COLUMNSコラム
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美術史・技法
絵を家業にする——ピール一家
ピール一家は四人が画家だった。父は肖像、息子は静物、孫の世代も描かれる。同じ顔を繰り返し売り、博物館という副業も持った。家業としての絵を、九点の公開作品から読む。楕円の窓という発明や、名前が期待になる過程も追う。
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画家を知る
直径3センチから始まる——ジョン・シングルトン・コプリー
コプリーは象牙に描いた3センチの自画像から出発した。独学のボストン時代、ロンドンへの移住、そして事件を扱う大画面へ。小さな仕事が大きな仕事を支えた過程を、八点でたどる。大画面の展示が興行として成立した事情も見ておく。
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画家を知る
借りてきた品格——ジョシュア・レイノルズの大様式
レイノルズの肖像の姿勢は、古代彫刻や旧作から借りられている。寸法は注文の等級であり、値段の表でもあった。等身大の全身像から子どもの肖像まで、大様式の中身を九点で確かめる。絵具の実験とその代償にも触れておきたい。
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画家を知る
速さという趣味——フラゴナールの装飾画
フラゴナールの筆あとは、そのまま残されている。同じ構図が二点あり、大画面も対で作られた。装飾画は組で考えるという前提から、速さと反復が何を生んだのかを九点で読む。革命で注文が消えるまでの経緯も追いかけたい。
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画家を知る
見上げる絵の設計——ティエポロの天井画
天井画は、下から見上げられる前提で作られる。ティエポロの下絵は中央を空け、縁に人物を寄せる。壁から剥がされた断片や祭壇画の下絵まで、建築の一部としての絵を九点で確かめる。下絵がどこまで完成作を拘束したのかも見ておきたい。
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画家を知る
筆あとを、消さない——フランス・ハルスの肖像
フランス・ハルスは筆の跡を残したまま肖像を仕上げた。白い襟は数回の筆で置かれ、黒は一色ではない。書き換えられた年齢の数字まで含めて、速い仕上げが何を得たのかを十点で読む。速さが値段に関わっていた事情にも触れる。
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画家を知る
なぜ身体が伸びるのか——エル・グレコ
エル・グレコの人物は縦に伸びている。初期の横長の群像から晩年の細長い画面へ、何が変わったのか。署名の言語、工房の関与、見上げる位置という条件。九点を年代順に並べて確かめる。伸びの理由については、割れている説を割れたまま並べる。
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画家を知る
同じ顔を、量産する——クラーナハ工房のルター像
クラーナハ工房は、同じ寸法と同じ背景で肖像を作り続けた。蛇の標の翼の向きは年代を教え、顔だけが描き替えられる。ルターの肖像を含む九点で、作者性が仕組みに宿る過程を確かめる。板の産地や貼られた印刷文字まで手がかりになる。
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美術史・技法
板に描くということ——メムリンクとヘラルト・ダヴィト
初期ネーデルラントの絵は木の板に描かれた。両面に絵があり、翼は切り離され、縁には枠の痕が残る。メムリンクとヘラルト・ダヴィトの小さな板絵八点から、材料と形が決めていたことを読む。翼を失った断片が何を語れなくなるのかも見ておきたい。
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美術史・技法
絵は、容器で変わる——尾形光琳の屏風と扇
屏風は折れ、扇は掛軸に改装される。日本の絵は、掛ける場所に合わせて姿を変えてきた。光琳の屏風から、西洋の美術館に入って装を変えた作品まで、形式という条件を八点で追いかける。折れる絵、巻ける絵、収納できる絵という条件を確かめる。
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美術史・技法
旅を売るという商売——歌川広重《東海道五十三次》
東海道五十三次は、旅をしない人のために作られた。広重は同じ宿場を二度描き、寸法を変え、文字を添えて別の客に売った。日本橋から京へ、街道の絵がどう商品になったかを十点でたどる。五十三という数の意味にも触れておきたい。
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画家を知る
鳥の名前が書いてある——鍬形蕙斎の画帖
鍬形蕙斎の鳥の画帖には、一図ごとに名前が書かれている。名前が入ると、絵は鑑賞の対象から情報に変わる。図譜の作法と、めでたい取り合わせの混在。一枚ずつ売られて崩れた組を、九点で読み直す。名前が絵を情報に変える瞬間を見ておきたい。
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画家を知る
工房が受け継ぐもの——勝川春章と勝川派
勝川春章の一派では、名前も描き方も代々受け継がれた。同じ役者を三人の絵師が描いた版画を並べ、何が同じで何が違うかを見る。相撲の絵や三枚続まで、工房という単位で浮世絵を八点でたどる。名前と絵と系統の関係を、記録に沿って確かめる。
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美術史・技法
幅13センチの絵——奥村政信と紙の判型
柱に貼るための細長い版画があった。紙の規格が絵の寸法を決め、寸法が姿勢と構図を決める。奥村政信の柱絵から、判型という条件を読む。値段も飾り方も、紙の形から始まっていた。公開作品八点で追う。絹に描いた一点との落差も見ておきたい。
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美術史・技法
墨一色から始まった——菱川師宣の墨摺絵
初期の浮世絵には色がない。菱川師宣の墨摺絵は、線の太さと黒い面の置き方だけで人と町を描き分けた。色は買った人が筆で塗った。公開作品六点で、色を持たない版画がどう見せていたかを確かめる。墨だけで奥行きを作る手つきを、細部から追いかけたい。
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名画の楽しみ方
美術館はなぜ画像を手放したのか——モネと北斎の公開画像
作品の著作権が切れていても、その写真の権利は美術館が持つと考えられてきた。方針が変わったのは2010年代である。手放した理由、同じ図を並べて比べられるようになったこと、そして画像の質や権利の限界を、実際の公開記録で確かめる。
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暮らしと名画
額をどう選ぶか——ラファエロとデッカーの額から考える
絵の大きさは二つある。画面の寸法と、額込みの寸法である。小さな静物画は額に入ると面積が五倍を超える。美術館の記録で額の幅を比べ、明るい絵と暗い絵の違いを見たうえで、家で額を選ぶ六つの手順と紙作品の注意点をまとめた。
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美術史・技法
家具はなぜ美術館にあるのか——タウンゼンドとハーター兄弟商会
高さ25センチの椅子から始めたい。座れない大きさで、特許の出願に添えた模型である。国の歴史を語るため、産業の見本にするため、そして家が無くなったため。家具が美術館に入る事情と、用途を止められた家具が何を失うのかを考える。
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美術史・技法
顔が、通貨になるとき——ローマの貨幣とフランクリンの円板
共和政ローマの銀貨に載る顔は、神のものだった。三世紀の金貨では皇帝自身の顔になり、称号が周囲を回る。メダル、就任記念、博覧会の賞牌、そして1907年の金貨まで。顔が通貨になるとき何が起きるのかを、金属の上で読む。
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美術史・技法
色を、塗らずに入れる——ルイス・C・ティファニーのガラス
ティファニーのガラスは、模様を塗っていない。色は素材の内側にあり、熔けたガラスを動かした痕跡が葉や羽根の形になる。値札が残る底、工数を書き込んだ図案、白黒写真しか残らない八点。自然を写すという言葉の中身を十点から考える。
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