、1840年10月28日の日付を刷った皿
ジョン・リッジウェイ《星の名と、1840年10月28日の日付を刷った皿》1839年から1840年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径19.1センチ。題には、星の名、三桁の数、日付、製造者の名が含まれる。番号は14.102.331。メトロポリタン美術館蔵。ジョン・リッジウェイ《星の名と、1840年10月28日の日付を刷った皿》メトロポリタン美術館蔵

丸い皿である。

白黒の写真で写される。

中央の円の中に、景色が入る。

低い建物と、大きな木がある。

手前に、人と動物が数体いる。

その周りを、細い線が囲む。

縁には、星の形が点々と並ぶ。

星のあいだは、細かい網目である。

縁の外周に、細い線が二重に走る。

模様は、規則正しい。

中央の景色は、小さく収まる。

記念の品という、商売

記念のための品は、よく売れる。

出来事があれば、それに合わせて作る。

団体の集まり。

建物の落成。

戦いの勝利。

そして、火事や災害。

つまり、何でも記念になる。

売る側は、その機を逃さない。

九点のうち三点は、そういう品である。

館の題が、それを示している。

星を、縁に並べる

いま見た一点の縁には、星が並ぶ。

題に星の名が入るのだから、呼応している。

前の回で、縁と中央が呼応する例を見た。

同じ工夫が、ここでも使われている。

つまり、縁の模様が題の説明になっている。

文字を読まなくても、見当がつく。

そして、文字を読めば確かめられる。

絵と文字が、互いを支えている。

戦役という、主題

戦いを主題にした皿もある。

英国の窯が、アメリカの戦役を刷る。

売る先の関心に合わせるためだろう。

その戦いに勝った側が、買う。

つまり、記念品である。

館の記録は、戦いの内容を書かない。

題と年と技法と寸法だけである。

前の回で、敏感な主題の扱いを書いた。

記録は、判断を避けて事実だけを並べる。

綴りが、間違っている

九点のうち一点は、綴りが違う。

戦役を意味する語の末尾が、余分である。

館は、そのまま写す。

直したりはしない。

前の回で、間違いをそのまま残す話をした。

同じ扱いが、ここでも守られている。

なぜ間違ったのか。

版を彫った職人が、誤ったのだろう。

そして、そのまま何百枚も刷られた。

テキサスの戦役
アンソニー・ショー《テキサスの戦役》1851年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径26.7センチ。題の綴りには誤りがあり、そのまま写されている。番号は14.102.320。メトロポリタン美術館蔵。アンソニー・ショー《テキサスの戦役》メトロポリタン美術館蔵

大きな丸い皿である。

白黒の写真で写される。

中央の円の中に、馬に乗った人物がいる。

馬は前脚を上げる。

人物は、帽子をかぶり、腕を上げる。

背後に、木立と空がある。

縁には、大きな飾りが四つ配される。

飾りの中に、武具や道具が描かれる。

そのあいだに、動物の姿が入る。

縁の外周に、細かい点が並ぶ。

模様は、密で複雑である。

版を作り直さない

誤りに気づいても、版は作り直さない。

版を彫るには、費用と時間がかかる。

小さな綴りの違いなら、そのまま使う。

買う人も、気にしなかったのだろう。

つまり、実用の商品である。

完璧さより、値段と速さが優先される。

前の回で、量産の事情を何度か見た。

この誤りも、その事情の中にある。

誤りが、複製される

手書きなら、間違いは一枚で済む。

版に彫れば、全部に写る。

つまり、複製は誤りも複製する。

前の回で、複製の話を何度もした。

これは、その負の側面である。

そして、間違ったまま流通する。

いま館の欄に残っているのは、その結果だ。

記録は、誤りごと保存している。

苔の名を、揃いに使う

この揃いの名には、苔という語が入る。

なぜ苔なのか。

縁の模様が、細かい網目だからかもしれない。

網目が、苔のように見える。

つまり、模様の名を揃いの名にしている。

前の回で、模様に名前が付く話をした。

ここでは、その名が題の頭に来ている。

地名でも、主題でもない。

意匠の名が、揃いの名になっている。

揃いの名が、頭に来る

九点のうち三点は、題の頭に揃いの名がある。

苔、という語を含む名前だ。

そのあとに、その一枚の主題が続く。

墓、宿。

つまり、揃いの名と個別の名が並ぶ。

前の回で、版画の題箋を見た。

同じ二段構えが、皿の裏にもある。

商品を分類する仕組みは、分野を越えて似ている。

ある将軍の墓
ウィリアム・リッジウェイ・サン商会《ある将軍の墓》1844年から1848年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径24.4センチ。題の頭に、苔の名を含む揃いの名が入る。番号は14.102.219。メトロポリタン美術館蔵。ウィリアム・リッジウェイ・サン商会《ある将軍の墓》メトロポリタン美術館蔵

丸い皿である。

淡い青で刷られる。

中央に、木立が茂る。

葉は細く、垂れ下がる。

その根もとに、白い墓標が立つ。

手前に、人が二人いる。

一人は、腰を下ろす。

縁には、細かい網目が広がる。

網目の上に、木の模様が薄く重なる。

青は淡く、水色に近い。

内側の円は、白く抜ける。

網目という、地の模様

網目の模様は、細かい点や線でできている。

版を彫るのに、手間がかかる。

その代わり、刷り上がりが柔らかい。

そして、その上に別の模様を重ねられる。

二重の版を使うのだろう。

まず網目を刷り、その上に木を刷る。

つまり、色は一色でも、版は複数ある。

館の技法の欄は、そこまで書かない。

転写、の一語で済ませる。

淡い青という、新しさ

いま見た一点の青は、淡い。

前の回で見た皿は、濃い紺だった。

年の欄を比べると、こちらのほうが新しい。

つまり、時代とともに青が薄くなった。

技術が進み、薄い色も安定して出せるようになった。

あるいは、好みが変わった。

館の記録は、色については書かない。

見比べて、気づくことである。

ある将軍の墓
ウィリアム・リッジウェイ・サン商会《ある将軍の墓》1844年から1846年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径26.7センチ。題の頭に、苔の名を含む揃いの名が入る。番号は14.102.316。メトロポリタン美術館蔵。ウィリアム・リッジウェイ・サン商会《ある将軍の墓》メトロポリタン美術館蔵

大きな丸い皿である。

白黒の写真で写される。

中央の円の中に、景色が入る。

細い塔が、木立の中に立つ。

その手前に、人が二人いる。

一人は立ち、一人はかがむ。

左に、大きな木が枝を広げる。

縁には、細かい網目が広がる。

網目の上に、木の模様が重なる。

模様は、地に沈んで見える。

全体に、色が淡い。

二つの墓を、並べる

この揃いには、墓を主題にした皿が複数ある。

いずれも、名高い人物の墓である。

つまり、巡礼のような揃いだ。

各地の記念の場所を、順に見せる。

買う人は、集めて並べる。

前の回で、名所を並べる揃いの話をした。

墓もまた、名所の一種として扱われている。

館の題は、その名を写すだけである。

同じ揃いの、二枚

いま見た二点は、同じ揃いの一枚ずつである。

縁の模様が、同じ形をしている。

網目の上に、木の模様を重ねる。

そして、題の頭に同じ揃いの名が入る。

違うのは、中央の景色と、大きさだけだ。

直径は、24.4センチと26.7センチ。

つまり、同じ揃いの中の別の大きさである。

前の回で、揃いの中の大きさの幅を見た。

同じことが、ここでも確かめられる。

現在まで、と書かれる会社

この一点の作者の欄には、現在まで、とある。

前の回でも、同じ書き方を見た。

十九世紀に始まり、いまも続いている。

つまり、二百年を超える。

その長い期間の中で、この皿の年は幅を持つ。

1834年から1864年ごろ。

三十年である。

模様や商標の形から、そこまで絞られる。

会社の期間と、品物の年は別に決まる。

国の名を、題に入れる

九点のうち一点は、題の末尾に国の略号が入る。

つまり、合衆国の景色である、と示している。

作ったのは英国の窯だから、輸出先を示す。

前の回で、英国製、アメリカ向け、という欄を見た。

その情報が、題の中にも入っている。

裏の枠に、売る先の国名が刷られる。

商品の性格が、文字にはっきり出ている。

キャッツキル山上の宿
ウィリアム・アダムズ・アンド・サンズ《キャッツキル山上の宿》1834年から1864年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径26.4センチ。題の末尾に、合衆国を示す略号が入る。番号は14.102.279。メトロポリタン美術館蔵。ウィリアム・アダムズ・アンド・サンズ《キャッツキル山上の宿》メトロポリタン美術館蔵

大きな丸い皿である。

白黒の写真で写される。

縁は、波形に成形される。

中央の円の中に、白い建物が立つ。

正面に、柱が並ぶ。

その手前に、木立が茂る。

木の下に、人が数人いる。

背後に、山と空が広がる。

縁には、大きな花と葉が回る。

花のあいだに、丸い飾りが入る。

模様は、濃く密である。

湖と町の名を、並べる

九点のうち二点は、地名だけの題である。

町の名と、湖の名。

あるいは、邸の名と川の名。

つまり、前の回で見た型と同じだ。

同じ会社が、両方の型を使い分けている。

揃いによって、題の形式が変わる。

館は、それをそのまま写す。

揃えたりはしない。

レイク・ジョージのコールドウェル
ウィリアム・リッジウェイ商会《レイク・ジョージのコールドウェル》1840年から1854年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径19.7センチ。番号は14.102.252。メトロポリタン美術館蔵。ウィリアム・リッジウェイ商会《レイク・ジョージのコールドウェル》メトロポリタン美術館蔵

丸い皿である。

白黒の写真で写される。

中央の円の中に、水辺の景色が入る。

小さな舟が、浮かぶ。

対岸に、木立と山が続く。

手前に、人影がある。

縁には、模様が薄く回る。

模様は、擦れて消えかけている。

縁の一部が、大きく欠ける。

皿の面に、細かい傷が散る。

全体に、色が抜けている。

傷んだ皿も、記録される

いま見た一点は、傷みが激しい。

縁が欠け、模様が擦れている。

それでも、館は所蔵し、記録している。

美しい状態でなくても、情報はある。

どの揃いか。

どの景色か。

どの会社の品か。

それが分かれば、資料になる。

前の回で、傷みが来歴を語る話をした。

邸と、川の名

九点のうち一点は、題が四行に分かれる。

邸からの眺め、という語。

邸の名と、町の名。

川の名。

そして、会社の頭文字。

つまり、情報が四つ重なる。

前の回で、長い題の話をした。

こちらも、同じくらい長い。

ハドソン川、ニューバーグのラグルズ邸からの眺め
ウィリアム・リッジウェイ商会《ハドソン川、ニューバーグのラグルズ邸からの眺め》1840年から1854年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径26センチ。題には、製造者の頭文字も含まれる。番号は14.102.265。メトロポリタン美術館蔵。ウィリアム・リッジウェイ商会《ハドソン川、ニューバーグのラグルズ邸からの眺め》メトロポリタン美術館蔵

大きな丸い皿である。

白黒の写真で写される。

中央に、濃い木立が茂る。

その手前に、水辺が広がる。

小さな人影が、二つ見える。

木の左に、低い建物が見える。

奥は、明るい空である。

縁には、模様がほとんどない。

白い面が、広く残る。

中央の景色だけが、濃い。

皿の面に、細かい傷が散る。

縁を、白く残す

いま見た一点の縁は、白い。

模様が刷られていない。

これは、後の時期の意匠である。

前の回で、白い部分が増える話をした。

その傾向が、ここで極端に出ている。

中央の景色だけを刷り、あとは白のまま。

作る手間は、減る。

そして、清潔に見える。

十九世紀のなかば以降、こういう皿が増えた。

焼けた建物を、記念する

最後の一点は、題に廃墟という語が入る。

つまり、失われた建物の姿である。

火災で焼けたのだろう。

その姿を、皿に刷って売る。

いまなら、写真や絵葉書になるところだ。

当時は、皿がその役目を果たした。

出来事を記念する道具として、器が使われる。

前の回で、記念のための絵を見た。

考え方は、近い。

商業取引所の廃墟
トマス・ディモック商会《商業取引所の廃墟》1835年から1859年ごろ。館の記録では、転写で装飾した陶器。直径22.9センチ。番号は14.102.180。メトロポリタン美術館蔵。トマス・ディモック商会《商業取引所の廃墟》メトロポリタン美術館蔵

丸い皿である。

白黒の写真で写される。

中央の円の中に、大きな建物が立つ。

正面に、柱が並ぶ。

その手前に、人と馬車が行き交う。

建物の右に、別の建物が続く。

縁には、四つの飾りが等間隔に並ぶ。

飾りの中に、細かい模様がある。

飾りのあいだに、白い地が広がる。

内側の縁に、細い線が回る。

模様は、疎らである。

出来事を、器に載せる

九点の題を並べると、幅が広い。

教えの言葉。

日付と数。

戦役の名。

墓。

宿。

湖。

邸。

そして、廃墟。

つまり、景色だけではない。

事件も、教訓も、記念も、皿に載る。

器が、印刷物の代わりをする

なぜ、器に載せるのか。

当時、印刷物は限られていた。

新聞はあったが、絵入りは少ない。

写真は、まだ普及していない。

一方、器は誰の家にもある。

そこに図と文字を刷れば、広く行き渡る。

つまり、器が情報を運ぶ道具になっていた。

前の回で、看板や幟の文字の話をした。

器も、その仲間である。

裏の枠が、見出しになる

裏の枠の中の文字は、見出しに似ている。

短く、要点だけを書く。

これは何の絵か。

いつのことか。

誰が作ったか。

新聞の見出しと、役目が近い。

そして、その見出しが、いま館の題になっている。

前の回で、書かれた文字が題を決める話をした。

九点は、その最も徹底した例である。

読みにくい題を、そのまま残す

館の題は、いずれも読みにくい。

斜線が入り、大文字と小文字が混じる。

綴りの誤りも、そのままである。

整理すれば、読みやすくなる。

しかし、館はそうしない。

刷られた文字を、刷られたとおりに写す。

その姿勢が、九点の題に共通している。

読みにくさは、正確さの形である。

前の回でも、同じ結論に行き着いた。

九点の年を、並べておく

九点の年の欄を、順に並べる。

1820年から1860年ごろ。1834年から1864年ごろ。

1835年から1859年ごろ。1839年から1840年ごろ。

1840年から1854年ごろが二点。

1844年から1846年ごろ。1844年から1848年ごろ。

そして、1851年ごろ。

いずれも幅を持つが、一点だけ狭い。

日付が刷られている一点である。

日付があれば、幅が縮む。

前の回で、日付ありという語の話をした。

こちらでは、題そのものに日付が入っている。

器の題が、長くなる理由

九点の題は、いずれも長い。

理由は、裏の枠に情報を詰め込むからだ。

枠は小さいが、行を増やせば入る。

そして、行を増やしても費用は変わらない。

版を彫る手間が、少し増えるだけである。

だから、書けるだけ書く。

前の回で、石に彫るのは高くつく話をした。

刷るのは、安い。

安いから、言葉が増える。

文字と絵が、裏表に分かれる

九点の作りを、あらためて整理する。

表には、絵がある。

裏には、文字がある。

この分け方は、徹底している。

表に文字が入る皿も、まれにある。

しかし、九点はいずれもそうではない。

つまり、絵と文字が完全に分かれている。

前の回まで、絵の中の文字を見てきた。

こちらは、絵の外の文字である。

同じ物の、別の面に置かれている。

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