美術史・技法

手のひらに乗る、金属の絵——十九世紀アメリカのメダル彫刻師

直径1.9センチから8.9センチまで、九点のメダルである。文字は逆さに彫られ、打ち出したときに正しくなる。贈られた本人が館へ寄贈した一枚もある。三人の作り手の記録から、半世紀の仕事を見る。三人のうち一人だけ、生没年の欄が空いている。

大西洋横断電信ケーブル敷設の功によりサイラス・フィールドへ贈られたメダル
ジョージ・ハンプデン・ラヴェット《大西洋横断電信ケーブル敷設の功によりサイラス・フィールドへ贈られたメダル》メトロポリタン美術館蔵

手のひらに乗る、金属の絵

一点から始めたい。

大西洋横断電信ケーブル敷設の功によりサイラス・フィールドへ贈られたメダル
ジョージ・ハンプデン・ラヴェット《大西洋横断電信ケーブル敷設の功によりサイラス・フィールドへ贈られたメダル》1858年。銅、金箔。直径5.1センチ。メトロポリタン美術館蔵。ジョージ・ハンプデン・ラヴェット《大西洋横断電信ケーブル敷設の功によりサイラス・フィールドへ贈られたメダル》メトロポリタン美術館蔵

円い金属の板である。

そして、金色に光る。

縁に沿って、月桂樹の輪がある。

その内側は、文字で埋まる。

円という形

メダルは、円である。

そして、上下の区別がない。

つまり、置き方は文字が決める。

絵が、ない

この面には、人も風景もない。

つまり、文字だけである。

そして、それが図柄になっている。

型という道具

型は、硬い鋼で作る。

そして、焼き入れて固める。

つまり、何枚も打てる。

逆さに彫る

型に彫る文字は、左右が逆になる。

そして、打ち出したときに正しくなる。

つまり、彫る人は反転した文字を刻む。

文字を、彫る

メダルの文字は、書くのではない。

金属の型に、彫る。

そして、その型で打ち出す。

だから、一字ずつが浮き上がる。

敷設という仕事

海の底に、線を通す。

そして、大陸と大陸をつなぐ。

つまり、当時としては大事業である。

何が彫られているか

内側の文字は、贈った経緯を述べる。

そして、その功績の名を挙げる。

つまり、証書の役目を持つ。

一枚しか、写っていない

メダルには、表と裏がある。

もっとも、写真は片面だけである。

つまり、もう一方は見えない。

だから、当サイトはこの面のことしか書かない。

厚み

横から見たい。

縁が、わずかに立ち上がる。

つまり、真ん中より縁が高い。

そして、重ねても面が擦れない。

直径5.1センチ

寸法を見たい。

直径5.1センチである。

つまり、手のひらに収まる。

縁の星

いちばん下を見たい。

星の形が、横に並ぶ。

つまり、州を表す印だろう。

もっとも、館の記録は説明しない。

金箔という材

技法の欄を見たい。

銅に、金箔とある。

つまり、金無垢ではない。

そして、表面だけが金色になる。

贈られた人が、寄贈した

来歴の欄を見たい。

寄贈者の名は、フィールドとある。

そして、題にある贈られた本人の名と同じである。

つまり、受け取った本人が館へ渡した。

三十四年のあいだ

その間、どこにあったのか。

館の記録は、書いていない。

だから、当サイトは空白のままにする。

一八九二年

受入年を見たい。

一八九二年である。

そして、作られたのは1858年。

つまり、三十四年が経っている。

番号の意味

受入番号には、年が含まれる。

そして、その年の何番目かが分かる。

つまり、順番が残る。

私物から、収蔵品へ

個人の記念品が、館の資料になる。

つまり、性格が変わる。

そして、番号がつく。

記録は、経緯を書かない

なぜ本人が手放したのか。

館の記録は、説明していない。

だから、当サイトは推測しない。

二点目は、横顔

同じ人の作を、もう一点見たい。

スターク将軍とベニントンの戦い
ジョージ・ハンプデン・ラヴェット《スターク将軍とベニントンの戦い》1878年。青銅。直径3.8センチ。メトロポリタン美術館蔵。ジョージ・ハンプデン・ラヴェット《スターク将軍とベニントンの戦い》メトロポリタン美術館蔵

こちらには、顔がある。

左を向く、横顔である。

三角の帽子をかぶる。

そして、軍服の襟が見える。

帽子の形

頭を見たい。

前後がとがった帽子である。

つまり、十八世紀の軍帽だろう。

縁の文字

顔の周りを、文字が囲む。

つまり、名と肩書だろう。

そして、下側には数字が並ぶ。

顕彰という目的

つまり、人を讃えるための一枚である。

そして、百年後に作られている。

だから、追想の記念である。

生没の年が、彫られる

下の文字を見たい。

生まれた年と、没した年らしい。

そして、その下に年齢が続く。

つまり、墓碑に近い作りである。

小さいほう

寸法を見たい。

直径3.8センチである。

つまり、一点目より小さい。

縁の仕上げ

側面を見たい。

平らに削られている。

つまり、打った後に整えている。

打つか、鋳るか

メダルには、打ち出すものと鋳るものがある。

もっとも、館の記録はどちらとも書かない。

だから、当サイトは断定しない。

青銅という材

技法の欄には、青銅とある。

そして、金箔はない。

だから、地の色がそのまま出る。

表面の色

写真を見たい。

褐色である。

そして、高い部分だけが明るい。

つまり、擦れて地金が出ている。

三点目は、光を放つ

ワシントンとフリーメイソン
ジョージ・ハンプデン・ラヴェット《ワシントンとフリーメイソン》1890年から1894年ごろ。青銅。直径5.1センチ。メトロポリタン美術館蔵。ジョージ・ハンプデン・ラヴェット《ワシントンとフリーメイソン》メトロポリタン美術館蔵

中央に、横顔がある。

そして、その背後から線が放射する。

つまり、光を表しているのだろう。

放射の線

線の数を見たい。

細い線が、密に並ぶ。

そして、上へ向かうほど広がる。

つまり、後光の形である。

道具が、並ぶ

顔の下を見たい。

角ばった器具の形がある。

そして、丸い器具も見える。

館の題は、結社との関わりを示す。

帯のような形

顔の右を見たい。

細長い帯が、うねる。

つまり、標語を入れる帯だろう。

年代の幅

年の欄を見たい。

1890年から1894年とある。

つまり、四年の幅がある。

生没年と、重なる

作者の生没年を見たい。

館の記録は、1824年生・1894年没とする。

つまり、制作年の下限と没年が同じである。

七十歳の仕事

生年から数えると、六十代の後半になる。

つまり、長く手を動かし続けた。

晩年の作

だから、これは最後期の仕事だろう。

もっとも、館の記録は明言しない。

だから、当サイトも断定しない。

寄贈者の表記

来歴の欄を見たい。

ウェイト夫妻の寄贈、一九〇七年とある。

そして、二点目の寄贈者と同じである。

同じ寄贈者、別の番号

受入番号を見たい。

二点目と三点目は、番号の形が違う。

つまり、別々に登録された。

表記の揺れ

もっとも、綴りが少し違う。

三点目だけ、語の頭が大文字になっている。

つまり、入力の揺れだろう。

直さずに、記す

当サイトは、記録を直さない。

そして、そのまま伝える。

つまり、揺れも記録の一部である。

二人目の彫刻師

別の作り手に移りたい。

ウィンフィールド・スコット少将のメダル
チャールズ・カッシング・ライト《ウィンフィールド・スコット少将のメダル》1847年。青銅。直径8.9センチ。メトロポリタン美術館蔵。チャールズ・カッシング・ライト《ウィンフィールド・スコット少将のメダル》メトロポリタン美術館蔵

大きな円である。

そして、左向きの横顔がある。

上に、名が彫られる。

名の位置

名は、上の縁にある。

そして、顔の上を弧を描いて回る。

つまり、円に沿わせている。

少将という肩書

上の文字を見たい。

名の綴りが、大きく彫られる。

そして、そこだけ字が太い。

一番大きい

寸法を見たい。

直径8.9センチである。

つまり、この記事で最大である。

重さ

重さは、記録にない。

もっとも、青銅で八センチ台なら相当に重い。

だから、掛けるより置く物だろう。

手のひらより、大きい

一点目は5.1センチだった。

そして、これは8.9センチ。

つまり、面積では三倍近い。

交差の形

旗の並び方を見たい。

左右から、中央へ向かう。

そして、顔の後ろで重なる。

つまり、背景をつくる。

旗と、武具

顔の左右を見たい。

旗が、何本も交差する。

そして、細い棒のようなものがある。

つまり、武具を束ねた図だろう。

板の角

四隅を見たい。

わずかに丸い。

つまり、角を落としている。

縁取りの線

枠の周りを見たい。

細い線が、二重に走る。

つまり、額のような作りである。

四角い枠

下半分を見たい。

四角い板が、はめ込まれる。

そして、その中が文字で埋まる。

影の出方

写真を見たい。

枠の左側に、影が落ちる。

つまり、右上から光を当てている。

板という工夫

円の中に、四角を置く。

つまり、文章の場所を確保している。

そして、上の顔と分ける。

読ませる面

顔の面と、文章の面。

つまり、一枚に二つの役目がある。

そして、それを上下で分ける。

文字の大きさ

枠の中の文字は、小さい。

そして、行数が多い。

つまり、長い文章が入る。

署名らしきもの

枠のすぐ下を見たい。

小さな文字が、横に並ぶ。

つまり、作り手の署名だろう。

二点目は、海

ソマーズ号のメダル
チャールズ・カッシング・ライト《ソマーズ号のメダル》1830年から1870年ごろ。青銅。直径5.7センチ。メトロポリタン美術館蔵。チャールズ・カッシング・ライト《ソマーズ号のメダル》メトロポリタン美術館蔵

こちらに、顔はない。

海がある。

そして、帆船が浮かぶ。

船の数

見えるのは、二隻から三隻である。

もっとも、重なって数えにくい。

だから、当サイトは断定しない。

帆の向き

船を見たい。

帆が、右へ傾く。

つまり、風を受けている。

波の表し方

海面を見たい。

細かい起伏が、並ぶ。

つまり、波を刻んでいる。

そして、船の下まで続く。

水平線

奥を見たい。

海と空の境が、横に走る。

そして、そこで彫りが浅くなる。

遠くの船

奥にも、小さな船影がある。

つまり、複数隻の場面である。

年月日

下の文字を見たい。

月と日と年が、並ぶ。

つまり、特定の一日を記す。

上下の文字

上の縁に、文字がある。

そして、下の縁にも文字と年がある。

つまり、場所と日付だろう。

引用符つきの題

館の題を見たい。

引用符がついている。

つまり、通称として扱われている。

直径5.7センチ

寸法を見たい。

直径5.7センチである。

つまり、一点目より小さい。

年代の幅が、広い

年の欄を見たい。

1830年から1870年とある。

つまり、四十年の幅がある。

出来事の年

下の文字には、1846年とある。

つまり、年代の幅の内側にある。

そして、それ以降の作だろう。

幅の理由

なぜこれほど広いのか。

館の記録は、説明していない。

だから、当サイトは推測しない。

三点目は、白い

ワシントン就任百年
チャールズ・カッシング・ライト《ワシントン就任百年》1889年。白色金属。直径5.4センチ。メトロポリタン美術館蔵。チャールズ・カッシング・ライト《ワシントン就任百年》メトロポリタン美術館蔵

色が、違う。

銀色である。

つまり、青銅ではない。

銀に、見える

色は銀に近い。

もっとも、銀ではない。

つまり、安く同じ色を出している。

白色金属

技法の欄を見たい。

白色金属とある。

つまり、錫を主とする合金だろう。

もっとも、館の記録は成分を示さない。

縁の欠け

右下を見たい。

縁が、わずかに削れている。

つまり、当たった跡だろう。

表面の傷

写真を見たい。

細かい傷が、無数にある。

そして、縁が欠けている。

つまり、柔らかい材である。

記念のための、量産

百年の記念には、多くの人が集まる。

そして、安い材のほうが多く作れる。

もっとも、館の記録はそう書かない。

就任から百年

題を見たい。

就任の百年を記念する。

そして、年の欄は1889年である。

空欄という情報

空欄は、間違いではない。

つまり、分かっていないという情報である。

そして、それも記録である。

三人のうち、一人だけ

作者の欄を見たい。

生没年が、書かれていない。

つまり、他の二人とは扱いが違う。

確かめられない

だから、制作年との整合は確かめられない。

そして、当サイトは判断しない。

寄贈者の名

ハンティントンという名が、三度出る。

つまり、まとまった収集があった。

三点の来歴

来歴を見たい。

一点目と二点目は、ハンティントンの寄贈である。

そして、三点目はウェイト夫妻の寄贈である。

受入年の差

一八八三年と、一九〇七年。

つまり、二十四年の差がある。

そして、館の性格も変わっただろう。

二つの流れ

つまり、二人の作は二つの経路で館へ入った。

そして、受入年も違う。

当サイトの
アメリカの記念メダルでも、
まとまった寄贈に触れた。

三人目の彫刻師

最後の作り手に移りたい。

ジョージ・ワシントン
アンソニー・パケ《ジョージ・ワシントン》1850年から1859年ごろ。青銅。直径1.9センチ。メトロポリタン美術館蔵。アンソニー・パケ《ジョージ・ワシントン》メトロポリタン美術館蔵

とても小さい。

直径1.9センチである。

つまり、指先ほどである。

彫る面積

直径が半分になれば、面積は四分の一になる。

つまり、彫れる線の数も減る。

九点で最小

最大は8.9センチだった。

そして、これは1.9センチ。

つまり、直径で四分の一以下である。

縁の高さ

縁が、顔より高い。

つまり、置いても顔が擦れない。

そして、小さいほど工夫が要る。

何に使うか

これほど小さいと、飾りにも使える。

もっとも、館の記録は用途を書かない。

だから、当サイトは推測しない。

小さくても、横顔

中央に、右向きの横顔がある。

髪を、後ろで束ねる。

そして、襟元まで彫られる。

粒の数

粒は、数十ほど並ぶ。

そして、間隔がそろう。

つまり、道具で刻んでいる。

縁の粒

縁を見たい。

小さな粒が、輪になって並ぶ。

つまり、点の縁飾りである。

一八五〇年代という幅

年の欄は、1850年から1859年。

つまり、十年の幅がある。

生没年は、ある

作者の欄を見たい。

1814年生・1882年没とある。

つまり、三人目には記録がある。

表面の変色

色を見たい。

灰色がかっている。

そして、まだらである。

つまり、変色しているのだろう。

二点目は、大きくなる

ワシントン・メダル陳列室の開設
アンソニー・パケ《ワシントン・メダル陳列室の開設》1860年。青銅。直径5.7センチ。メトロポリタン美術館蔵。アンソニー・パケ《ワシントン・メダル陳列室の開設》メトロポリタン美術館蔵

同じ人物の横顔である。

もっとも、直径は5.7センチ。

つまり、三倍になる。

襟と肩

肩を見たい。

上着の襞まで彫られる。

つまり、小さいほうにはない情報がある。

同じ主題、違う大きさ

彫る面積が変われば、彫り方も変わる。

そして、髪の一本ずつが見える。

髪の束

後ろ髪を見たい。

帯で、結ばれる。

そして、その先が垂れる。

二重の縁

縁を見たい。

外側に、太い輪がある。

そして、その内側に細かい粒が並ぶ。

つまり、二重になっている。

上下の文字

上の縁に、名がある。

そして、下の縁に生没の日付がある。

つまり、記念の作りである。

収める、ということ

集めた物には、置き場が要る。

そして、置き場ができると記念になる。

記録室のための、メダル

題を見たい。

メダルを収める部屋の開設を記念する。

つまり、メダルについてのメダルである。

直径5.7センチ

寸法を見たい。

直径5.7センチである。

つまり、船の一枚と同じ大きさ。

一八六〇年

年の欄を見たい。

1860年である。

つまり、開設の年そのものだろう。

入れ子

作られた物が、作られた物を記念する。

そして、それ自体が収蔵品になった。

三点目は、贈られたもの

ローズ医師へ贈られたメダル
アンソニー・パケ《ローズ医師へ贈られたメダル》1858年。青銅。直径7.5センチ。メトロポリタン美術館蔵。アンソニー・パケ《ローズ医師へ贈られたメダル》メトロポリタン美術館蔵

大きな円である。

直径7.5センチ。

そして、右向きの横顔がある。

直径7.5センチ

寸法を見たい。

直径7.5センチである。

つまり、二番目に大きい。

現代の人物

服装を見たい。

高い襟である。

そして、上着の折り返しが見える。

つまり、十九世紀の装いである。

縁の文字

顔を囲んで、文字が並ぶ。

そして、名と肩書らしい。

誰なのか

どのような功績なのか。

館の記録は、書いていない。

だから、当サイトは調べた範囲だけを記す。

医師へのメダル

題を見たい。

医師に贈られたものである。

つまり、軍功だけが対象ではない。

三点の受入

来歴を見たい。

一点目は一九〇八年、二点目は一九〇七年である。

そして、三点目は一八八三年。

部門は、同じ

九点とも、同じ部門にある。

つまり、館の中での分類は一つである。

三点とも、青銅

材を見たい。

三点とも青銅である。

つまり、この作り手には材の揺れがない。

二十五年の差

つまり、最も古い受入と最も新しい受入で、二十五年の差がある。

そして、寄贈者も違う。

九点を、並べ直す

九点を作り手ごとに見た。

もっとも、別の並べ方もある。

中心の値

九つの直径のうち、中央は5.4センチ。

つまり、五センチ台が多い。

大きさで、並べる

直径で並べたい。

1.9、3.8、5.1、5.1、5.4、5.7、5.7、7.5、8.9センチ。

つまり、四倍以上の幅がある。

青銅が多い理由

青銅は、硬く、長持ちする。

そして、色が落ち着く。

つまり、記念の品に向く。

材で、分ける

材で分けたい。

青銅が七点である。

そして、銅に金箔が一点、白色金属が一点。

一八五〇年代

九点のうち、三点が1850年代である。

つまり、その時期に集まる。

年で、並べる

年で並べたい。

最も早いのは1847年である。

そして、最も遅いのは1894年ごろ。

半世紀

つまり、およそ半世紀の幅がある。

そして、その間に主題は変わらない。

用途が、形を決める

贈るための物は、持てる大きさになる。

そして、飾るための物は大きくなる。

変わらない主題

顔、船、記念、贈与。

つまり、同じ用途が続いている。

分かることと、分からないこと

分かるのは、寸法・材・年・来歴である。

そして、分からないのは、裏の面と制作の事情である。

裏の面は、どうなっているか

多くのメダルは、裏に文章を置く。

もっとも、この九点では確かめられない。

当サイトの姿勢

だから、当サイトは見えるものだけを書く。

そして、分からないところは分からないと記す。

三人の名

三人とも、館の記録に名が残る。

つまり、作り手が分かっている。

そして、それは当たり前ではない。

記録が残る、ということ

九点とも、館の記録には番号がある。

そして、いつ誰から来たかが書かれる。

つまり、それが最も確かな情報である。

当サイトの
権力の顔と、貨幣でも、
金属に彫られた顔を扱った。

SAME ARTIST同じ画家のコラム

  • 美術史・技法

    賞として、贈られる——十九世紀アメリカの賞牌

    会社に贈られた銀の賞牌が、二十二年後にその会社の名を持つ人から館へ渡る。同じ図でありながら題の違う二点、材の欄が金属とだけ書かれた一点。贈った側と受け取った側が題に並ぶ、金属に書かれた証書としてのメダル九点を見る。

  • 美術史・技法

    日本からの使節を、メダルに刻む——十九世紀アメリカの記念章

    一八六〇年、日本からの使節を迎えて作られたメダルがある。そこから始めて、建国の父の顔、造幣局と民間の注文、彫刻師の署名まで。十九世紀アメリカの記念章を九点で見ていく。小さな円い金属が、何を伝えるために作られたのかを考えたい。

RELATEDあわせて読みたい

美術史・技法の記事一覧
  • 美術史・技法

    印象派とは何か——特徴・代表画家・作品の見方をやさしく解説

    印象派とは何かを、特徴・代表画家・見方の順にやさしく解説します。モネ、ルノワール、ドガ、モリゾ、カイユボットの実作六点を、当サイトが公開しているCC0の図版と所蔵館の記録から読みます。影の色をどう見るか、という一点からの入り方も示します。

  • 美術史・技法

    形の名前は、用途の名前——古代ギリシャの壺

    ヒュドリア、クラテル、キュリクス。呪文のようなカタカナの名前は、実はそのまま使い方の名前である。水汲み、宴会、化粧道具。シカゴ美術館の九つの壺の形と把手を読むだけで、二千五百年前の暮らしの一日が家の中まで見えてくる。

  • 美術史・技法

    色を、塗らずに入れる——ルイス・C・ティファニーのガラス

    ティファニーのガラスは、模様を塗っていない。色は素材の内側にあり、熔けたガラスを動かした痕跡が葉や羽根の形になる。値札が残る底、工数を書き込んだ図案、白黒写真しか残らない八点。自然を写すという言葉の中身を十点から考える。