COLUMNSコラム: 美術史・技法
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美術史・技法
港の絵に、桟橋は写らない——ブーダン・アッピアン・ヒードほか九点
港は陸と海の境目である。九点で数えると、港の設備が描かれているのは二点しかない。帆柱が数えられるのは五点。壁付けテーブルや山の谷まで、綴りの偶然で二点が混じった。水面が画面の下半分を占めるのは六点で、空が広いのは四点だった。境目は低い位置にある。
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美術史・技法
同じ広場が、三点あった——ベッロット・グアルディ・ギルバートほか九点
広場は空いていることで広場になり、市が立てば埋まる。九点で数えると、広場が四点、市場が四点だった。そして三点が同じ広場を描いている。制作年は百七十年に散らばる。日除けは三点にあった。人の数は、十人から二百人までひらいた。
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美術史・技法
道は、五点で奥へ抜けていく——テリス・ピサロ・ハンマースホイほか九点
道は必ず画面の外へ続く。九点で数えると、奥へ抜ける形が五点、横に切る形は一点だけだった。取り壊し前の路地、住所を題にした室内、そして綴りの偶然で入った谷の絵まで並ぶ。人が歩いているのは四点で、無人の道が三点ある。道は人がいなくても道に見える。
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美術史・技法
塔は、一本で立つ——カナレット・トライプ・パーマーほか九点
塔は目印として建てられるから、二本並ぶと役に立たない。九点で数えると、塔が二本以上ある画面は一つもなかった。祭壇画の尖塔飾り、障害競馬、切り立つ崖まで、塔の語は思わぬ場所へ広がる。高さを示すために、七点で下に小さなものが置かれていた。
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美術史・技法
塔だけが、遠くまで届く——モネ・フェントン・メストラルほか九点の教会
教会は正面で見分けられる建物である。九点で数えると、塔か尖塔が見えるのは五点、うち三点は塔しか見えない。作業場の新しい聖母像、旧教会から来た彫刻など、建物から外れたものも混じる。内部が描かれるのは一点だけで、残りは外から見上げている。
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美術史・技法
五点が組物で、三点は欠けている——アルトドルファー・栄之・安堅の周辺ほか九点
寺や聖堂の絵は、組で作られることが多い。九点で数えると五点が組物で、そのうち三点は組が欠けていた。四十枚のうち一枚、三枚続きの左、四枚組の写し二枚。階段を上る場面が二点ある。堂の全体が入る画面は三点しかない。
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美術史・技法
城の絵に、戦いは一点しかない——ブラウン・ミシャロン・サルスティほか九点
城は守るための建物である。ところが九点で数えると、戦いに関わる場面は一点だけだった。廃墟として、遊び場として、宮殿の陳列室として描かれる。城主が出てくるのも一点しかない。石の色は灰と褐色に偏り、旗が立つのは二点だけだった。守る形が飾りに変わっていく。
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美術史・技法
家は、小さくしか描かれない——ホフマン・ブルーマールト・スルバランほか九点
家は町でいちばん数の多い建物である。だが九点で数えると、外から見た家はいずれも画面の五分の一以下だった。浴場、蔵、屋敷の名、そして外された戸口まで、家の語は四つのものを指していた。中が見える家は一点もなく、窓はすべて暗い。
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美術史・技法
道具は、人の代わりに仕事を示す——オスターデ・シャルダン・ベラスケスほか九点
仕事場は道具の置かれた部屋である。九点で数えると、人が描かれているのは五点で、残る四点には道具しかない。それでも台所や工房だと分かる。工房の光は外から、台所の光は炉から来ていた。座る人が三点、立つ人が二点である。仕事の種類が姿勢を決めていた。
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美術史・技法
囲いが見える庭は、四点だけ——アルトドルファー・華嵒・モネほか九点
庭とは囲われた土地である。だが九点で数えると、塀や柵が描かれているのは四点しかない。庭であることを示しているのは題のほうだった。楽園、祈りの園、農家の庭、そして地名としての庭まで混じる。手入れの跡が見えるのは三点だけだった。
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美術史・技法
柱の五点は、何も支えていない——デューラー・ロベール・北斎ほか九点
柱は重さを受けて地面へ流す部材である。ところが九点で数えると、上の重さを支えているのは四点しかない。人を縛る柱、頭だけを載せた柱、器の名になった柱、柱に掛けるための版画まで並ぶ。支えない柱ほど、飾りが細かくなっていた。九点のうち六点は石ではない。
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美術史・技法
屋根は、遠くから見た家である——レンブラント・呉鎮・北斎の周辺ほか九点
屋根は離れていても見える部分だから、風景では家の代わりを務める。九点で数えると、屋根が描かれるのは六点、うち四点が草葺きだった。屋根の上から撮った写真、屋根板の置き場、店の名まで混じる。屋根の形は、その土地の雨の量を映している。
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美術史・技法
等間隔の柱が、時間を刻む——グラネ・ピラネージ・ロベールほか九点の回廊
回廊は歩くために細長く作られた場所である。九点で数えると、内から描くのが四点、外から見るのが五点。柱やアーチが等間隔に並ぶのは八点で、崩れているのは牢獄の版画だけだった。繰り返しが距離を測らせる。歩く速さまで、柱の間隔が決めていた。
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美術史・技法
祈る姿勢は、体を低くする——祈祷用の木彫玉・ブリオスコ・ダヤールほか九点
祈りは心の中で起きる。外から見えるのは姿勢と道具だけである。九点で、その示し方を数えたい。跪く四点、手を合わせる三点。五センチの木彫玉には、群衆が彫り込まれていた。祈る相手は、人の形とはかぎらない。日、鏡、祠へ向かう例もあった。
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美術史・技法
踊っていない踊り子——ルノワール・カウフマン・ドガほか九点
踊りは動きだが、絵は動かない。九点で、どの瞬間が選ばれたかを数えたい。踊っている姿は五点で、残りは立っているだけか、道具か、舞台である。足の位置と腕の非対称が、動きを決めている。踊りの語で拾った外れとして、舞台装置の図も一点混じっている。
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美術史・技法
絵は音を持たない——ファン・デル・ヘルスト・丁雲鵬・文伯仁ほか九点
鳴っていない音を、見えるものだけで示す。九点で、その方法を五つに分けたい。楽器、姿勢、聞く人、楽譜、そして題である。同じ詩を主題にした二点が、掛軸と巻子で並ぶ。楽譜が読める一点もあるが、曲はまだ特定されていない。音は記録の外にある。
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美術史・技法
手紙の絵には、書いた人がいない——ホーファー・フラゴナール・光琳ほか九点
読む人だけが描かれ、差出人は画面の外にいる。だから、内容は読む顔からしか読めない。九点で、視線の高さを数えたい。紙を見る、上を向く、目を閉じる。その三つが時間の前後を示す。手紙は、画面でいちばん明るい面になることが多い。五点でそうなっていた。
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美術史・技法
書く人と、書かれた物と、書く道具——仇英・杜堇・尾形光琳ほか九点
記録の中の書くの語で九点を集めた。書く姿が主題なのは三点で、東アジアの絵に偏る。残りは写本の一葉と、硯箱や文具台である。九点で、書く姿勢と道具の形を並べたい。東アジアの四点では書く人が描かれ、ヨーロッパの五点では一人も描かれていなかった。
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美術史・技法
重さは、傾きに出る——バリー・デューラー・ジロドンほか九点
軽いものなら体はまっすぐでいられる。重ければ傾き、膝が沈む。九点で、荷物の位置と体の傾きを測りたい。背中、肩、天秤棒、頭、手。天秤棒の一点だけ、体が傾いていなかった。運ぶ人の顔は、九点のうち八点で下を向くか、見えなかった。
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美術史・技法
道具が、その人の仕事を示す——トムソン・コルヴィッツ・ホイッスラーほか九点
働く絵では、顔ではなく手に持ったものが職業を決める。九点で、道具と姿勢を数えたい。前かがみが六点。そして目が合うのは一点だけだった。見られていると分かれば、手が止まるからである。働く姿勢は六点が前かがみだった。対象の高さが、体の折れ方を決めている。
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