名画の楽しみ方

作者の欄に、売った人の名がある——家具金物四十一件のうち九件

作った人ではなく、売った人。九件の作者の欄には、同じ小売店の名が入る。品名も材料も同じで、違うのは番号と寸法だけである。一枚の写真を三つの記録が共有する例もある。名が残る条件を読みたい。群の全体は、四十一件である。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

作者の欄に、売った人の名がある

家具の金物を九件、記録の欄で並べてみる。

作者の欄には、いずれも同じ人の名がある。

そして役割の欄には、こうある。

小売。

作った人ではない。

売った人である。

九件とも、この形で書かれている。

作った職人の名は、どこにもない。

館が知っているのは、その品を扱った店の名だけだ。

なぜ、売った人しか分からないのか

家具の金物には、店の刻印が押されることがある。

輸入して売る店が、自分の印を押す。

その印から、店の名が読める。

一方、作った工房の印は、押されないことが多い。

金物は、部品である。

家具に取り付けられれば、表からは金物しか見えない。

しかし、それを作った人の名は求められない。

求められないものは、記録されない。

前の回の記事で、銃の記録に売った人の名が入る例を見た。

あちらは、作った人の名も並んでいた。

こちらは、売った人しかいない。

同じ役割の語でも、置かれる位置が違う。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。全体は高さ2.5センチ、直径20.3センチ。内側の直径は17.1センチ。番号は記号に続けて68.8.2。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

金色の輪が一つ、白い地の上に置かれる。

断面が丸く、太さがある。

外周に、細かい刻みが一周する。

刻みは斜めに走り、光を細かく散らす。

内側の縁は、なめらかである。

中央は大きく空いている。

直径は二十センチある。

九件でいちばん大きい一件だ。

家具のどこに使うものかは、記録に書かれない。

円卓の縁か、脚の付け根の飾りだろう。

用途を書く欄は、この記録にない。

国の欄に、二つの国が並ぶ

九件の国の欄には、二つの国名が入る。

イングランドとフランス。

縦線で区切られて並んでいる。

つまり、どちらで作られたか特定できていない。

あるいは、両方から輸入していたのだろう。

店は北米にあった。

品はヨーロッパから来た。

そして、館の部門は北米である。

作られた場所と、売られた場所と、分類の場所が違う。

前の回の記事で、部門の分け方に複数の原理が混ざる話を書いた。

ここでは、その土地で使われたことが分類の根拠になっている。

生没年が、店の営業年である

作者の欄の名には、括弧で年が添えられる。

1816年から1851年。

生没年のように見えるが、そうではないだろう。

店を営んでいた期間である。

三十五年のあいだ、この店は続いた。

そして、九件の年の欄は1820年から1830年とある。

営業期間の、前半にあたる。

なぜ、この十年に絞れるのか。

金物の様式から判断したのだろう。

あるいは、店の広告や帳簿が残っている。

館は、根拠を書かない。

書かれるのは、結論としての十年だけである。

前の回の記事で、年の欄の根拠について何度も書いてきた。

書かれない根拠を、推測で埋めない。

品名が、九件とも同じ

九件の品名は、一字も違わない。

家具の金物、という二語だけである。

引き出しの取っ手も、鍵穴の飾りも、円い輪も。

すべてが同じ品名になる。

つまり、品名では区別できない。

区別できるのは、番号と寸法だけだ。

絵画であれば、題が付く。

同じ画家の作でも、題で見分けられる。

道具では、それができない。

前の回の記事で、器や家具の品名について同じことを書いた。

用途の名が、そのまま品名になる。

そして、同じ用途の品は同じ名で呼ばれる。

四十一件が、同じ名で並んでいる。

九件で、違うのは番号と寸法だけ

九件の記録を並べて比べてみる。

作者の欄、同じ。

役割の欄、同じ。

年の欄、1820年から1830年。九件とも同じ。

技法の欄、金めっきの真鍮。九件とも同じ。

品名の欄、家具金物。九件とも同じ。

出所の行、ある人の寄贈、1968年。九件とも同じ。

違うのは、番号と寸法だけである。

これほど揃った九件は、めずらしい。

一つの群が、まとめて受け入れられたからだ。

前の回の記事で、群でまとめて入る作品を何度も見た。

ここでは、群の中の九件を並べている。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。幅22.2センチ。番号は記号に続けて68.8.17。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

淡い水色の地に、金物が十数点並ぶ。

左に、細長い棒が一本立つ。

棒の上端に、小さな穴が開く。

その右に、弧を描く帯が二本ある。

帯の両端に、取り付けの穴がある。

中央には、取っ手が三つ並ぶ。

いずれも、四角く曲げた帯の形だ。

下の二つは、大きさが違う。

右には、細い蝶番が二つ。

いちばん右に、鉤の付いたねじが立つ。

九件のうち、この写真がいちばん点数が多い。

一枚の写真が、三つの記録で使われる

いま見た写真は、この一件だけのものではない。

九件のうち三件が、同じ写真を持っている。

まったく同じ、十数点が並んだ写真である。

なぜか。

もとは、群をまとめて撮った一枚だからだ。

その一枚を、群に属する各件の代表画像にしている。

つまり、写真は個々の品を写していない。

群の全体を写している。

寸法の欄を読めば、その件がどれを指すか推定できる。

幅22.2センチなら、弧を描く帯だろう。

高さ8.3センチなら、取っ手のどれかだ。

しかし、記録は対応を書かない。

読む側が、数字から当てるしかない。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。高さ8.3センチ。番号は記号に続けて68.8.27。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

前の一件と、まったく同じ写真である。

同じ水色の地に、同じ十数点が並ぶ。

左の棒、二本の弧、三つの取っ手。

蝶番と、鉤の付いたねじ。

配置も、影の落ち方も変わらない。

違うのは、記録の寸法だけである。

こちらは、高さ8.3センチとある。

写真の中のどれが8.3センチなのか。

取っ手の一つか、蝶番か。

見比べても、確定はできない。

記録と画像の対応が、切れている。

対応が切れると、何が起きるか

写真と記録の対応が切れると、確かめようがなくなる。

寸法の欄の数字が正しいかどうか、判断できない。

形も、色も、状態も分からない。

分かるのは、群の中の一点だということだけだ。

これは、記録として弱い。

しかし、館を責めるべきではないだろう。

四十一点の小さな金物を、一点ずつ撮るのは大変である。

まとめて撮り、まとめて公開する。

その判断は、現実的である。

前の回の記事で、画帖の写真について同じことを書いた。

数の多いものは、代表の一枚で済ませるしかない。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。縦3.7センチ、横2.9センチ。番号は記号に続けて68.8.23。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

こちらも、同じ写真である。

三件目になる。

寸法は、縦3.7センチ、横2.9センチ。

写真の中では、いちばん小さい部類だろう。

蝶番の一つかもしれない。

しかし、断定はできない。

番号の末尾には、小文字が付く。

つまり、この番号には枝がある。

同じ番号の別の枝が、どこかにある。

対になった金具だろう。

その片方だけが、この件である。

番号が、数字で始まらない

九件の番号は、記号で始まる。

年を表す四桁の数字ではない。

館の番号は、ふつう受け入れた年で始まる。

この九件は、その形を取っていない。

かわりに、二文字ほどの記号が頭に付く。

そのあとに、点を挟んで数字が続く。

68.8。

68は1968年を指すのだろう。

出所の行にも、1968年とある。

つまり、年の情報は入っている。

しかし、頭に記号が付くぶん、形が違う。

前の回の記事で、版画に別系統の番号がある例を見た。

同じ館の中に、複数の体系がある。

記号は、何を示しているか

この記号が何を意味するのか、記録には書かれない。

考えられるのは、館の設備に関わる品という区別である。

家具金物は、作品として展示されるものではない。

館が持つ歴史的な室内を復元するときに使われる。

つまり、資料としての性格が強い。

そういう品を、別系統の番号で管理しているのかもしれない。

ただし、これは推測である。

館は説明していない。

推測にとどめておく。

確かなのは、九件が別の記号を持つという事実だけだ。

寸法の欄の形が、揃わない

九件の寸法の欄を並べてみる。

直径だけを書くものが二件。

縦と横を書くものが二件。

高さだけを書くものが一件。

幅だけを書くものが一件。

全体と内側の直径を書くものが一件。

そして、二つの枝それぞれの寸法を書くものが一件。

形が揃っていない。

品の形が違うから、測る場所も変わる。

円い金具は直径、細長い金具は幅。

書き方の差が、形の差を示している。

写真で対応が取れなくても、寸法の欄からは形が推測できる。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。一方は高さ5.7センチ、直径6.4センチ。他方は直径9.2センチ。番号は記号に続けて68.8.4。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

白い地に、円筒形の金具が並ぶ。

上の列に、五つほど。

いずれも短い筒で、上下が開く。

外側に、細かい縦の筋が入る。

下の列にも、いくつか置かれる。

中央には、大きな二重の輪がある。

輪の中心に、太い筒が立つ。

筒は四角い台に載る。

その左右に、小さな四角い座金がある。

金の色に、濃淡の差がある。

磨かれた部分と、くすんだ部分が混ざる。

写真の原板が、そのまま公開される

九件のうち一件の画像は、変わっている。

黒い枠の中に、灰色の板が写る。

その板に、金具が七つ並ぶ。

そして、周囲に文字が書かれている。

その文字が、左右反転している。

つまり、これは写真の原板を撮ったものだ。

原板は、明暗と左右が反転する。

反転したまま、公開されている。

書かれている文字は、番号だろう。

館が原板に書き込んだものである。

前の回の記事で、写真の写真が公開される例を見た。

こちらは、さらに一段階前の材料である。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。縦7センチ、横6.8センチ。番号は記号に続けて68.8.55。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

黒い枠が、画面の四辺を囲む。

その内側に、灰色の板がある。

板の中央に、金具が七つ並ぶ。

いずれも、鍵穴の付いた飾り金具である。

縁が、葉や渦の形に広がる。

中央に、縦長の穴が開く。

穴の上部が丸く、下がすぼまる。

七つとも、形が少しずつ違う。

上下の枠に、文字と数字が書かれる。

いずれも左右が反転している。

読もうとすると、鏡が要る。

群の全体は、四十一件

九件は、同じ番号の頭を持つ群の一部である。

その群には、四十一件が含まれる。

すべて同じ品名、同じ作者、同じ年、同じ材料。

そして、すべて同じ寄贈である。

四十一件が、一度に館へ入った。

一人の持ち主が、まとめて渡したのだろう。

家具の修理や復元のために集めていたのかもしれない。

出所の行は、その事情を書かない。

書かれるのは、寄贈者の名と年だけである。

前の回の記事で、短い一行の背後にある収集について書いた。

ここでも、四十一件を集めた誰かがいた。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。直径6.4センチ。番号は記号に続けて68.8.41。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

水色の地に、円い飾り金具が十数点並ぶ。

いずれも、家具の引き出しの表に付けるものだろう。

左上のものは、菊の花のように花弁が並ぶ。

その隣は、中央がくぼんだ円盤である。

中央の大きな一点は、二重の輪を持つ。

外側に細かい歯が並び、内側に渦がある。

右上のものは、四つの葉が集まった形だ。

右下のものは、大きく開いた花の形である。

金の色は、点によって違う。

濃い金と、明るい金が混ざる。

めっきの残り方の差だろう。

同じ写真が、二度使われる

いま見た写真も、九件のうち二件で共通する。

まったく同じ十数点が、同じ配置で写る。

一方の寸法は直径6.4センチ。

他方は直径2.9センチである。

つまり、同じ写真の中の別々の一点を指している。

写真の中に、直径6.4センチのものと2.9センチのものがある。

どれがどれかは、書かれていない。

九件のうち、五件が写真を共有していることになる。

つまり、独自の写真を持つのは四件だけだ。

記録の数と、画像の数が釣り合わない。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。直径2.9センチ。番号は記号に続けて68.8.53。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

前の一件と、同じ写真である。

同じ水色の地に、同じ円い金具が並ぶ。

菊の形、渦の形、花の形。

配置も、光の当たり方も変わらない。

こちらの寸法は、直径2.9センチ。

写真の中でいちばん小さいものだろう。

九件のうちで、最小の一件でもある。

いちばん大きい一件が20.3センチだから、七倍の差がある。

同じ品名の中に、これだけの幅がある。

人物の浮彫がある一件

九件のうち一件だけ、写真が違う。

青い地に、浮彫の金具が六点並ぶ。

家具金物としては、装飾が濃い。

引き出しの取っ手ではなく、面に貼る飾りだろう。

寸法は、縦6センチ、横2.2センチ。

小さい。

写真に写るもののうち、細長い一点だと思われる。

館の記録は、図の内容を書かない。

品名の欄には、家具金物とだけある。

何が彫られているかは、写真を見るしかない。

家具金物
ヘンリー・ケラム・ハンコック(小売)《家具金物》1820年から1830年。館の記録では、金めっきの真鍮。縦6センチ、横2.2センチ。番号は記号に続けて68.8.82。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・ケラム・ハンコック《家具金物》メトロポリタン美術館蔵

青い地に、金具が六点並ぶ。

上の左右に、細長い帯が一本ずつ。

帯には、丸い粒が縦に連なる。

その内側に、人物の浮彫が二つある。

いずれも、二人が向かい合う図だ。

一方は、翼のある小さな人物を抱く。

中央には、横長の飾りがある。

鳥が二羽、首を向かい合わせる。

そのあいだに、器のような形がある。

下には、横たわる人物が二つ並ぶ。

いずれも上体を起こし、片手を上げる。

足もとに、細い草が生える。

記録の数と、物の数

九件を並べ終えて、数え方に戻ってみたい。

四十一の番号が、四十一の品を指している。

しかし、写真は数枚しかない。

そして、その写真には十数点ずつが写る。

つまり、写真の中の点数と、番号の数は近いかもしれない。

館は、一点ずつ番号を振った。

小さな金物でも、一点は一点である。

前の回の記事で、画帖や甲冑の数え方を見てきた。

分けられるものは、分けて数える。

その原則が、ここでも守られている。

守られているが、画像がそれに追いついていない。

数える手間と、撮る手間は別である。

材料の欄が、二語で終わる

九件の技法の欄は、いずれも二語である。

金めっきの、真鍮。

これだけだ。

真鍮は、銅と亜鉛の合金である。

前の回の記事で、合金の名が括弧に入る例を見た。

刀の金具では、赤銅や四分一と呼び名が付いていた。

真鍮には、その形の括弧がない。

呼び名だけで通じると判断されている。

そして、めっきについても説明がない。

火で焼き付けたのか、後の時代の方法か。

分析すれば分かるが、していないのだろう。

四十一点すべてを分析する意味は、たしかに薄い。

記録の細かさは、その品に払われる関心の量に比例する。

群の中から、九件を選ぶということ

四十一件のうち、九件をここで並べた。

選んだのは、寸法と写真の違いが見えるものである。

つまり、恣意的な選択だ。

残る三十二件も、同じ形の記録を持つ。

並べる件数を変えれば、見えるものも変わる。

四十一件すべてを並べれば、写真の共有はもっと目立つだろう。

九件では、五件が共有していた。

四十一件なら、その比はどうなるか。

数えていないので、書かない。

書かないことと、調べていないことは違う。

調べていないなら、そう書く。

部門の中での、位置づけ

九件は、北米の部門に属する。

同じ部門には、絵画も彫刻も家具もある。

その中で、金物は目立たない。

展示されることも、まずないだろう。

しかし、番号を持ち、寸法を測られ、写真を撮られている。

作品としてではなく、資料として。

館の収蔵品には、こういう層がある。

見られることを前提としない、記録のための収蔵。

その層があるから、家具の復元ができる。

前の回の記事で、部品が単独で一件になる例を見てきた。

甲冑の補強板、刀の鐔。

いずれも、もとは大きなものの一部だった。

金物も、同じ位置にある。

名が残る条件、ふたたび

九件の作者の欄には、一人の名しかない。

その人は、作っていない。

売っただけである。

それでも、作者の欄に入る。

なぜなら、名が残っているのがその人だけだからだ。

前の回の記事で、名が残る条件を何度も見てきた。

銘を切る資格を持つ人。

刻印を押す立場にある人。

家具の金物では、それが店だった。

作った職人は、名を押す立場になかった。

四十一点の金物を作った人が、何人いたか。

数えようがない。

数えようがないことを、記録は書かない。

最後に、九件をもう一度まとめておく。

作者の欄は九件とも同じ、年も材料も出所も同じ。

違うのは番号と寸法だけだった。

それでも、九件は九件として数えられている。

数えることと、区別することは別である。

番号があれば数えられる。

しかし、区別するには写真か寸法が要る。

九件のうち五件は、写真で区別できなかった。

寸法の数字だけが、その品を他から分けている。

数字が、名のかわりをしている。

名を持たない物にとって、番号と寸法が唯一の身元である。

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