叢書の名が、一枚にしかない——歌川広重の東海道
七枚目は、宿場町

左に、建物の軒が並ぶ。
そして、提灯が下がる。
中央に、馬に乗る人がいる。
その周りに、大勢が集まる。
右に、駕籠を担ぐ人がいる。
奥に、細い木が並ぶ。
提灯の明かり
提灯が、白く光る。
そして、周りが暗い。
七枚目の色
全体に、暗い緑と褐色である。
つまり、夕暮れだろう。
賑わいの描き方
人が重なり、奥まで続く。
つまり、密度で賑わいを示す。
人の多さ
画面に、二十人以上が描かれる。
つまり、九枚で最も多い。
荷の量
馬の背に、荷が高く積まれる。
そして、人が支える。
馬と、駕籠
馬に乗る人と、駕籠を担ぐ人がいる。
つまり、二つの移動手段がある。
宿場という場所
宿場は、人と馬が集まる場所である。
つまり、賑わいが主題になる。
七枚目の大きさ
縦22.2センチ、横34.9センチ。
つまり、他と同じである。
七枚目の題
館の題は、宿場の名だけである。
つまり、他の七枚と同じである。
提灯という細部
軒に、丸い提灯が下がる。
そして、文字が入る。
八枚目は、雪

一面が、雪である。
上半分は、暗い灰色の空である。
そして、白い点が散る。
中央に、屋根の列がある。
屋根は、雪をかぶる。
左に、細い木が並ぶ。
雪の厚み
屋根の雪は、丸く盛り上がる。
つまり、厚く積もる。
屋根の列
屋根が、横に長く並ぶ。
そして、雪をかぶる。
降る雪
空に、白い点が散る。
つまり、降る雪を表す。
木の描き方
左の木は、細く、葉がない。
つまり、冬の姿である。
点の数
白い点は、数え切れないほどある。
そして、大きさが揃う。
白い点の作り方
雪の点は、色を摺らずに残すか、白を置く。
もっとも、館の記録は方法を書かない。
上下の対比
上が暗く、下が白い。
つまり、明暗が逆になる。
暗い空
空が、上へ行くほど暗い。
つまり、ぼかしである。
八枚目の姿
雪の中に、屋根と木がある。
そして、人影は見えない。
題に、叢書名
八枚目の題を見たい。
宿場の名のあとに、叢書の名が続く。
題の長さ
題が、三つの部分からなる。
つまり、九枚で最も長い。
括弧の中
そして、括弧の中に通称が入る。
つまり、二つの呼び方が並ぶ。
何の通称か
書体の名にちなむ通称である。
もっとも、館の記録は由来を書かない。
通称という語
通称は、後から広まった呼び方である。
つまり、正式な名ではない。
八枚目の大きさ
縦22.2センチ、横34.9センチ。
つまり、他と同じである。
一枚だけ、詳しい
九枚のうち、この一枚だけが詳しい。
つまり、例外である。
九枚目は、峠

左右に、山が迫る。
その間を、細い道が下る。
道に、小さな人影がある。
山の斜面に、木が生える。
空は、上が青、下が黄土色である。
手前は、褐色の地である。
九枚目の山
左右の山は、緑と青である。
そして、上が暗い。
挟まれた道
左右の山が、画面を挟む。
つまり、道が狭く見える。
道の形
道が、奥から手前へ曲がる。
そして、細くなる。
人影の大きさ
道の人影は、ごく小さい。
つまり、山の大きさを示す。
九枚目の空
空は、上が青、下が黄土色である。
つまり、ぼかしである。
九枚の主題
宿場、山、海、川、雪、峠。
つまり、道中の姿がひととおり出る。
九枚の年
九枚とも、1840年ごろである。
つまり、同じ書き方である。
「ごろ」という語
年には、ごろ、が付く。
つまり、確かめられていない。
九枚の来歴
九枚とも、同じ収集からの購入である。
そして、年は1911年。
一括して、館へ
つまり、まとめて買われている。
叢書という単位
同じ叢書の版画は、まとめて売られる。
そして、まとめて買われる。
収集家の名
来歴に、収集家の名と基金の名が並ぶ。
つまり、二つの情報が入る。
九枚の寸法
九枚とも、完全に同じ数字である。
つまり、判型が揃う。
紙の裁ち方
紙は、手で裁つ。
もっとも、記録の数字は同じである。
代表の数字か
一枚を測り、他に写したのかもしれない。
もっとも、館の記録は説明しない。
断定は、しない
だから、当サイトは決めつけない。
題という手がかり
宿場の名があれば、場所が分かる。
そして、叢書の名があれば、組が分かる。
組を、たどる
叢書の名があれば、他の五十二枚も探せる。
つまり、記録がつながる。
二つの情報
八枚は場所だけ、一枚は場所と組である。
つまり、情報量が違う。
番号という代わり
題箋の番号も、手がかりになる。
もっとも、記録には入らない。
探すという用途
叢書の名がなければ、組を探しにくい。
つまり、記録の詳しさが役に立つ。
揃えるという課題
館は、後から記録を揃えないことがある。
つまり、元の登録を残す。
当サイトの姿勢
当サイトは、その差をそのまま伝える。
そして、平らにしない。
分かることと、分からないこと
分かるのは、寸法・技法・年・来歴である。
そして、分からないのは、八枚の叢書名である。
空白を、空白のまま
当サイトは、空欄を推測で埋めない。
そして、そのことを書き添える。
当サイトの
店の名が、題になるでも、
同じ画家の叢書と記録の揺れを扱った。








