画家を知る

組物の名が、題にあるか——葛飾北斎の版画と画帖

版画は一枚で売られるが、多くは続き物の一枚である。九点のうち四点の題には組物の名が入り、五点には入らない。入らないほうが、組に属していないとは限らない。寸法の書式は三通りに分かれ、画帖には五百点以上が貼られている。

百人一首うばがゑとき 清原深養父
葛飾北斎《百人一首うばがゑとき 清原深養父》メトロポリタン美術館蔵

一枚の、出どころ

版画は、一枚で売られる。

もっとも、多くは組物の一枚である。

美術館の題には、その組物の名が入ることがある。

そして、入らないこともある。

一枚で、売る

版画は、一枚ずつ買えた。

つまり、揃える必要はない。

組物という言葉

同じ企画で作られた版画の集まりを指す。

つまり、続き物である。

何枚組か

十枚のこともあれば、五十枚のこともある。

つまり、数は決まっていない。

九点という範囲

この記事で扱うのは九点である。

いずれも同じ館にある。

括弧の中

英語の題では、読みが括弧に入る。

つまり、音が併記される。

題の形

組物の名は、題の後半に置かれる。

つまり、どの組の何枚目か、が分かる。

四点と、五点

組物の名がある四点。

そして、名がない五点。

つまり、半々に近い。

訳という作業

英語の題を、日本語に戻す。

もっとも、元の題に戻るとは限らない。

断っておく

当サイトの題は、館の題の訳である。

つまり、原題そのものではない。

近い言い方

当サイトでは、意味の近い言い方を選ぶ。

つまり、近似である。

題は、訳である

館の題は、英語で書かれている。

日本語の題は、その訳になる。

つまり、当時の呼び名とは限らない。

順に、見る

まず、組物の名がある四点。

そして、名のない五点。

帯の位置

帯は、画面の外にある。

つまり、紙の下に置かれている。

貼るという作り

絵は、頁に貼り付けられている。

つまり、直に描いていない。

用途がある

職人が、下絵として使うためのものらしい。

もっとも、館の記録に用途の説明はない。

一点目

組物の名がある絵から始めたい。

百人一首うばがゑとき 清原深養父
葛飾北斎《百人一首うばがゑとき 清原深養父》1835年ごろ。木版画。館の記録では、縦27センチ、横36.8センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。ヘンリー・フィリップス旧蔵、1939年遺贈。葛飾北斎《百人一首うばがゑとき 清原深養父》メトロポリタン美術館蔵

横長の一枚である。

川に、屋根の付いた舟が浮かぶ。

手前の舟には、人が乗り、竿を差す。

岸に、幟が並ぶ。

水は、濃い青である。

枠の形

枠は、短冊の形をしている。

つまり、細長い。

枠の色

枠は、赤と黄で塗り分けられる。

つまり、目立つ。

枠という仕掛け

題は、絵の中に置かれる。

つまり、別に刷らない。

右上に、題

画面の右上に、赤い枠がある。

その中に、組物の名と歌人の名が入る。

灰から黒へ

帯には、段階の付いた四角が並ぶ。

そして、数字が添えられる。

色の帯

画像の下に、色の帯が写る。

何のためか

色や明るさを、後から確かめるためである。

つまり、記録用の目盛である。

見えるということ

帯が写れば、条件が推し量れる。

つまり、情報が増える。

隠さない

館は、帯を隠さずに公開している。

つまり、撮影の条件が見える。

撮影の道具

これは、色を測るための帯である。

つまり、作品の一部ではない。

四点に、帯

九点のうち、帯が写るのは何点か。

三点の内訳

一点目、猿橋の図、そして花鳥画。

つまり、三点に帯が写る。

数えると

三点である。

つまり、撮り方が揃っていない。

次の一点

同じく、組物の名を持つ。

つまり、二点目になる。

最後の一点

九点目を見たい。

つまり、もう一冊の画帖である。

二点目

同じく、組物の名がある。

風流なくて七くせ ほおずきを鳴らす
葛飾北斎《風流なくて七くせ ほおずきを鳴らす》1798年ごろ。木版画。館の記録では、縦36.4センチ、横24.8センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。ロジャーズ基金による購入、1922年。葛飾北斎《風流なくて七くせ ほおずきを鳴らす》メトロポリタン美術館蔵

縦長の一枚である。

女性が二人、顔を寄せる。

黒い髪が、長く垂れる。

手前の女性は、口を丸くする。

背景の上部に、赤い帯がある。

七つという数

七つは、多いことの言い換えでもある。

つまり、数え上げの形である。

癖という語

組物の名に、癖の語が入る。

つまり、仕草を集めた組である。

題の意味

ほおずきの実を口に含み、鳴らす。

つまり、遊びの仕草である。

揃っているか

当サイトにあるのは、この一枚だけである。

つまり、残りは分からない。

七つの癖

組物の名に、七つの癖とある。

つまり、七枚の組である。

大きさの目安

紙の規格の一つにあたる。

つまり、よく使われた大きさである。

縦36.4センチ

横は、24.8センチである。

つまり、縦長になる。

寸法の書き方

この一点の寸法を見たい。

数字のあと

センチを表す語が、すぐ続く。

つまり、詰まって見える。

単位の前

数字と単位のあいだに、空白がない。

他の記録では

他の八点には、空白がある。

つまり、この一点だけ違う。

書式という問題

書式は、意味を変えない。

もっとも、揃っていないことは分かる。

小さな差

読みは変わらない。

もっとも、揃ってはいない。

名橋という語

名の知られた橋、という意味である。

つまり、選ばれた橋を並べる。

橋という主題

この画家は、橋を集めた組物を作った。

つまり、主題ごとの組がある。

三点目

橋の絵である。

諸国名橋奇覧 三河の八ツ橋の古図
葛飾北斎《諸国名橋奇覧 三河の八ツ橋の古図》1834年ごろ。木版画。館の記録では、縦23.2センチ、横37.1センチとされる。メトロポリタン美術館蔵。ロジャーズ基金による購入、1922年。葛飾北斎《諸国名橋奇覧 三河の八ツ橋の古図》メトロポリタン美術館蔵

横長の一枚である。

板の橋が、折れながら水面を渡る。

橋の上に、人がいる。

中央に、松が一本立つ。

遠くに、赤い山が見える。

人の動き

人は、橋の上に散らばる。

そして、菅笠をかぶる。

水の上

橋は、湿地の上を渡る。

そして、草が生える。

折れる橋

橋は、まっすぐではない。

つまり、幾度も向きを変える。

八つという数

題に、八つの橋とある。

つまり、板の数を指す。

物語の場所

この場所は、古い物語に出る。

つまり、名の知られた土地である。

古い図

題に、古い図とある。

つまり、昔の姿を描いたことになる。

見てはいない

昔の姿は、画家も見ていない。

つまり、聞き伝えによる。

三点の年

1835年ごろ、1798年ごろ、1834年ごろ。

つまり、順に並ばない。

三点の共通

いずれも、組物の名を持つ。

そして、いずれも一枚ものである。

次のページで

残る一点の組物と、名のない絵を見たい。