COLUMNSコラム: 画家を知る
-
画家を知る
彫って、描いて——A・B・デュランドの三つの職
名前と金額の並ぶ紙が一枚ある。画家たちがモデル代を出し合った教室の会計である。デュランドは彫師から肖像画家、風景画家へと移った。九点で三つの職を並べ、線という共通点を確かめる。森の大画面と、灰緑の紙の素描も並べて見ておきたい。
-
画家を知る
水彩は、決める道具である——ジョン・ラ・ファージ
ラ・ファージの水彩は、旅の記録であり、色の覚書であり、ステンドグラスと壁画の下絵でもある。九点を用途で分け、決めるための紙という役目を確かめる。半円形の画面と、残りやすさにも触れておきたい。和紙を支持体にした一点にも触れておきたい。
-
画家を知る
一つの部屋に、十五人——イーストマン・ジョンソン
一つの部屋に十五人。イーストマン・ジョンソンの集合肖像は、住まいそのものを記録している。八点を支持体で分け、画布、ボード、厚紙、紙という条件の違いを確かめる。公開分の偏りにも触れておきたい。集合肖像にかかる時間と費用にも触れておく。
-
画家を知る
輪郭が、溶けていく——ジョージ・イネスの四十年
1861年の虹ははっきり描かれ、1891年の花は輪郭を失う。ジョージ・イネスの四十年で、輪郭が溶けていく過程をたどる。八点を年代順に並べ、断定を避けながら変化の記述を試みる。材料の記録にも触れる。大画面と小品の使い分けも見ておきたい。
-
画家を知る
同じ景色が、二つある——クロプシーの大小
同じ谷を描いた二点がある。縦38センチと縦123センチ。クロプシーは小さく試してから、大きく仕上げた。九点で準備と完成の関係を読み、アルバムの素描と晩年の水彩にも触れる。産業が入る風景も見ておきたい。暗い紙に白を置く技法にも触れる。
-
画家を知る
最後の一年が、そのまま残った——ケンセット
ケンセットの公開分は、その多くが1872年の作である。没後、遺族がまとめて館へ寄贈した一年分の仕事にあたる。九点を並べ、極端に横長の画面と、習作と完成作の区別のつかなさを確かめる。受け入れ記録が示す寄贈の経緯にも触れておきたい。
-
画家を知る
画室が、世界の代わりになる——W・M・チェイス
チェイスの主題は、魚と花と家族と同業者である。すべて画室と家の中にある。九点を寸法で並べ、全身像から板の小品までの四つの群を確かめる。黒衣の肖像二点が同じ規格である点にも触れておきたい。室内と屋外の小品にも触れておきたい。
-
画家を知る
彫刻の制作年は、二つある——J・Q・A・ウォード
彫刻の記録には、年が二つ書かれている。原型の年と、鋳造の年である。ウォードの九点で、複製を前提とする分野の「本物」を考える。同じ像が二つの館にある例と、緑青の色の違いにも触れておきたい。素描と鋳造という二つの工程も並べて見ておきたい。
-
画家を知る
帳面は、縦12センチ——ビアスタットの下調べ
縦12.1センチの帳面に、船と紋章と鉱山のメモが並ぶ。ビアスタットの大画面は、その小さな紙の積み重ねでできている。九点で準備と完成の距離を読む。バイソンを描いた一点の扱いにも触れる。紙に描いた油彩の習作も並べて見ておきたい。
-
画家を知る
肖像が、風景を運ぶ——ゲインズバラ
額を含めた重量は66.7キロ。ゲインズバラの肖像は、背景の風景に手が込んでいる。九点を寸法で並べ、等級としての大きさと、肖像が風景を運ぶ構造を確かめる。制作年と作者が合わない一点にも触れる。風景画二点との関係も確かめておきたい。
-
画家を知る
壁のための絵——ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ
縦横比が一対四の画面がある。壁に嵌める絵は、建築が形を決める。ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの九点で、縮小版、下絵、描かれた額縁という仕組みを読む。色を抑える理由にも触れておきたい。紙に描かれた実物大の下絵と、対になる装飾画も見ておきたい。
-
画家を知る
同じ型で、違う日を描く——シスレーの道
シスレーは道と水辺を繰り返し描いた。画布は46×56センチ前後の規格に揃い、変わるのは季節と天候だけである。八点を並べ、枠を固定して差を見せる方法を確かめる。洪水と初雪の主題にも触れておきたい。額の寸法が示す飾られ方にも触れておく。
-
画家を知る
見たものと、読んだもの——ドラクロワの主題
ドラクロワの主題には、二つの出所がある。動物やモデルのように見て描いたものと、詩や物語から想像したもの。九点を並べ、その切り分けを試みる。植民地の条件と、記録されなかった人にも触れておきたい。装飾として注文された大きな花の絵も見ておく。
-
画家を知る
誰が注文したのか——ゴヤの肖像画
ゴヤの公開分は、その多くが注文の肖像である。子ども、商人、軍人とその妻、建築家。寸法はほぼ同じ規格に収まる。九点を並べ、依頼主の層と、小道具が語る情報を読む。夫婦の対の寸法にも触れておきたい。銘文が画面に書き込まれる理由も見ておきたい。
-
画家を知る
実景と、空想の景——グアルディのヴェネツィア
グアルディは実在のヴェネツィアを描き、同じ手つきで空想の景も描いた。画面からは区別がつかず、判別できるのは記録の題名だけである。八点を並べ、記録と商品と装飾という三つの役目を確かめる。一日限りの仮設建築を描いた一点にも触れる。不定形の画面も見ておく。
-
画家を知る
手が、止まっている——シャルダンの静けさ
蕪を剥く手が止まっている。シャルダンの画面では、動作の直前か直後が選ばれる。人物と静物の九点を並べ、要素を減らして静けさを作る方法を読む。額の寸法が一致する対の作品にも触れておきたい。晩年のパステルの自画像にも触れておきたい。材料の変更が示すものを考える。
-
画家を知る
空が、四分の三を占める——ファン・ホーイェン
ヤン・ファン・ホーイェンの画面では、空が四分の三を占める。地平線を下げ、色を灰褐色に絞り、板の小品を数多く作った。九点を比率で並べ、土地の条件と商売の条件が構図に現れる過程を確かめる。板と画布の使い分けにも触れておきたい。氷の風景も見ておく。
-
画家を知る
原作と模作——ヴァン・ダイクの名で残る絵
縦12.2センチの板絵が十三点。いずれも「ヴァン・ダイクに倣う」と記録された使徒像である。本人の習作や大きな肖像と並べ、原作と写しの関係を九点で読む。鑑定書が売買に使われた経緯にも触れておきたい。来歴が三世紀に及ぶ肖像も見ておく。
-
画家を知る
波と雨を、線で描く——歌川国芳
歌川国芳は、波を渦の線で、雨を縦の線で描いた。形のないものを示す型が、彫りと摺りの技術に支えられている。九点で自然現象の描き方をたどり、連作と怪異の主題にも触れる。型が更新される過程も見ておきたい。公開分の偏りにも触れておきたい。
-
画家を知る
横126センチの版画——鳥文斎栄之の続き物
鳥文斎栄之の五枚続は、横126.7センチに及ぶ。紙を並べて画面を伸ばし、行列や群衆を横に流す。九点で続き物の設計を読み、裁断されて寸法が変わった一点にも触れる。細身の様式がどう作られたかも確かめたい。
17 / 19 ページ(全 380 件)



















