COLUMNSコラム

  • 美術史・技法

    皿を描いていない人が、作者の欄にいる——フランクリンの皿

    四件の作者の欄には、元の肖像を描いた人の名が入る。その人は皿を描いていない。役割の欄を読み飛ばすと、二人で作ったように見えてしまう。欄の名と欄の役割を、一緒に読みたい。四件が、四つの原画から写されている。

  • 美術史・技法

    同じ図案が、青銅と鉄で作られる——ラファイエット侯の記念章

    作者も年も題も同じ二件が、技法の欄と寸法だけで分かれる。青銅と鉄、直径は4.8センチと4.4センチ。記念章は複製される品である。裏面が公開されない理由も含めて読みたい。九件が、同じ一つの寄贈から来ている。

  • 名画の楽しみ方

    人の名と、会社の名が並ぶ——アメリカン・ポタリーのティーポットほか

    意匠を担う人と、製造する会社。九件の作者の欄には、二つの名が並ぶ。ところが順序は三組で入れ替わり、同じ型から二つの色が出る件もある。順序に意味があるかどうかを読みたい。意匠の人が、建築家である一件も含まれる。

  • 名画の楽しみ方

    作者の欄に、売った人の名がある——家具金物四十一件のうち九件

    作った人ではなく、売った人。九件の作者の欄には、同じ小売店の名が入る。品名も材料も同じで、違うのは番号と寸法だけである。一枚の写真を三つの記録が共有する例もある。名が残る条件を読みたい。群の全体は、四十一件である。

  • 名画の楽しみ方

    役割の欄に、かつての帰属とある——コプリーの作とされた肖像ほか

    以前はこの人の作とされていた。九件の役割の欄には、取り消された名が残されている。消せば過去の資料とつながらなくなるからだ。取り消される名ほど有名である理由を読みたい。一枚の絵が、二つの番号を持つ件もある。

  • 美術史・技法

    技法の欄に、窯の名が括弧で入る——野々村仁清《水指》ほか

    京焼。宜興窯。磁州窯。備前。材料と作り方を書いたあと、括弧で産地の名が入る。産地の名が、そのまま作り方の名でもあるからだ。作者の欄に工房の名が入る件もある。名の順序を読みたい。受入の年は、百二十年に散らばる。

  • 美術史・技法

    作者の欄に、五十六人とある——伊賀上野の貼り混ぜ屏風ほか

    名前ではなく、人数がそのまま作者の欄に入る。襖を屏風に仕立て直した件もあり、一双と一隻で数え方が変わる。出所の行は九つに分かれる。一つの屏風に何人が関わったかを読みたい。面の数が、件によって揃わない。

  • 美術史・技法

    一つの巻に、二つの年——趙孟頫と趙麟《人馬図巻》ほか

    1296年と1359年。九件の年の欄には、二つの年が並ぶ。祖父と孫が同じ紙に描き、表装が画面の五倍に及ぶ巻もある。十七メートルの巻物もある。二つの年を書き続ける記録を読みたい。七百年離れた二人が、並ぶ件もある。

  • 美術史・技法

    書く人と、描く人——伊藤若冲《豌豆図》ほか

    九件の作者の欄には、二人以上の名がある。役割の欄は画家と書家に分かれ、順序は点によって入れ替わる。寸法は画面、表装、軸先の三段で書かれる。二人の仕事をどう数えるかを読みたい。五人の名が、一つの掛軸に並ぶ件もある。

  • 名画の楽しみ方

    一件の中に、九十七枚が入る——葛飾北斎と門人の画帖ほか

    九十七葉の画帖。八十八枚の版画からなる画帖。技法の欄に、枚数がそのまま書かれる。番号の枝と枚数が合わない件もあり、公開画像は一葉しか写さない。何枚を一件とするかを読みたい。厚さの欄が、枚数を裏づける件もある。

  • 美術史・技法

    年の欄が、二つに割れる——刀身と拵

    刀身は1440年、拵は十八世紀後半。九件の年の欄は、いずれも二つに分かれている。差が四百年を超える件もある。作者の欄が三人になる件もある。一本の刀を誰の作と呼ぶかを読みたい。拵の材料が、十種類に及ぶ件もある。

  • 名画の楽しみ方

    二挺で、一件と数える——対の拳銃と三通りの番号

    対の拳銃は、二挺で一つの品として登録される。ところが番号の書き方は三通りに分かれ、寸法も各と書くか片方だけ書くかで揺れる。百年ぶんの記録の揺れを、九件の欄から読みたい。番号の枝が、付属品まで数える件もある。

  • 美術史・技法

    役割の欄に、七つの言葉がある——十七・十八世紀の銃

    銃工、銃身を打つ人、機関を作る人、銃床を作る人、鋼を彫る人、製造所、そして売った人。九点の作者の欄には、名が二つから四つ並ぶ。同じ二人の順序が入れ替わる例もある。分業の記録を読みたい。口径と全長と銃身長が、並んで書かれる。

  • 美術史・技法

    三つで、一つと数える——後藤家の三所物

    笄、目貫、小柄。三つの金具を揃いで作り、一件として登録する。番号の末尾が部品の数を示し、公開画像は一部品しか写さない。三つで一つという単位が、記録にどう残るかを読みたい。寸法の欄に、明らかな誤りが残る一件もある。

  • 美術史・技法

    六点の年が、同じ1645年——儀礼用の鏃

    九点のうち六点は、年の欄も作者の欄も同じである。同じ人が同じ年に作った六点が、三百八十年後に同じ棚に並ぶ。重さの欄は十六倍の幅を持つ。年が揃うことの意味を読みたい。作者の欄に、疑問符が付く一点もある。

  • 名画の楽しみ方

    一領が、番号の中で分解される——ヘンリー8世の甲冑ほか

    19.131.1のaからr、tからw。一領の甲冑に、これだけの枝番が与えられる。小文字は胴、背、肩、腕と部品を数える。番号の長さが部品の数を映し、一つ飛んだ文字が欠けを示す。数え方を読みたい。全高と重さが、並んで書かれる。

  • 美術史・技法

    美術館が、作者の欄に入る——兜九点の記録

    作者の欄に並ぶ名の数が、点によって違う。三人が並ぶ一点では、名の順と役割の順が対応している。そして、修復した人と美術館自身が作者の欄に入る点もある。名が残る条件を読みたい。十六世紀の様式で、後から作られた一点もある。

  • 美術史・技法

    同じ姓が、九回並ぶ——後藤家の小柄

    後藤栄乗、顕乗、程乗、廉乗。九点の作者の欄には、同じ家の名が代を替えて並ぶ。長さは九.七センチ、幅は一.四センチ。寸法の欄が同じ数字で埋まる。三百年変わらない規格を読みたい。番号は、代の順ではなく群の順に並ぶ。

  • 美術史・技法

    技法の欄に、合金の配合が書かれる——刀の鐔九点

    銅と金の合金。銅と銀の合金。鐔の技法の欄には、材料の名ではなく配合が入る。赤銅と四分一である。九点のうち八点には重さの欄もある。金工の記録が絵画とどう違うのかを読みたい。大小、二枚で一組の件もある。銘の位置は、面の中にある。

  • 美術史・技法

    意匠した人と、作った人——ゴドウィンの飾り棚ほか

    図を引いた人と、木を刻んだ人は別である。七点のうち四点の作者の欄は、その二つに分かれる。年も場所も二つ書かれ、銘記の欄には型番が刻まれている。家具の記録が何を残すのかを読みたい。硝子と金属が、木の中に入る。

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