籠の上に、動物が載る——マッキー兄弟社
蓋が動物、身が籠。九点とも同じ形式で、動物だけが違う。蓋と身を組み合わせて増やす設計である。館の題はどれも同じで、区別する語がない。不透明な白い硝子の九点から、量産の考え方を読む。白くするための工夫にも、材料の話がついてくる。

籠の上の、動物
一点の硝子から始めたい。

下は、楕円の器である。
そして、縦の筋が並ぶ。
つまり、編んだ籠の形である。
その上に、蓋が乗る。
蓋には、動物が伏せる。
大きな目と、尖った耳。
つまり、梟だろう。
九点とも、同じ形式
この記事で扱う九点は、すべて同じ形式である。
下が籠、上が動物。
そして、寸法もほぼ同じ。
器の形
下の器を見たい。
楕円で、浅い。
そして、縁が波打つ。
つまり、籠を模している。
動物が、違う
九点の違いは、動物である。
そして、器の部分は共通する。
つまり、蓋だけが変わる。
型の考え方
器の型は、一つでよい。
そして、蓋の型を九種類作る。
つまり、費用を抑えられる。
蓋と、身
蓋と身は、別々に作る。
そして、後で組み合わせる。
つまり、二つの型が要る。
組み合わせという設計
同じ器に、違う蓋を載せる。
つまり、組み合わせで種類を増やす。
そして、買う側は好みで選ぶ。
集める楽しみ
種類が多ければ、集めたくなる。
そして、揃えたくなる。
つまり、商いの工夫でもある。
題が、同じ
九点の題を見たい。
いずれも、同じ語である。
つまり、動物の名が入らない。
不透明な白い硝子
技法欄を見たい。
不透明な白いガラス、とある。
つまり、透けない硝子である。
どうやって、白くするか
硝子に、特定の成分を加える。
すると、光が散って白く見える。
つまり、透明でなくなる。
白という色
白い硝子は、清潔に見える。
そして、食卓に合う。
つまり、用途に合った色である。
磁器に、似せる
白く不透明な硝子は、磁器に似る。
そして、磁器より安い。
つまり、安く似せる技術である。
似せるという工夫
前の記事では、大理石に似せた硝子を見た。
つまり、似せる工夫が繰り返される。
そして、材料ごとに方法が違う。
縦の筋
器の側面を見たい。
縦の筋が、密に並ぶ。
そして、下へ行くほど細くなる。
つまり、籠の編み目である。
梟という主題
蓋の動物を見たい。
大きな丸い目がある。
そして、耳が尖る。
つまり、梟である。
目の描写
目を見たい。
丸く、大きい。
そして、周囲に羽の筋がある。
つまり、型に彫られている。
色のない画像
九点とも、色のない画像である。
つまり、古い記録写真とみられる。
白い品と、白黒写真
もっとも、この品は白一色である。
つまり、色が失われても影響は小さい。
背景の灰色
画像の背景を見たい。
灰色で、平らである。
そして、九点とも同じ。
つまり、まとめて撮影された。
影で、形を見る
白い品を白黒で撮ると、明暗だけが残る。
そして、影が形を作る。
つまり、彫りの深さが分かる。
一九四六年の寄贈
来歴を見たい。
九点すべてが、同じ人物の寄贈である。
そして、年は一九四六年。
高さ
寸法を見たい。
高さ11.1センチである。
つまり、九点の中で最も高い。
同じ収集家
前の二つの記事でも、同じ人物の名が出た。
つまり、硝子を広く集めた収集家である。
そして、その収集が公共の収蔵になった。

兎の蓋
二点目の動物を見たい。
体が長く、伏せている。
そして、耳が後ろへ倒れる。
つまり、兎である。
耳の位置
耳を見たい。
角の下に、横へ張る。
そして、先が丸い。
つまり、牛の特徴である。
体の形
体を見たい。
長く、平たい。
そして、後ろ脚が折り畳まれる。
つまり、伏せている。
低い蓋
高さを見たい。
8.3センチである。
つまり、九点の中で最も低い。
動物の姿勢が、高さを決める
兎は、伏せると低い。
そして、梟は、座ると高い。
つまり、動物によって高さが変わる。
三つの寸法
寸法の記録を見たい。
高さ、幅、奥行きの三つがある。
つまり、立体として測られている。
器は、同じ
一方、器の幅は10.8センチである。
つまり、一点目と同じ。
幅が、揃う
九点の幅を見たい。
いずれも、10.8センチ前後である。
つまり、器の型が同じである。
奥行きの揃い
奥行きを見たい。
13.7から14センチである。
つまり、ほぼ同じ。
高さだけが、変わる
高さは、8.3センチから11.1センチ。
つまり、三センチほどの差がある。
そして、それが動物の差である。
耳の描写
兎の耳を見たい。
背中に沿って、後ろへ倒れる。
そして、内側の筋まで刻まれる。
つまり、細かい型である。

豚の蓋
三点目の動物を見たい。
体が太く、伏せている。
そして、鼻が前に突き出る。
耳が、前へ倒れる。
つまり、豚だろう。
耳の向き
耳を見たい。
前へ倒れる。
そして、先が丸い。
つまり、豚の特徴である。
鼻の形
鼻を見たい。
平らで、丸い。
そして、先が前を向く。
つまり、豚の特徴である。
姿勢の型
九点の姿勢を見たい。
いずれも、伏せるか、座る。
つまり、立っているものはない。
動物を、見分ける
九点の動物は、いずれも伏せている。
そして、姿勢が似る。
つまり、頭の形で見分けることになる。
頭が、決め手
耳、鼻、そして目。
つまり、頭部の造形が種類を示す。
体は、簡略
体を見たい。
丸く、細部が少ない。
そして、脚も見えにくい。
つまり、簡略である。
高さ
寸法を見たい。
高さ9.5センチである。
つまり、九点の中では低いほうである。
力の配分
頭は細かく、体は簡略である。
つまり、力の入れどころが選ばれている。
寸法が、記録されていない
四点目には、変わった記録がある。

寸法の欄を見たい。
寸法は得られない、とある。
つまり、記録されていない。
なぜ、記録がないか
理由は、いくつか考えられる。
測る機会がなかった。
あるいは、記録が失われた。
館は、示していない。
記録の欄
記録には、必ず欄がある。
そして、埋まらない欄もある。
つまり、そのときは理由を書く。
空欄に、しない
もっとも、館は空欄にしない。
そして、得られないと明記する。
つまり、状態を示している。
分からないことを、書く
分からないなら、分からないと書く。
当サイトでは、繰り返しこの点に触れてきた。
そして、館の記録も同じ方針である。
記録の欠けを、伝える
寸法が分からなくても、他は分かる。
技法、年代、そして来歴である。
つまり、多くは記録されている。
欠けも、情報
欠けていること自体が、情報である。
つまり、館の作業の履歴が見える。
推測は、しない
他の八点から推測することもできる。
しかし、それは推測である。
だから、当サイトは書かない。
三点の共通
一点目から三点目までを見たい。
いずれも、寸法が記録されている。
そして、四点目だけがない。
馬の蓋
四点目の動物を見たい。
首が長く、立ち上がる。
そして、鬣が背中へ流れる。
耳が、上へ立つ。
つまり、馬である。
鬣の描写
鬣を見たい。
背中へ向かって流れる。
そして、線が刻まれる。
つまり、毛の質感である。
首の高さ
馬は、首が長い。
そして、その分だけ高くなる。
つまり、九点の中では高いほうだろう。
寸法がなくても
寸法が分からなくても、形は見える。
そして、器の幅は他と同じに見える。
つまり、比較はできる。

頭の向き
頭を見たい。
横を向く。
そして、耳が尖る。
つまり、猫の特徴である。
猫の蓋
五点目の動物を見たい。
体を丸め、尾を立てる。
そして、耳が尖る。
つまり、猫だろう。
尾の形
尾を見たい。
後ろで、上へ跳ね上がる。
そして、先が丸い。
つまり、動きのある形である。
突起の多い意匠
耳、尾、そして角。
いずれも、細く突き出る。
つまり、型押しには難しい部分である。
尾という難しさ
尾は、細く、突き出る。
そして、型から外すのが難しい。
つまり、技術が要る。
抜き勾配
型から外すには、角度が要る。
つまり、下へ広がる形が望ましい。
そして、突起はそれに反する。
型から、外す
型押しでは、固まった品を型から外す。
そして、突起が多いほど外しにくい。
つまり、形に制約がある。
制約の中の意匠
それでも、尾を立てている。
つまり、制約を超える工夫がある。
体の丸み
体を見たい。
丸く、なめらかである。
そして、脚が見えない。
つまり、簡略である。
前脚の位置
前脚を見たい。
体の下に折り畳まれる。
そして、爪は見えない。
つまり、簡略である。
低い高さ
高さを見たい。
8.9センチである。
つまり、九点の中では低いほうである。

羊の蓋
六点目の動物を見たい。
頭を上げ、耳が横へ張る。
そして、体に細かい毛が刻まれる。
つまり、羊だろう。
耳の形
耳を見たい。
横へ張り出す。
そして、先が丸い。
つまり、羊の特徴である。
毛の描写
体を見たい。
細かい波形が、一面に刻まれる。
そして、頭は滑らかである。
つまり、質感が描き分けられている。
型師という仕事
型を彫るのは、金属加工の職人である。
そして、絵師ではない。
つまり、別の技能が要る。
型で、質感を作る
毛の質感を、型に彫る。
そして、それが硝子に写る。
つまり、型師の腕が要る。
頭を、上げる
六点目は、頭を上げている。
そして、他の多くは伏せている。
つまり、姿勢が違う。
頭の位置
頭を見たい。
体の前で、高く上がる。
そして、正面を向く。
つまり、目が合う。
姿勢と、高さ
頭を上げれば、高くなる。
そして、高さは10.8センチである。
つまり、九点の中では高いほうである。
測り方の差
寸法は、どこを測るかで変わる。
そして、担当者によって差が出る。
つまり、数ミリの差は測り方かもしれない。
幅が、わずかに違う
幅を見たい。
11.1センチである。
そして、他は10.8センチが多い。
つまり、わずかに広い。
個体差か、型の差か
三ミリの差は、個体差だろう。
あるいは、測り方の差かもしれない。
館の記録は、示していない。
犬の蓋
七点目の動物を見たい。

頭を上げ、耳が尖る。
そして、体の後ろに大きな尾。
尾は、扇のように広がる。
つまり、犬だろう。
毛の刻み
尾の毛を見たい。
細い線が、放射状に並ぶ。
そして、密である。
つまり、細かい型である。
尾の広がり
尾を見たい。
背中の上で、大きく広がる。
そして、毛が刻まれる。
つまり、目を引く部分である。
体の形
体を見たい。
伏せて、前脚を伸ばす。
そして、頭を上げる。
つまり、休んでいる姿勢である。
尾が、形を作る
尾が大きければ、輪郭が変わる。
そして、他の動物と区別できる。
つまり、種類を示す部分でもある。
頭の向き
頭を見たい。
前を向き、やや上を向く。
そして、口元が閉じる。
つまり、静かな姿勢である。
幅が、狭い
幅を見たい。
10.5センチである。
そして、他は10.8センチが多い。
つまり、わずかに狭い。
器の型は、一つか
九点の器は、同じ型に見える。
もっとも、館の記録は示していない。
だから、当サイトは断定しない。
三ミリの差
九点の幅は、10.5から11.1センチ。
つまり、六ミリの幅に収まる。
そして、いずれも同じ型だろう。

牛の蓋
八点目の動物を見たい。
体が長く、伏せている。
そして、頭に短い角がある。
耳が、横へ張る。
つまり、牛である。
頭の向き
頭を見たい。
横を向く。
そして、目が前を見る。
つまり、静かな姿勢である。
角の描写
角を見たい。
短く、上へ曲がる。
そして、先が尖る。
つまり、細い突起である。
細い突起の難しさ
角も、尾と同じく突起である。
そして、型から外しにくい。
さらに、欠けやすい。
保存の難しさ
突起の多い品は、傷みやすい。
そして、輸送でも欠ける。
つまり、扱いに気を使う。
欠けやすい部分
美術館の記録には、傷みの記載がない。
もっとも、画像からは判断できない。
だから、当サイトは断定しない。
体の形
体を見たい。
長く、平たい。
そして、脚が折り畳まれる。
つまり、伏せている。
高さ
高さを見たい。
9.8センチである。
つまり、九点の中では中ほどである。

もう一つの猫
九点目の動物を見たい。
頭を上げ、耳が尖る。
そして、体を丸める。
つまり、猫だろう。
体の丸み
体を見たい。
丸く、脚が見えない。
そして、なめらかである。
つまり、五点目と近い。
五点目との違い
五点目も、猫らしき動物である。
そして、体を丸めていた。
つまり、姿勢が近い。
二つの猫
同じ動物で、二つの型がある。
つまり、選択肢が増える。
そして、集める楽しみも増える。
何が、違うか
五点目は、頭を横へ向ける。
そして、九点目は、前を向く。
つまり、頭の向きが違う。
高さ
寸法を見たい。
高さ10.8センチである。
つまり、五点目より高い。
同じ動物、別の型
同じ動物でも、型が違う。
つまり、複数の意匠がある。
そして、買う側が選べる。
九点の動物
九点の動物を並べたい。
梟、兎、豚、馬、猫。
羊、犬、牛、そしてもう一つの猫。
つまり、九種類である。
家畜と、野の動物
牛、馬、豚、羊は家畜である。
そして、猫と犬は、家の動物。
さらに、梟と兎は、野の動物である。
主題の選び方
いずれも、親しみのある動物である。
つまり、買う人が分かるものを選ぶ。
器の用途
こうした器は、何を入れたか。
菓子か、砂糖か、あるいは卵か。
館の記録は、示していない。
用途を、書かない
分からないなら、書かない。
そして、形の説明にとどめる。
つまり、記録の範囲で伝える。
九点の共通点
九点をまとめたい。
いずれも、型押しの不透明な白い硝子である。
そして、一八八〇年から九〇年。
さらに、同じ寄贈で館へ入った。
一括の寄贈
九点が同じ年に館へ入る。
つまり、一括して渡された。
そして、それが記録に残る。
収集の性格
一人が、同じ工場の同じ形式を集めた。
つまり、体系的な収集である。
集める楽しみ、再び
種類を揃えたくなる。
つまり、作る側の狙いが働いている。
そして、その狙いが百年後にも効いている。
収集家の役割
収集家が集めなければ、散らばったままだろう。
そして、九点が揃うこともなかった。
まとまって、残る意味
一点だけでは、形式が分からない。
九点あれば、共通点と差が見える。
同じ器に、九種類の蓋。
量産の意匠
型押しの器は、同じものが多数ある。
そして、唯一性が価値ではない。
何を、見るか
型の彫りの細かさ。
動物の見分け方。
そして、組み合わせという設計。
つまり、量産の意匠である。
九点の高さ
高さを並べたい。
8.3から11.1センチである。
つまり、三センチ足らずの幅に収まる。
記録の限界も、見る
四点目には、寸法がない。
そして、それも記録の一部である。
分からないことを分からないと書く。
その姿勢が、九点の記録に表れている。



